トヨタの「プロボックス」と姉妹車「サクシード」にハイブリッドモデルが追加され、2018年11月から販売されている。今年に入って乗る機会を得たところ、じつによく出来ていると感心した。ニッポンの商用車、あなどるべからず、だ。
商用車を意識したことがない人も多いだろう。乗用車に乗るひとたちにとって、商用車として使われているトヨタのプロボックスとサクシード(トヨタ自動車は”プロサク”と呼ぶ)も、ふだんは意識しないかもしれないが、いったん気をつけていると、その台数のなんと多いことかを知るだろう。
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A4コピー用紙の箱なら89個積めるという積載能力を持つプロボックスは、「圧倒的な収納力がビジネスの効率を高めます」と、トヨタがうたうビジネスカーだ。ワンボックスのハイエースと双璧をなす商用車といってよい。
「商売をやっていない自分とは関係ないじゃん」と、思う向きも多いかもしれない。とはいえ、プロボックスはクルマとしてよく出来ていることをぜひ知ってほしいと思う。積載能力は触れたとおりで、くわえて、走りも意外によいうえ、スタイリングもシンプルで機能的で好感がもてる。
商用車なのでリアシートはエマージェンシーという感じだ。クッション性も不足しているが、2プラス2と割り切ればいいと思う。ウィンタースポーツやマリンスポーツの足を探しているひとは、これこそダークホース的存在と考えてほしい。もっとも、多くのユーザー(商用用途)は、リアシートを折りたたみ、荷室として使っていると思うが。
今回、新しく追加されたハイブリッドグレードは、1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせる。なおこれまでは、1.3リッターと1.5リッターのガソリンエンジンの2本立てだった。追加の理由についてトヨタは「燃費性能、加速性、乗り心地、そのすべてを向上させる」と、リリースで述べる。
搭載する1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンは54kW(74ps)の最高出力と111Nmの最大トルクを発揮する。組み合わされる電気モーターは45kWの最高出力と169Nmの最大トルクを発揮する。実際、運転すると、ふだん使いでは高速道路上も含めて充分なパワーだ。
走り出しは、モーターの恩恵もありスムーズだ。ただし、電気だけで走る距離はごくごく限られている。あくまで、モーターはエンジンのサポートに徹している感じだ。
加速性は、そもそも1.5リッターエンジン仕様でも悪くなかったと記憶していただけに、ハイブリッドは充分以上だった。急加速時こそ、ややかったるいと思う場面もあったが、総じて気持ちよくドライブ出来る。商用車とは思えない出来栄えだ。
インテリアは、ビジネスユースのための細かい心配りが随所に見られる。たとえば、スマートフォンに適したホルダーのすぐ近くにUSBソケットがあるという具合だ。A4サイズのラップトップ型コンピューターが置ける収納式トレイもあるし、ポケット類も豊富である。
そのうえ、シートの出来もよく、乗っていてなにかをガマンする必要は皆無だ。一般の乗用車に比べ、プロボックスは装飾を省き機能を追究しているぶん、乗用車がわりに使ってもなにかと便利である。むしろ、使い勝手の点でいえば、乗用車より優れるかもしれない。
安全面も充実している。歩行者検知機能つき衝突回避支援タイプのプリクラッシュセーフティ機構をはじめ、レーンデパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、先行車発進告知機能、スタビリティコントロールおよびトラクションコントロールなど豊富だ。ひと昔まえの商用車では考えられない装備レベルである。
また、発進から車速約25km/hまでのEV走行中、もしくは後退時に、外向きのスピーカーを使って車両の存在を、音で歩行者に知らせるシステムも備わる。
そういえばプリウスがはじめて発表されたとき、私は開発担当者に「(EV走行時)チャイム音などで接近を知らせたほうがいいのでは?」と言ったら、そのときは、「は?」と一蹴されてしまったのを思い出した。結局、こういった細かい配慮は大事である。しかも、商用車にも標準装備するからすごい。
興味ぶかかったのは試乗車の荷室に、おもりの入った段ボール箱が積まれていたことだ。それがないと、足まわりが硬めの設定なので、跳ねてしまうらしい。最初からリアの車高を高めに設定していた1980年代までのフランス車を思い出した。
ハイブリッドモデルの価格は「DX」の181万9800円(8パーセントの消費税込み)~である。おなじグレードで購入出来るガソリンモデルは、1.3リッターが137万3760円で、1.5リッターが154万9800円だ。ハイブリッドと1.5リッターを比較すれば、モーター分の価格差は約27万円。走りもよく、燃費に優れ、しかもエコなイメージをアピール出来る。なるほど、企業にとってはバリューフォーマネーの高い1台なのであった。
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