12月17日、SUBARUのモータースポーツ統括会社であるスバル・テクニカ・インターナショナル(STI)は静岡県の富士スピードウェイにて、2025年第53回ニュルブルクリンク24時間レースに参戦する『WRX S4』ベースのレーシングマシンのお披露目会とシェイクダウンを行った。
2008年より継続的にニュル24時間へ挑戦しているスバル/STIは、2025年で16回目の出走となり、2024年から続くクラス連覇を目指す。チームには、全国のスバルディーラーから選抜された8人のメカニックも帯同し、ブランドの総力を挙げた体制を築き上げて臨む。
スバルが2024年ニュル24時間でSP4Tクラス初優勝。勇退の辰己総監督「悔やむこと、思い残すことはない」
2024年のレースでは、排気量が2.0リットル以上2.6リットル未満のターボ搭載クラスであるSP4Tクラスに出走。また、これまでチームを率いてきた辰己英治総監督のラストチャレンジにもなる節目のレースとなったが、深い霧による赤旗など過酷なコンディションのなか、2023年までに生じたトラブルを復刻した走りでクラス優勝を飾った。
迎える2025年に向けては、目標として予選でのクラスポールポジションはもちろん、タイムは8分48秒をターゲットとし、決勝ではクラス優勝とともに『WRX』史上最多ラップとなる146ラップ(現在のベストは2019年の145ラップ)を掲げた。その達成へ向け、スバル/STIはマシン各部に新パーツを導入。『24年車の熟成 ~究極の運転がうまくなるクルマ~』をテーマとして以下の部分の開発を新たに進めてきたという。
・燃費向上を目標にエアリストリクター系の拡大
・オルタネータ負荷軽減
・エキゾーストマニホールドの耐久性確認
・ウイングステー&翼端板の新形状および新型フロアパネル
・ホイールのインナーリム形状を改良し操安性を向上
・リヤダンパーマウント部に補剛パーツを設定(市場への導入も検討中)
・ボルト締結緩み対策として量産車開発の技術で培ったカチオン塗装を導入
・2025年6月開催(これまでは5月)の高温化を想定し排気系に遮熱カバーを追加
お披露目会では、2024年大会終了後より辰巳前総監督からチームの総指揮を引き継いだ沢田拓也監督が、次のように2025年大会への意気込みを言葉にした。
「(2024年のレースが終わって)クルマが帰って来てから、我々は一所懸命に開発を行ってきました。2024年のレースは、2019年以来5年ぶりのクラス優勝となりましたが、赤旗中断で7時間半しか走ることができませんでした」
「2025年こそはしっかりと24時間ノントラブルで走り切って、耐久信頼性と速さの証明をしていきたいと考えています。新チーム体制で臨むことになりますが、協力し合って絶対に優勝できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」
その後、上記のアップデートをはじめとした開発の効果を確認すべく、晴天に恵まれた富士スピードウェイにて、2025年車のお披露目会に伴ったシェイクダウン走行が実施された。
1時間の走行枠を利用して、開発ドライバーの佐々木孝太と久保凛太郎が乗り込み、タイム計測とピットインを繰り返しながら約10周を無事に走行した。
さらに午後には、同様に1時間の走行が行われる。全国のスバルディーラーから集まった8名のメカニックの現場演習も含めたシェイクダウンは、順調に進んでいる様子だ。
半年後に控える2025年ニュルブルクリンク24時間レースは、5月23~25日に予選レース、6月19~22日に24時間レースが開催される予定となっている。
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