最近話題の「ちょっと古い国産スポーツ」を味わってみた!
最近、「ネオクラシック」と呼ばれる“ちょっと古い国産スポーツ”が注目を集めている。R32~R34型の日産スカイラインGT-RやマツダRX-7、ホンダのスポーツスピリットを注入した“タイプR”の人気は鰻登りである。なぜ、それほど注目を集めるのか。秘密を確かめようと2010年型シビック・タイプRユーロを借り出した。
「新型モデル試乗」キーワードは「爽快」、世界を見据えたスポーティ5ドア、11thシビックの新価値
タイプRユーロ(FN2型)は、ホンダの英国工場で生産された限定車。ベースモデルは、欧州仕様のシビック。フィットと同様のセンタータンクレイアウトを採用した独自設計モデルだ。パワートレーンは名機の誉高いK20A型2ℓDOHC16V。タイプR伝統のNSX製法と呼ばれるヘッドポート処理が施され201ps/7800rpm、193Nm/5600rpmをマークした。組み合わせるトランスミッションはクロースレシオ設定の6速MTである。
歴代シビック・タイプRは、ストック状態のままサーキット走行が満喫できるハードな足回りが特徴。しかしタイプRユーロは、少しキャラクターが異なる。サーキット走行を射程に収めながら、ワインディングを中心とした一般路のハンドリングと快適性を重視している。“ユーロ”というサブネームを冠しているのはそのためだ。ダンパーにはザックス製を採用していた。
絶品エンジン! 回して走る快感は格別
対面したタイプRユーロは2010年秋から1500台限定で販売がスタートした後期型のブラックカラー。シリアルナンバーは「168」である。現オーナーは、購入後ディーラーでコンディションをチェック。FN2型の弱点であるリアゲート周囲の雨漏りを修理すると同時に、ブレーキ周りを一新。足回りをTEINの車高調整式に交換した。ちなみに10年超のモデルながら、まだパーツ供給に不安はないという。
走りは鮮烈そのもの。素晴らしいエンジンだ。低回転域でもなかなか力強いが、回転が上昇するほど鋭さを増す。とくに5500rpm以上の炸裂感は快感。さすがホンダのスポーツ心臓である。6速MTのギア比は6速/100km/h時で3000rpm+と低めの設定。追い越し時やワインディングロードで最適なギアを選び加速を楽しむのは至福のひと時だ。タイプRユーロには、右足を踏み込むだけで圧倒的な速さが味わえる最新スポーツのイージーさはない。しかしドライバーが状況を的確に判断し、自身の操作で走りを組み立てる喜びがある。ドライビングは知的なゲームだと再認識した。引き締まった足回りも心地いい。
現在の中古車価格は、200万円前後。まだ手が届く範囲だ。最新スポーツもいいが、刺激的なネオクラシックは要注目である。
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みんなのコメント
仏馬力と英馬力の差分ってだけでは?
そんなわずかなデチューン、わざわざやるかね。
排気規制で排圧だけ変わったとかなら分かるけどさ。