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ホンダ初のeモータースポーツイベント「GT Grand Final 2023」開催。グランツーリスモ7で世界レベルの大激戦繰り広げる

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ホンダ初のeモータースポーツイベント「GT Grand Final 2023」開催。グランツーリスモ7で世界レベルの大激戦繰り広げる

 12月10日、ホンダウエルカムプラザ青山でeモータースポーツイベント「Honda Racing eMS 2023」における、日本国内参加の上位選手による決勝レースイベント「GT Grand Final 2023」が開催された。

 ホンダ初の公式eモータースポーツイベントであるHonda Racing eMS 2023は、より多くの人にモビリティを操る楽しさと、モータースポーツの感動を身近に感じてもらうことを目的としたeモータースポーツイベントだ。

■映画『グランツーリスモ』主人公のヤン・マーデンボロー、次なる夢はハイパーカー/LMDh!

 9月28日~10月29日にかけて「GT Fastest Attack 2023」が実施され、PS5/PS4用ソフト「グランツーリスモ7」に収録されたシビックTYPE R(FL5)で、17歳以下の「U17クラス」は鈴鹿サーキットを、18歳以上の「Challengeクラス」はドイツのニュルブルクリンクを走行しラップタイムを競った。

 全世界でのべ20万人以上がアタックに参加。その総走行距離は地球453周分となる1800万km超にも達したというから驚きだ。

 そして今回のGT Grand Final 2023は、GT Fastest Attack 2023の日本国内参加者のうち各クラス上位10名による決勝レースイベントとなる。各クラスそれぞれ2レースを行ない、獲得ポイントの合計により順位を決定する。レース1は予選の持ちタイム、レース2は会場でのタイムトライアルによりスターティンググリッドが決められた。レース2の方がポイント配分が多いというフォーマットだ。

 解説には、スーパー耐久で実際にシビックTYPE R(FL5)を駆っていた大津弘樹が参加。実際に予選にも参加したという大津だが、「僕も実車で走っているし、自信をもって3時間位やったんですけど、トップタイムと比べると1.5秒位遅かったんです。みなさんの凄さは身にしみています」とレースに期待を寄せた。

U17クラスは林龍之介が1ポイント差の激戦制す!

 U17クラスのレース1は鈴鹿を5周するスプリント。ポールポジションからスタートした林龍之介が1周目から1秒ほどのリードを築く走りを見せ、そのまま危なげなく逃げ切ってみせた。後続では接近戦の中で挙動を乱すマシンもある中、4位フィニッシュとなった加藤陸がヘアピンで見事なオーバーテイクも見せるなど見せ場を作った。

 レース2はNSX Gr.4を使い、鈴鹿を11周するレース。3種類のタイヤコンパウンドを使用する義務があり、タイヤ摩耗倍率は10倍という戦略性が高い戦いとなった。

 スーパーポール形式のタイムトライアルは、FFのシビックからミッドシップのNSXに乗り換えての一発勝負。ここでも林は速さを見せて2番手となったが、それ以上に速かったのが森山綜太。今年のかごしま国体でグランツーリスモU-18部門を制した森山が、1000分の3秒上回ってみせた。

 レース2はタイヤ戦略の違いもあり、各所で激しいバトルが展開された。ハードタイヤでスタートした6台が1周でピットインしミディアムタイヤに履き替えるなど、戦略的な動きも見られた。

 ファイナルラップまで結果がどうなるか分からない展開の中、首位を快走していた森山がファイナルラップにハードタイヤを履く戦略で、逃げ切り優勝。3番手スタートから1周目にハードタイヤを捨てる戦略を採り、最後にソフトタイヤで追い上げた加藤を0.5秒差で抑えきった。

 総合優勝はレース2を3位でフィニッシュした林。途中4輪脱輪のペナルティを受けながらも、森山と加藤を1ポイント差で上回り初代王者に。「来年は国体、この大会も優勝したいと思います」と力強いコメントを残した。

リアルとの二刀流、フラガがレース2を制しChallengeクラス総合優勝

 18歳以上の「Challengeクラス」はワールドクラスの凄腕ドライバーが勢ぞろい。初代グランツーリスモ王者であり、スーパーGTや全日本スーパーフォミュラ・ライツ選手権に参戦している現役レーシングドライバーのイゴール・大村・フラガをはじめ、12月4日にスペインで開催された世界大会「グランツーリスモワールドシリーズ2023ワールドファイナル」の「マニュファクチャラーズカップ」で優勝した国分諒汰などがしのぎを削った。

 鈴鹿を5周するレース1は上位5台が数珠繫ぎとなる白熱の接近戦。フラガがポールシッターの荒木祐樹を攻め立てる中、一瞬のスキを突いて伊藤玲夢がインに飛び込み、2番手を奪取。しかしファイナルラップのターン1でフラガが抜き返し、さらに首位の荒木に並びかけるという激しいバトルを見せた。

 最後まで痺れる展開が続いたが、荒木が首位を守りきりトップチェッカー。フラガ、伊藤、國分という上位オーダーとなった。

 レース2は、レッドブルリンクが舞台。マシンはGT3相当となるNSX Gr.3だ。周回数は16周、タイヤ摩耗は9倍、燃料消費は3倍という設定だ。タイヤもU17クラス同様、3種類のコンパウンドを使用する必要がある。

 レース2のスターティンググリッドを決めるタイムトライアルでは、佐々木拓眞が見事なアタックでポールポジション。フラガが2番手につけた一方で、レース1優勝の荒木が7番手、伊藤も8番手と上位に食い込めなかった。

 佐々木が好スタートを決めてレースを引っ張り、フラガがそれを追う展開。佐々木とフラガはテール・トゥ・ノーズのまま7周目に同時ピットインするが、ここで佐々木はミディアムからソフトへ、フラガはミディアムからハードへとタイヤ戦略が分かれた。しかし、ピット出口で上手く加速したフラガが並びかけようとしたところで2台のラインが交錯。佐々木がスピンしてしまった。後にこの件で佐々木に不正なブロッキングの警告が出されている。

 それほどロスせずに走行を続けられたフラガはすぐにハードからソフトに履き替え2番手。佐々木は首位を走るものの、スピンでタイヤの消耗が進みマネジメントをしながらのレースとなった。

 左リヤタイヤを0%まで使い切りながらも、ファイナルラップのピットストップまでソフトタイヤを保たせた佐々木だが、フラガの4秒後ろ2番手でのコース復帰に。フラガはそのままトップチェッカーを受け、総合優勝を果たした。

 痛恨のスピンを喫したものの、2位となった佐々木が総合でも2位となった。辻村亮介との激しい3位争いを制した伊藤が、総合3位となっている。

 フラガはeモータースポーツの魅力について、「気軽に誰でも始められます。バーチャルならリアルとかなり近い状況でドライビングの体験が得られます。こうしたイベントや世界大会もあるので、魅力的な世界です。ぜひ興味がある方たちは、始めてくれたら嬉しいです」と語った。

 ホンダの公式eモータースポーツイベントとして、青山で実施され大きな盛り上がりを見せた今回のイベント。HRCの渡辺康治社長は、今後さらに拡大していきたいと語った。

「選手たちの世界レベルの走りというのを見させていただき、改めてeモータースポーツの素晴らしさを実感しました。我々HRCとしてはF1やMotoGPという世界の最高峰レースを始め、様々なモータースポーツ活動をしておりますけれども、その目的のひとつとしてモータースポーツの素晴らしさを多くの人たちと分かち合うということを大事に思っています」

「我々としてはeモータースポーツのイベントを今回初開催ということになりますけれども、今後さらに広げていきたいと思っています。20万人を超える人たちに参加していただき、シビックに乗っていただきました。この素晴らしいイベントをもっと拡大していけたらいいなと思っております」

「このeモータースポーツの中から、将来我々と一緒にF1を戦うような、ドライバーが出てくることを期待しています」

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