日産自動車と三菱自動車は、新たに軽自動車のEVを開発し、それぞれ2022年度初頭に発売すると明らかにした。それは一体どんなクルマになるのか。公開された情報をもとに探っていこう。
ご存じのように日産自動車と三菱自動車は合弁会社のNMKVを通じて、軽自動車の商品企画・開発を行なっている。主力車種の「日産デイズ」や「三菱eK」などはここから生み出されたモデルで、NMKVは今年創立10周年と成長期を迎えている。そんなNMKVにとって、EVの軽自動車は今回が初のモデルとなる。
日産と三菱自動車、実質価格200万円で2022年初頭に新型軽EVを発表 航続距離は170km前後
EVといえば、三菱は2009年に初の量産電気自動車となる「i-MiEV」を、日産は普通乗用車の「リーフ」をこれまでに15万台以上国内販売しており、それぞれEVについてはパイオニアを誇り、相応のノウハウを持っている。一方、軽市場ではスズキ・ダイハツが高いシェアを誇っており、こうした状況下で、日産・三菱連合から送り出される新型の軽EVが軽市場にどんな影響を与えるかは大いに気になるところだし、日産・三菱とって極めて重要だ。
新型車となると通常公開される情報は限られるが、新型軽EVについては珍しく、現時点でも一部情報が公開されている。まずボディサイズは、日産モデルが全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mmとなり、三菱モデルは全長3395mm×全幅1475mm×全高1670mmと公開されている。軽なので、全長と全幅は規定内ということになるが、注目は全高が日産モデルと三菱モデルで異なること。しかも15mmの差となると結構な違いである。
これの意味することは、すでにそれぞれのモデルの青写真が出来上がっているということ。そして両者のデザインは明確な差別化が図られる可能性が高いということだ。そしてもうひとつ最も重要な点として、両者の全高は「デイズ」よりチョイ高のレベルであり、軽の販売トップを占めるスーパーハイトワゴン系ではなく、トールワゴン系レベルの全高に留まるということ。これはEVという特性上、燃費(電費)を稼ぎ出すために、絶対的な室内容積よりも航続距離を優先したと考えられる。
軽という枠組みに収める以上、コスト面も大いに気になるところだが、日産・三菱ともに「実質購入価格は約200万円からになる」としている。これの意味するところは、車両販売価格は二百数十万円に設定されるが、補助金を差し引くと、エントリーモデルで200万円程度になるということ。安全装備やその他諸々欲しいオプションを足す場合、コミコミ200万円台後半だろうか。
NMKVにとっては第一弾となる軽EVでコケるわけにはいかず、当然、第二弾、第三弾となるデザインやボディ形状の異なるモデルを送り出すことまで視野に入れているはず。三菱にとっては「i-MiEV」に代わるモデル、日産にとっては「リーフ」を喰わないようにする必要がある……という具合にそれぞれに思惑もあるだろう。
公開された情報から予想するに新型車は、トールワゴン系でコミコミ300万円以下、航続距離は20kWhと予告されている。追加情報の公開を楽しみに待ちたい。
※写真
1枚目:2019年に日産が発表した軽自動車サイズのEVコンセプトカー「日産 IMk」
2枚目:日産 デイズ
3枚目:三菱 eKクロス
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みんなのコメント
給電設備も含めて200万 αなら勧めたいですね。
床下バッテリーだから低重心。 モーター駆動だから騒音振動が低い。 室内はICEの軽より断然広いだろう。
出足は、2リッタークラスの登録車はカモれるくらいの加速だろうし。
軽市場、コンパクトカーも合わせて、戸建てでセカンドカーとして使用しているユーザーをかなり食いそう。
で、ちょっと車体をストレッチして、中国で売るってのも有りかも。