■雪による立ち往生が多発!
2022年末は、北海道や東北、北陸など、例年降雪量が多い地域のみならず、九州や四国などでも記録的な大雪に見舞われています。そんななか、各地で「クルマの立往生」が発生しています。
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一般的に、クルマの立往生とは一般道や高速道路で何らかの障害が起こり、長時間にわたって車列がまったく動かない渋滞を指します。
それが、降雪や路面凍結が原因の場合、復旧までの時間が長くなるケースがあり、寒さによってドライバーや乗員の身体と精神的な負担が大きいことが課題となります。
冬の立往生に備えて、自動車ユーザーが日頃から考えておくべきこととして日本自動車連盟(JAF)などでは、大きくふたつの視点で提案をおこなっています。
ひとつは、クルマを動かすための用意です。具体的には、スタッドレスタイヤ装着車でもタイヤチェーンを携帯すること、またタイヤ周辺の雪をかき出す出すためのスコップや作業用のグローブなどの用具を指します。
もうひとつは、車内向けの用意です。水や食料、簡易トイレ、そして寒さ対策として厚手の上着、毛布、防寒シート、スマートフォン充電用の小型バッテリーなどの携帯を推奨しています。
ただし、最近問題となっているような数十時間から数日間におよぶ超長時間の立往生を想定すると、車内向けの用意をさらにレベルアップしておく必要があるのではないでしょうか。
その際の考え方として重要なのが「防災」です。超長時間のクルマの立往生は、自衛隊が復旧や救助をおこなう場合もある災害だからです。
防災としてクルマを考える場合、クルマ本来の目的である「移動空間」ではなく、超長時間そのなかで過ごすための「臨時の居住空間」として捉えることが重要です。
冬の臨時の居住空間でもっとも大切なことは、当然ですが寒さ対策です。
一酸化炭素中毒に十分配慮したうえで、エンジンをかけて暖房をつけたり、またEV(電気自動車)ではバッテリーを使って暖房機能を作動させたりすると、クルマ本来の移動空間としてのエネルギーが減少していきます。
その過程で燃料残量や電気残量を気にすることが、立往生の際にドライバーにとって大きな精神的負担になり、疲れが増すことになりかねません。
そうした状況に陥らないに有効な方法は「寝袋」でしょう。寝袋は、過酷な冬山登山に対応する高価なものから、比較的安価なものまでさまざまな種類があります。
冬場の超長時間のクルマの立往生のみならず、さまざまな災害を想定すれば、多少コストがかかっても一定以上の性能がある寝袋を車内に携帯しておく必要があるでしょう。
さらに、寝袋を使って快適な仮眠をとるためには、近年ブームとなっているオートキャンプや車中泊での方法が応用できます。
つまり、シートを倒した状態でよりフラット(平坦)な状態に近づけるために、シートの隙間にタオルや毛布を置いたり、または各種マットを敷くといった対策です。
■ずっと運転席に座っているべきか?
次に必要なのは電気で、電源となるポータブルバッテリーがあると便利です。
オートキャンプや車中泊向けとして、近年は電池容量が大きくても比較的価格を抑えた商品がいろいろ出てきています。
これは、スマートフォンの充電用として移動中のカバンなどに携帯できる電池容量が少ないポータブルバッテリーと比べると大きく重いのですが、事前に大雪が予想される状況での移動時には、ある程度大きなサイズのポータブルバッテリーを積むことで心の余裕につながると思います。
ある程度の大きな電池容量があるポータブルバッテリーがあれば、電気毛布やスマートフォンの充電など電力が消費が多い電気製品を長時間使用することができます。
また、かなり大きな電池容量があるポータブルバッテリーであれば、電力が500W前後の電気ポットを使って車内で暖かい飲み物や食べ物をとることも可能です。
さらには、超長時間のクルマの立往生になれば、日中の天候が一時的に回復し、青空がのぞくことも考えられ、そうなればポータブルの太陽光パネルが強い味方になります。ただし、太陽光パネルはかなりのサイズがないと発電量が少ないため災害時での実用性に欠けるかもしれません。
それから、キャンプで使うLEDライトも役立ちます。車内灯は比較的暗いですが、LEDライトは明るさがあることはもちろん、温かみのある色にも変えることができるので、車内で不安な夜を過ごす際に気持ちが落ち着くでしょう。最近はホームセンターや100円ショップなどで、安価でも性能の高いLEDライトを購入することができます。
各種グッズの使用について、オートキャンプや車中泊で実際に使うことはもちろんのこと、例えば自宅での「もしもの場合」を頭の片隅において、家族や個人で防災訓練をすることも必要かもしれません。
超長時間のクルマの立往生でもうひとつ重要なのが、運転席に座り続けるかどうかという点ではないでしょうか。
移動空間としてクルマ場合、運転者は運転の義務を負うため、渋滞中でも運転席に着座することが必要です。
しかし、立往生している区間が通行止めになったり、また自衛隊が出動するような災害になって立往生が超長時間におよぶ場合、クルマは臨時の居住空間に変わります。
その場合、運転席以外の席に座る、または身体を横にすることで、肉体的および精神的なプレッシャーを減らすことができるでしょう。
※ ※ ※
立ち往生したときの対応については、現状では法的な解釈を含めて不明瞭な点が少なくないように思われます。
そのため、道路交通法の解釈や、災害時への対応という観点で、警察庁や国土交通省などがガイドラインを作成したり、都道府県の警察本部が広報活動をおこなうことも考慮されるべきではないでしょうか。
いずれにしても、冬場の移動では、気象情報を十分に収集したうえで、状況が悪化することが予測される場合の不要不急の外出は避けるべきです。
そして、やむを得ずクルマで外出したり、業務をおこなう必要がある場合は、万が一に備えて準備しておくことはいうまでもありません。
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みんなのコメント
災害に近い経験をしているのであれば、本当に役立つアイテムに寝袋なんて推奨しないはずですよ。