日産のライフケアビークル(LV)とは
各メーカーが開発に力を注ぎ、近年、普及が進んでいる福祉車両。日産グループではオーテックジャパンが開発・製造などを手がけ、軽自動車からマイクロバスに至る幅広いラインアップを揃える。今回はそんなオーテックジャパンの福祉車両の歴史を紹介していくこととした。
事故が起きても保険金が支払われないことも!自動車保険の「告知義務」と「通知義務」の重要性
その歴史は’70年代から始まり福祉車両の進化とも重なり興味深い話題も数多い。ちなみに日産グループでは福祉車両を障がいを持つユーザーだけのクルマでは無く、高齢者なども含めたユーザーが利用しやすい車両であることを示す意味での「ライフケアビークル(LV)」という名称で呼んでいる。
多くの法人ユーザーにライフケアビークルを広め
日産の福祉車両への取り組みはかなり早期から始まっていた。当時はまだオーテックジャパンではなく日産内の一部門が福祉車両を設計・製造していた。そんな日産での福祉車両・第一号となったのは1976年に製造されたマイクロバスであるシビリアンべースの車両だった。車いすを昇降させるリフトを取り付けた車両で、ボランティア団体に向けた特別車両(当時はまだ福祉車両の市販ラインアップは無かった)として製造されたものだった。
しかし翌年の1977年には日産は東京モーターショーにキャラバンベースの福祉車両を出展することになる。福祉車両のショーモデルを送り出すところは時代的にも徐々に福祉車両に対する注目度が上がってきていた事を思わせるエピソードだ。
このキャラバンベースの福祉車両は車いすを載せるタイプでリフト付きの仕様だった。マイクロバスでは無く、よりコンパクトなキャラバンベースで設計したのは福祉車両のより幅広い普及を見込んでだった。福祉車両のモーターショーへの出展は一般ユーザーの注目度を高める、きっかけとなっているのは確かだろう。
東京モーターショーでの福祉車両の出展から1年後の1978年には早くも日産による福祉車両の市販化がスタートしている。キャラバン/ホーミーをベースにした車いすを載せることができるチェアキャブがデビュー。モーターショーの反響もあり、早々に市販化にこぎ着けたことが想像できる。
1970年代後期に市販化が実現した日産の福祉車両。1980年代には事業所などで用いる特別なクルマから、一般の個人ユーザーも使うポピュラーなクルマへと進化して行くことになる。
その代表例がバネットベースの車いす仕様車の登場だった。それまでの福祉車両はマイクロバスや大型1BOXをベースにし、福祉施設をはじめとした法人での利用がほとんどだった。対してキャラバンよりも小型の1BOXであるバネットをベースにすることで個人ユーザーが福祉車両を利用する環境を整えたのだ。
開発の背景には車いすのリフターが汎用性のある機器だったことがあった。1BOXタイプの車両でラゲッジのハッチが大きく開くモデルであれば、十分なスペースさえ確保できればリフターを取り付けできた。こうして小型のバネットが福祉車両として利用されることになり福祉車両のラインアップはますます広がることになる。
さらに個人ユーザーの手の届く小型モデルへと
福祉車両が徐々に一般化して行く時代の中、1986年からは日産グループの福祉車両をオーテックジャパンが手がけることになる。当時発売されていたキャラバンやバネットなどを移管して製造がスタートした。
そんなオーテックジャパンが満を持して開発したモデルが1993年に登場するアトラスロコをベースにした1台だ。ウォークスルーバンであるアトラスロコはラゲッジ後方に観音開きのドアを設置し福祉車両として使い勝手も良い車両。シビリアンよりも小さく、キャラバンよりも大きなボディも、多くの法人利用ユーザーから評価されるサイズ感だったという。
1995年には個人向けの福祉車両の充実に力を入れる。従来バネットのみだった個人向けの福祉車両に新たに投入したのがセレナ(C23)ベースのモデルだった。当時急速に盛り上がりを見せるミニバンをベースにした初の福祉車両であり、ミニバン初のチェアキャブとしても注目を集めるモデルとなった。
それまでの福祉車両では車いすを載せるメカニズムとしてリフターを使っていた日産グループだったが、1998年には新たにスロープタイプのモデルが加わった(セレナベース)。
利用するユーザーの声として「リフターに載せられる車いすユーザーが荷物扱いされている気がする」と感じていたため、介助者が車いすを押して一緒にクルマに乗り込むスロープを発案。またリフターだと機器のサイズも大きくミニバンの3列目シートが利用できなかったがスロープタイプなら3列目の折り畳みシートをそのまま利用できるメリットもあった。こうして通常はミニバンとして利用し、必要に応じて車いすを載せるという、多様な使い方ができるようになった。個人ユーザーへの福祉車両の浸透が進み、ニーズも多様化していることをうかがわせる進化となった。
介護保険スタートでの需要に応じ
そして福祉車両にとって大きなトピックスとなるのが2000年の介護保険のスタートだ。それに合わせて福祉車両の需要も大幅に増えていく。オーテックジャパンもより小型で使い勝手の良い福祉車両としてキューブのラゲッジにスロープを設けて車いすを載せられるチェアキャブをリリース。小型車としては初の福祉車両となった。
このように、時代のニーズに合わせて進化を続けてきたオーテックジャパンのライフケアビークル。ここまでは車いすを載せる福祉車両を中心に紹介してきたが、昨今、福祉車両の中でもうひとつの大きな位置を占める回転シートやスライドアップシートなどの、乗り降りのサポートに関する進化を後編では紹介していくこととする。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
全長6m超え! トヨタ新型「マックス」発表! 465万円の“最大級”「商用バン! 迫力顔も超カッコイイ「プロエース」伊に登場
さすがにウソでしょ~ いいえ、本当なんです!! リモコンキーを頭につけると電波が遠くまで届く!?
東京 山梨の「裏ルート」が大変化!? 中央道の迂回路 激セマ峠道→長大トンネルからの“夢の続き”進行中
500馬力超え! 日本専用の「新型スーパーカー」発表! 鮮烈レッドの「V8エンジン」をミッドシップ搭載! 情熱の“炎” モチーフの「レッドフレイム」とは
「愛車がゲームボーイで盗まれました。」 物理対策×電波遮断カンペキのはず… なぜ? 一方で「ランクル」発見出来た例も 盗難前後にやるコトは?
そろそろ出るか!? スズキ「ジムニー5ドア」の魅力をおさらい! 「伝統のクロカン4WD」が広いキャビンと荷室を獲得して実力アップ
「サンキューハザード」に「賛否」あり!? 時には「イラッ」とさせることも? どう使うのが「正しい」のか
EV600kmドライブで見えた!! 日本でEVが普及しない、魅力的に感じられない最大の理由
長澤まさみさんを起用したCMもヒット! ハッキリいって中国メーカーのBYDは日本で確実に成功に向かっていた
トヨタ新「コンフォート+」発表に大反響! 約700万円の斬新「サメ顔モデル」に「日本にも」と熱望の声も! 4.3m級の「コンパクトSUV」波に登場
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?