後輪駆動とAWDのふたつシールで強豪に挑む
BYDが2023年1月に日本市場へ参入したときから販売が予告されていた新型EVセダン「SEAL(シール)」が、いよいよ2024年6月25日から全国55拠点のBYD AUTO正規ディーラーにて販売開始。
来年の日本発表が待ち遠しい!BYDのEVセダン「シール」をサーキットで乗る!
BYDシールのボディサイズは全長4800mm、全幅1875mm、全高1460mmとなり、直接的なライバルのテスラ「モデル3」と3方向すべてにおいて数センチ程度しかサイズが変わらない。それは価格においても同様で、エントリーグレードのテスラ・モデル3 RWDの531万3000円に対し、BYDシールは528万円(ともに税込み)と両車がっぷりよつの価格にBYDは設定してきたのだ。
BYDが公言しなくても、外野である我々はライバルを意識しまくりの戦略的価格設定にヤンヤと騒ぎ立てたくなるし、500万円台DセグメントEVセダンの戦国時代が開幕したと勝手にワクワクしてしまう。
日本に導入されたBYDシールは、ベースモデルで後輪駆動の「BYD SEAL」と、四輪駆動の「BYD SEAL AWD」の2グレード展開。駆動方式の違いによりモーター出力も異なり、後輪駆動モデルが230kWなのに対し、AWDモデルはリヤ230kWに加えフロントに160kWのモーターを装備する。これにより0-100km/h加速は「BYD SEAL」の5.9秒に対し、「BYD SEAL AWD」は3.8秒と、2秒以上も上まわる。当然クルマの味付けとしては、AWDモデルがよりスポーティさを強調したグレードに仕上がっているはずだ。
シールが搭載する駆動用バッテリーは、バッテリーのトップカバーがボディフロアとしての役割を果たし、バッテリーそのものが車体構造の一部となるように設計されたCTB(Cell To Body)テクノロジーが採用されている。これにより衝突安全性が向上し、CTB非搭載車に比べてボディ変形量が正面衝突で50%、側面衝突では45%減少するのだという。同時にボディのねじり剛性が高まり、ハンドリング性能が向上。また、効率的な空間設計が可能となり、特に高さ方向で車内空間の拡大に貢献している。
バッテリー容量は両グレードともに82.56kWhだが、システム合計出力の差により一充電走行距離は後輪駆動モデルが640kmなのに対し、AWDモデルは動力性能と引き換えに575kmと65kmばかり走行距離が短くなる。
税込の全国メーカー希望小売価格は、後輪駆動の「BYD SEAL」が528万円、四輪駆動の「BYD SEAL AWD」が605万円で、納車開始時期は前者が7月末ごろ、後者は8月末ごろからを予定しているとのこと。
なお、ボディカラーは両グレード共通で全5色。内装色はブラックの1色だ。
BYDシールが参入する輸入セダン市場は、Dセグメントに分類されるミッドサイズクラスのセダンが全体セールスの50%を占める主力セグメントだ。BYDは参入にあたって次のようにコメントしている。
「BYDはこの市場でBYD本来の強みである『先進的なバッテリー技術』『最新のEVプラットフォーム』『最新の安全・快適装備』を満載したBYD シールを通じて、このセグメントで“e-スポーツセダン”という確固としたポジションの確立を目指すとともに、広く国内のセダン市場でもその存在感を明確に示していきます」
つまり、シールには日本市場においてBYDのイメージリーダーであり、フラッグシップモデルとして、ブランドの認知向上が期待されているのだ。当THE EV TIMESでは、昨年中国で行われたBYD SEAL AWDの試乗会でシールAWDモデルのハイパフォーマンスぶりをレポートしている。そのときから熟成が重ねられていると思われるシールが、日本でどのような走りを魅せてくれるのか、いまから期待せずにはいられない。
33万円引きにプレゼントも多数で買い得度◎
さて、BYDでは今回のシール日本導入にあたって、1000台限定の導入記念キャンペーンを実施している。6月25日から先着で両グレード合計1000台が、通常のメーカー希望小売価格から33万円引きで購入できるほか、初期購入特典としてETCやドライブレコーダー、BYD独自のメンテナンスプログラム「BYD e パスポート」などが、8月31日までの期間限定でプレゼントされる。買い得度の高いキャンペーンなので、シールの購入を検討しているなら急いだほうがいいかもしれない。
また、シールを実際に見て、乗れことができるイベントが、東京、名古屋、大阪、福岡で開催される。試乗はどの会場も事前予約が優先となるので、「ありかも、BYD!」キャンペーンのサイトで確認のうえ予約してほしい。
満を持して販売開始となったBYDのフラッグシップEVセダンが、どのように日本市場で受け入れられていくのか、今後注目していきたい。
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