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ジェネシスGV60 詳細データテスト 韓国の高級ブランド 速く快適 四駆のハンドリングは安定志向

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ジェネシスGV60 詳細データテスト 韓国の高級ブランド 速く快適 四駆のハンドリングは安定志向

はじめに

日本ではなじみのないジェネシスというブランドは、韓国のヒョンデが展開する高級車ブランドだ。レクサスやインフィニティのような位置付けを狙ったものだと考えればいいだろう。

【画像】写真で見るジェネシスGV60とライバル 全16枚

欧州で販売されるそのラインナップは、じつにありふれたものだ。ルックスも走りもまずまずだが、これまで他ブランドとの差別化を主張できるモデルレンジが足りなかった。

そうなると、これまでガソリンとディーゼルしか用意していなかったのを方針転換して、電動車専業ブランドへ移行することには意味がある。2030年までには全車をEVとする計画で、新型クロスオーバーEVのGV60はそのゴールに向けた最初のステップだ。

基本的なルックスは悪くない。E−GMPと銘打ったプラットフォームは、ヒョンデ・アイオニック5やキアEV6といった、同グループの中型EVと共通だ。ジェネシスによれば、長い目で見て使うに十分なメカニズムだという。また、これ以外に2台、大型セダンのG80と、クロスオーバーのGV70のEV版を準備中だ。

しかし、ブランドは徐々に拡大していく計画で、商品自体の強みと、よりフレンドリーで個人的なアプローチによりセールスを増やしたいと考えている。

そうはいっても、まだまだブランド認知度を高めるためにはやるべきことが多い。今年7月の販売台数は、経ったの62台だったのだから。はたして、ヒョンデやキアの手頃なEVをベースに、プレミアム感を強めるレシピで生み出されたGV60には、市場シェア拡大に寄与するクルマとなるだけの内容があるのだろうか。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

先に述べたとおり、ベースはヒョンデ/キアのEV専用プラットフォームであるE−GMPで、兄弟車に続く3番目の採用例だ。これは吉兆と言える。というのも、使用されている技術は、すでにエネルギー効率の高さと充電の速さが実証されている上に、とくにキア版はハンドリングも悪くなかったからだ。

バッテリーパックは、E−GMP使用モデルでは定番の77.4kWh仕様。といっても、この韓国のグループはテスラの悪癖を真似るように、正確なキャパシティーを明らかにしたがらない。77.4kWhというのはグロス値で、実際に使える電力量は、ヒョンデもキアも、もちろんジェネシスも開示していない。

モーターの搭載数が1基から3基まで設定されているのも、兄弟車と同様だ。今回テストするスポーツ・プラスは最上位グレードで、前後に245psのモーターを積み、合計490ps/71.3kg-mを発生する。このセッティングはGV60特有のもので、キアEV6 GTはリアにもっとパワフルなモーターを使用している。

スペックを見るに、これはたしかに速いクルマだが、価格が高い。だからこそ、E−GMP採用のより安価なモデルにはなかった装備や、グレードアップしたハードウェアを導入できたのだろう。ただし、革新的なところはまったくない。

追加されたのは、たとえばノイズキャンセリングだったり、アダプティブサスペンションだったりする。そのほかにはリアLSDや4ポットブレーキといったところ。目新しいものはひとつもない。それに、価格を考えると物足りない内容だ。

そこでGV60は、より豪華なインテリアと個性的なスタイリングで、価格の正当化を図る必要に迫られた。もちろん、デザインの評価は主観的な価値観に依ってしまうが、今回のテスト車を見ると、こういうのが琴線に触れるというユーザーもいるだろうことは想像できる。

公共の充電スタンドなどに停めていると、ほかのEVのオーナーから、このクルマがなんなのか尋ねる声をかけられないことはなかった。そして、鮮やかすぎて目がチカチカするボディカラーのサンパウロ・ライムはともかく、デザインそのものへの反応はおおむね好意的だった。

内装 ★★★★★★★★☆☆

以前にG70やGV80といったジェネシスの既存モデルを試乗した際には、パワートレインとシャシーのチューニングに難があった。いっぽうで、インテリアについては高評価をしたが、その水準にGV60の内装も達している。

既存車種ではオープンポアのウッドを用いたトリムが、GV60ではアルミに代わってはいるものの、上級グレードではこれまで通りレザーを使用し続けている。なお、下位グレードは合皮が標準仕様だ。ドアトリムの下のほうまでソフトな素材が用いられているので、多くのユーザーが質感は高いと感じるだろう。残念なのはドアハンドル。ガッチリしてはいるが、プラスティッキーだ。

ユーザビリティに関しては、操作系をタッチパネルへ集約しすぎるメーカーに後悔の念を抱かせそうだ。ディスプレイは、メーター用とインフォテインメント用が連続しているが、鮮明で、レスポンスがよく、簡単に使える。

決定的なのは、ロータリー式セレクターや実体ショートカットボタン、エアコン操作パネルが、タッチ画面を補完していること。主要な機能は押すだけで操作でき、セッティングメニューはこのクルマを好みに合わせて設定することを可能にする。

新開発のEV専用車だけに、GV60は室内の空間効率もいい。センタートンネルがないので、フローティングセンターコンソールの下には収納スペースを設けることができた。小物入れやドリンクホルダーも不足はない。

後席はニールームが広いものの、車体がより長いEV6のようなリムジンを思わせるほどのスペースはない。兄弟車と同じく、リアシートは低く、前席下の足入れスペースは狭い。それを埋め合わせるのが、リクライニングの調整幅の大きさだ。

荷室は、フロアは広いものの、リアモーターと床下に積まれた駆動用バッテリーパックの後部がかなりの容量を犠牲にしている。また、買い物袋を引っ掛けるフックのような便利アイテムは備えていない。

走り ★★★★★★★★★☆

直線加速でフォード・マスタング・マッハE GTに勝るのは、100kg軽い車両重量と、ハイパワーをより長く出し続けられるパワートレインのおかげだ。ブーストモードでは、アグレッシブには見えないルックスのクロスオーバーでありながら、0−97km/hが3.8秒、0-100km/hが4秒フラットだ。

多くのEVとは異なり、速度が高くなっても勢いは衰えない。177km/hに達するまでは11.5秒で、フォードのライバルより9秒も早い。23.6秒で225km/hに達し、スピードリミッターが作動する235km/hまで問題なく加速する。

必要かと言われれば、そんなことはないだろう。しかし、これほどの加速性能があれば、スタートダッシュのショックが収まってきても、笑いが止まらない。もっとも、ほかのEVと同じく、ちょっとした注釈をつけ加えなくてはいけない。490psのフルパワーを長く出し続けることはできず、またどれくらいの出力を得られるかは走行モードによって変化する。

一般に、テスラとははっきり違って、設定を変えられることがGV60の特徴的な要素だ。ただし、その調整は面倒ではない。一度好みに合わせてしまえば、それ以降はいちいちメニューを呼び出していじらなくてもいい。

メインとなるモードは、エコ/コンフォート/スポーツの3つで、それだけでも大きな違いが出る。エコモードでは出力がフルパワーの半分ほどにとどまるが、分母が大きいので、普通に走るなら十分だ。

コンフォートモードでは、エコモードよりスロットルがシャープになり、より多くのパワーを引き出すが、デリバリーは奇妙な感じだ。ペダルを踏み込んでも、全開になったと感じるまでだいたい1秒くらい遅れるのである。まるで、盛大なターボラグみたいだ。

そして、すべての制約を外したのがスポーツモードということになる。ただし、ペダルを床まで踏み込んでも、435psまでしか出ない。本当のフルパワーを発揮させるには、ステアリングホイール上のブーストボタンを押す必要がある。すると、490psを最大10秒使える。それが物足りないと思うドライバーも、速さが増したと思うドライバーもいるだろう。

どのモードを選んでも、加速に伴うサウンドを選択できる。音の種類と音量が変更できて、まったくの無音から、フルに宇宙船のような感覚を味わえるモードまでが選べる。

好みのモードを見つければ、あとはできのいいEVに求められるような振る舞いを見せる。パワーはスムースに出て、トラクションコントロールのぎこちない介入はまったくない。ステアリングホイールのパドルで、回生ブレーキの具合は、フリクションのないコースティング走行からワンペダル運転まで、5段階に切り替えできる。

GV60は全車同じブレーキディスクを使用するが、スポーツ・プラスはフロントキャリパーが4ポットにアップグレードされる。ややガッカリしたのは、113−0km/hの制動テストでEV6を凌げなかったことだ。ただし、マスタング・マッハE GTよりは3m手前で止まった。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

ジェネシスのインフォテインメントシステムには、明らかにBMWのそれを思わせるところがある。大画面のタッチ式ディスプレイに、ロータリー式コントローラーと多少の実体ボタンを組み合わせた構成がその理由だ。グラフィックのスタイルは独自のものだが、ベストなシステムにインスパイアされたのは間違いない。

メニューのレスポンスは早い。メニューの選択肢はかなり多く、初見では圧倒されるが、1週間も乗っていればほぼ覚えられる。いったん設定が決まってしまえば、それ以上いじる必要はない。選択肢の多さは悪いことではない。Apple CarPlayもAndroid Autoも装備されている。ただし、どちらも接続にはケーブルが必要だ。

満点にならなかった原因は、EV特有の機能がなかったことだ。ナビゲーションは充電ステーションを検索できるものの、そこの充電性能などの情報は表示されない。また、目的地まで到着した際の電池残量を試算する機能もない。テスラのルート設定に比べると、実用性で劣るのは否めない。

燈火類

LEDヘッドライトは標準装備で、マトリックスビームは2070ポンド(約34万円)のイノベーションパックに含まれる。この上なくパワフルだが、対向車を眩惑してしまうことがある。

ステアリングとペダル

ペダル配置は多くのクルマほど右に寄ってはいないが、それ以外は一般的なレイアウト。ほかのE−GMPモデルと同じく、ステアリングコラムのテレスコピック量はやや足りない。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

GV60のラインナップにおいて、スポーツ・プラスはもっとも速い最上位グレードだ。しかし、E-GMPプラットフォームが秘めるスポーティさを本当に見極めたいなら、EV6 GTやアイオニック5 Nが必要だというのが、われわれの見解だ。

同時に、2モーターのGV60は、車両重量が2.2t近いことを忘れてはいけない。それを踏まえればよくやっていると思えるが、新たなスタンダードを打ち立てるようなものではない。

ロックトゥロックは2.3回転と、ステアリングはそこそこクイック。手応えは、一貫して自然な重みがある。なんらかのフィードバックが出始める前にグリップ限界を見極める必要はあるが、いまどきのクルマでそれは珍しいことではない。

そうはいっても、レスポンスに多少ぼんやりしたところはある。これについては、それ以外の運動性能的要素がすばらしかったEV6にも同じ傾向が見られた。運転しはじめると、最初は自信を持てないが、すぐに頼もしいグリップがあることに気づく。ステアリングリム越しには感じられなくてもわかるくらいにだ。

モーターは前後ともパワフルで、安全だがどこか満足できないハンドリングバランスを生む。ハードに加速していると多少のトルクステアが見られ、コーナー脱出時にはリアが身悶えするようなこともある。

しかし、少なくともドライ路面では、決してオーバーステアを出すことがない。フロントモーターの存在は小回りに不利で、回転直径は11.9mと、そこそこ大きいクルマ並みの水準だが、EV専用モデルとしては珍しいことではない。

GV60スポーツ・プラスの訴求点は大パワーであり、それを安心して使えることだ。マスタング・マッハE GTがもっと遊び心のある走りを見せるものの、人工的な感じもあるのに対して、このGV60はテスラ・モデルYと比べてもはるかにナチュラルだ。英国ではまだGV60の後輪駆動モデルを試乗していないが、ドイツでの試乗や、EV6の後輪駆動モデルに乗った経験から推測すると、GV60のエントリーグレードはより麗しいバランスの持ち主なのではないだろうか。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

スポーツ・プラスというグレード名が命名ミスではないかと思わせるのは、もっともスポーティなサスペンションと最大サイズのホイールを装着していながら、それでもじつに高い快適性だ。

アイオニック5ほどふんわりした走りではなく、ラフな道ではシャシーがやや落ち着かないところもあるが、乗り心地の洗練度はマッハEやモデルYのはるかに上を行く。パッシブサスペンションのEV6にも優っている。

このGV60の乗り心地は、ダンパーが効いているが落ち着いていて、M25の最悪なコンクリート路面のセクションでも我慢できるほど。高速道路での静粛性はライバルたちより高く、ロードノイズはほぼないし、高速域での風切り音もごくわずかだ。

これほどリファインするために、ジェネシスは持てる限りの策を弄した。パッシブな対策としては、ジェネシス向けに設計されたフォーム内蔵のミシュランやラミネートガラスを採用。加えて、アクティブノイズキャンセリングが、残ったノイズをうまくマスクしている。

スポーツ・プラスは、アダプティブダンパーを装備する唯一のGV60で、システムはフロントウインドウ内側のカメラで路面をスキャンし、前方のバンプや轍に備えるものだ。ところが、せっかくのチャンスでありながら、コンフォートとスポーツの各モードでダンパーのセッティングに大きな違いを設けなかったのはじつに残念だ。

たしかに違いはある。とはいえ、かなり気をつけていないとわからない。サスペンションには、まだまだ余力があったはずだ。もっと快適方向に振る余地も残っているだろうし、現状のスポーツモード以上にボディコントロールを締め上げて、スポーツ・プラスモード的なものを設けることもできただろう。

シートもまた、もう少しがんばれただろうと思える。調整機能に不足はない。オプションのエルゴモーションは自動で短時間のマッサージを行って、長距離の移動を快適にしてくれる機能で、ドイツ脊椎健康推進協会の認定を受けている。

しかしながら、パッドは硬くなくていいところが硬く、ランバーサポートはかなり粗い。全体的には快適なのだが、高級車のシートしてベストなものには到底及ばない。

運転アシストデバイスは玉石混交といったところ。ACCや車線追従機能は上々。レーンキープは干渉しすぎだが、これは簡単にオフできる。ヒョンデやキアの他車種にも装備されている死角カメラは、従来どおり役に立つ。

ところが、それ以外の機能の中には、自動レーンチェンジや自動速度アシスト、リモートパーキングのように、せいぜいにぎやかしのギミック程度にしか働かないものもある。それらは、開発途中の試作品を商品化してしまったようなレベルだ。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

ジェネシスは、ヒョンデ/キアのプレミアムな兄弟ブランドだ。それだけにGV60は、基本メカニズムを共用するヒョンデ・アイオニック5やキアEV6より高価だ。しかし、その価格差は予想したほど大きくはない。

4万7005ポンド(約776万円)からという価格設定は、EV6より2810ポンド(約46万円)高いのみで、装備の充実度は同様のものがある。スポーツ・プラスになると6万5405ポンド(約1079万円)と1万8400ポンド(約304万円)もアップするが、それでもテスラ・モデルYパフォーマンスやフォード・マスタング・マッハE GTと同等。ポルシェ・タイカン・クロスツーリスモなどに比べれば、当然ながらずっと安い。

問題は、ジェネシスの全モデルに通じることだが、ブランド認知度だ。その結果、予想される残価率も低くなっていて、同じ価格でも実質的に他メーカーのライバルより割高になってしまう。

動力性能テストや高速道路での長距離移動を含めた1週間の試乗で、平均電費4.7km/kWhというのは、これほど高出力の電動SUVとしては悪くない。マスタング・マッハE GTやボルボC40はこれよりかなり悪い。今年テストしたテスラ・モデルYロングレンジはわずかにパワーが落ちるが、平均5.0km/kWhをマークしている。

この電費とバッテリー容量から割り出される現実的な航続距離は354kmと、新たな基準を打ち立てるような数字ではない。とはいえ、後輪駆動モデルであれば、同じメカニズムのEV6と同等の418kmくらい走るだろうことは疑う余地がない。

キアと同じく、ジェネシスも200kW以上の急速充電に対応可能で、その場合は10~80%チャージが18分で完了する。経験上、これは大袈裟に盛った話ではないと思える。

ジェネシスは、ジェネシス・ディファレンスと呼ぶ販売方法の、オーナーが享受するメリットをしきりにアピールしている。一般的なディーラーの代わりにパーソナルアシスタントを用意し、試乗も整備もユーザーそれぞれの好きなところでできるよう対応する。また、5年間の保証と整備費用が車両価格に込みとなる。

とはいえ、今のところは十分な注意が必要だ。自宅などへ試乗車を持ってきてくれるサービスは、エリアがロンドンとイングランド南西部に限定される。そして、英国におけるジェネシスの販売店は、今のところロンドンのショッピングセンターにある1軒のみだ。

スペック

レイアウト

プラットフォームは、ヒョンデ・アイオニック5やキアEV6と同じE−GMP。バッテリーはキャビン床下に配置され、モーターはリアマウントを基本に前後搭載モデルも用意される。

サスペンションはフロントにロワアーム分割式のマクファーソンストラット、リアに5リンクを用い、スプリングは前後ともスティールのコイル。前後重量配分は50:50だ。

パワーユニット

駆動方式:フロント・リア横置き四輪駆動
形式・前・後:永久磁石同期電動機
駆動用バッテリー:77.4kWh(グロス値)/76kWh(ネット値)
最高出力:435ps/-rpm(オーバーブースト時:490ps
最大トルク:71.3kg-m/-rpm
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:233ps/t
トルク荷重比:34.0kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4515mm
ホイールベース:2900mm
オーバーハング(前):830mm
オーバーハング(後):785mm

全幅(ミラー含む):2070mm
全幅(両ドア開き):3720mm

全高:1580mm
全高:(テールゲート開き):2160mm

足元長さ(前):最大1120mm
足元長さ(後):最大760mm
座面~天井(前):最大1035mm
座面~天井(後):最大905mm

積載容量前/後:20L/432~1550L

構造:スティールモノコック
車両重量:2095kg(公称値)/2192kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前・後:8.5Jx21
タイヤ前・後:255/40 R21 102Y
ミシュラン・パイロットスポーツEV GOE
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:1速リダクションギア
ギア比
最終減速比:-
リダクション比:-
1000rpm時車速:-km/h

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.7km/kWh
ツーリング:4.3km/kWh
動力性能計測時:2.1km/kWh

メーカー公表値:消費率
混合:5.3km/kWh

公称航続距離:465km
テスト時航続距離:354km(平均)/-km(ツーリング)
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.3回転
最小回転直径:11.9m

ブレーキ

前:360mm通気冷却式ディスク
後:360mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、EBD
ハンドブレーキ:自動(ステアリングホイール右側にスイッチ配置)

静粛性

アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):69dBA
48km/h走行時:50dBA
80km/h走行時:55dBA
113km/h走行時:66dBA

安全装備

ABS/EBD/ESC/LKA/AEB/前方衝突回避/車線追従アシスト/死角アシスト/リアクロストラフィックアシスト/運転席ニーエアバッグ/センターエアバッグ
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温27℃
0-30マイル/時(48km/h)1.6秒
0-40(64):2.2秒
0-50(80):2.9秒
0-60(97):3.8秒
0-70(113):4.8秒
0-80(129):5.9秒
0-90(145):7.4秒
0-100(161):9.1秒
0-110(177):11.5秒
0-402m発進加速:12.2秒(到達速度:181.7km/h)
0-1000m発進加速:22.7秒(到達速度:223.1km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォード・マスタング・マッハE GT
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h)1.8秒
0-40(64):2.5秒
0-50(80):3.3秒
0-60(97):4.2秒
0-70(113):5.3秒
0-80(129):6.8秒
0-90(145):9.5秒
0-100(161):13.7秒
0-110(177):20.6秒
0-402m発進加速:13.2秒(到達速度:159.3km/h)
0-1000m発進加速:25.6秒(到達速度:184.9km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):1.2秒

30-50(48-80):1.3秒

40-60(64-97):1.6秒

50-70(80-113):1.8秒

60-80(97-129):2.2秒

70-90(113-145):2.6秒

80-100(129-161):3.2秒

90-110(145-177):4.1秒

100-120(161-193):5.3秒

110-130(177-209):6.7秒

120-140(193-225):9.3秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温27℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):23.7m
70-0マイル/時(80km/h):46.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.58秒

ライバルの制動距離フォード・マスタング・マッハE GT
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
30-0マイル/時(48km/h):8.1m
50-0マイル/時(64km/h):21.9m
70-0マイル/時(80km/h):43.1m

結論 ★★★★★★★★☆☆

GV60は、昔ながらのレシピで仕立てられた最新EVだ。兄弟ブランドが実証済みのメカニズムをベースに、異なるデザインやより質のいいインテリア、多少の独自装備で飾り立て、高い値付けを納得させるというやり方である。

この方法は、たとえばアウディのような成功例を生み出すこともあるが、インフィニティのような期待外れの失敗にも容易に陥る可能性がある。

GV60の場合、ベースはすでに完成されている。ヒョンデ・アイオニック5もキアEV6も、高効率で、充電が早く、完成度の高いシャシーと熟成されたテクノロジーが用いられた、優秀なEVだ。

それらすべての要素を継承しつつ、豪華なインテリアや、より直感的に操作できるインフォテインメントシステム、独創的なデザインのエクステリアを付加して、GV60は生み出された。さらに今回のスポーツ・プラスは、息を呑むようなパフォーマンスも備えている。

ジェネシスは、シャシーの要素技術をもっとうまく使えたはずだ。また、高効率でありながら、バッテリー容量の大きいライバルたちに航続距離で水を開けられている。

ただし、ほかのハイパフォーマンスEVクロスオーバーと比較すると、ジェネシスのこれは徹底して完成度が高められた、オールラウンドなクルマに思える。快適に日常使いできる要素が満載だ。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラートセッティングメニューがたくさんあるので、望み通りの走りに仕上げることが可能だ。背面か座面かを選んで素早くあたためてくれるシートヒーターは目からウロコ。酷暑の中の試乗でなければ、もっと恩恵を受けられたはずだ。

マット・ソーンダース駐車場の入出庫を自動で行うことはできるが、そばに立ってボタンを押し続けておく必要がある。動きはきわめてスローで、ときどき途中でギブアップする。余興的に見せびらかす以外、使い道がないというのが感想だ。

オプション追加のアドバイス

228psの後輪駆動モデルであるエントリーグレードのプレミアムが、バリューはもっとも高い。ただし、思いがけなかったようなものまで標準装備されているいっぽう、シートヒーターのように必須と思えるものがおぷしょんだったりする。イノベーションパックとコンフォートシートパックを追加するのは必須だ。

改善してほしいポイント

・コンフォートとスポーツの各モードで、アダプティブダンパーの設定にもっと大きな差をつけてほしい。
・スマートフォンのミラーリングはワイヤレスにしてもらいたい。また、もっとEVに適したルート選びができるナビがほしい。
・荷室に、フックや分割板のような便利アイテムは必要だ。また、後席のフォールド操作は、シートから離れたレバーなどで行えるほうが便利だ。

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