それまで3連覇していたプジョーが、2018年を最後にダカール・ラリーのプログラムを中止して以来、トヨタとX-Raid ミニが一騎打ちを繰り広げている。その結果、2019年はトヨタ、2020年はX-Raid ミニと、直近2年間はこの2ブランドが勝利を分け合っている。
そんな中、その勢力図に風穴を開けようとしているのがバーレーン・レイド・エクストリームチーム(BRX)だ。彼らはプロドライブ製のBRX1を投入し、WRC(世界ラリー選手権)のレジェンドであるセバスチャン・ローブと、2014年のダカール覇者であるナニ・ローマという強力な布陣を擁して2021年のダカール・ラリーに臨む。
■セバスチャン・ローブ、ダカール・ラリーに5度目の挑戦へ。プロドライブとタッグ
ディフェンディングチャンピオンであるカルロス・サインツSr.は今回も、ダカール優勝13回を誇るステファン・ペテランセルらと共にX-Raid ミニからエントリーしており、連覇を目指す。サインツSr.曰く、4輪部門ではトヨタとX-Raid ミニが依然として優位であり、BRXはその経験不足が不利に働く可能性が高いという。
「おそらくトヨタとミニのレースになると思う」とサインツSr.は言う。
「トヨタ勢はたくさんいるが、ミニはたった2台(のバギー)しかない。トヨタが力をつけてきていることは、過去2回のラリーで既に確認済みだ。ナサール(アルアティヤ)との戦いは激しいものになりそうだ」
「プロドライブは2台とも良いドライバーを揃えている。ローブの再挑戦は参戦ドライバーのレベルを引き上げてくれるし、彼らは勝てるマシン、信頼性のあるマシンを作り上げる力がある」
「ただ不可能とまでは言わないが、初参加で優勝するのは非常に難しい。いくらテストをしても、レースは全くの別物だ」
2021年のダカール・ラリーは前年に引き続き、サウジアラビアで開催される。ダカール・ラリーを主宰するASOはサウジアラビアと5年契約を締結しており、2021年がその2年目となる。
ASOの責任者であるデビッド・キャステラが認めたところによると、今回のラリー2週目に走る一部のステージは非常に高速となっているとのこと。1週目に走るステージも80%~90%が新しくなっているようだ。また、翌日に向けてのマシン整備などが禁じられる“マラソンステージ”についても変更が加えられ、今回から競技者はペナルティ無しでタイヤを交換することもできなくなる。
これらの変更点について、サインツSr.は次のように述べた。
「まず第一に、2週目は少し危険になっている。しかし組織はそれをきちんと理解している。今回はステージが北の方に移るみたいだが、1週目のステージは素晴らしいことを知った」
「マラソンステージに関しては、今回パンクをした場合もアシスタントトラックから(ペナルティなしで)タイヤをもらってくることができないので、より難しいものになっている。スペアのタイヤはふたつ持っている」
「次の日、パンクをしてアシスタントチームからタイヤをもらったりしていると15分を失う。両輪だと30分だ。パンクしないように気を付けて、あとは幸運を祈るしかないね」
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