■新型コロナ感染の終息に向けて
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の対策として、異業種のメーカーが医療用マスクの生産に乗り出すなど、多くの企業がさまざまな取り組みをおこなっています。自動車メーカーは、いったいどのような動きを見せているのでしょうか。
●日本自動車工業会を含む自動車製造に関わる4団体
日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会の自動車製造に関わる4団体は、医療崩壊をさせないために少しでも役に立てることとして、自動車産業の手でマスクを作ることを発表。
しかし、クルマの部品から作ったマスクの最初の試作品はゴワゴワであったことを明かし、改良が進んではいるものの、まずは自分達の身を守るためにこれらの試作品を使用し、その分、外部からの購入を減らすことで少しでも需給緩和に寄与したいとしています。
また、空いている寮や保養施設についても、たとえばトヨタグループだけで、1500室程度、自工会会員各社では合計3000程度の部屋が用意できる見通しがあるとし、状況によっては、軽症患者が療養する施設として提供する考えがあることも名言しました。
さらに、自動車産業には約550万人の就業者がおり、これは日本の就業人口の約1割にあたります。
そして、自動車には他の産業へ波及する力があり、その生産波及を数字で表すと2.5倍。これは自動車が1生産すれば、世の中の生産が2.5誘発されるという数値で、日本の産業別ではトップのレベルとなっています。
そんな自動車産業が踏ん張って事業を回し続け、なんとしても雇用を守っていくことが日本経済の崩壊を食い止めるための大きな力になると自覚しているとも明言。
事業を止めぬよう努力する方針であるとともに、自動車に関わる全員が、まずは、絶対に感染しないよう予防を徹底することが、医療崩壊を食い止めるためにも大切であるとしています。
●トヨタグループ
トヨタ自動車ならびにトヨタグループ各社は、「安全・安心を最優先に現場で戦っている方々、苦しんでいる方々の気持ちに寄り添いながら、私たちにできることを即断、即決、即実行していく」という方針に基づき、現在、社会的な最優先課題となっている感染拡大の抑制や医療現場の支援に向けて、自動車産業が持つ製造・物流面でのノウハウや、グローバルに広がるサプライチェーンを活かし、さまざまな側面から対策を検討し、迅速に取り組むことを明言しています。
そして、具体的な対応として、トヨタ自動車貞宝工場で試作型による医療用フェイスシールドの生産準備を進めており、まずは週500個から600個程度のペースで生産を開始する予定です。さらに、グループ企業でも生産が可能か検討を進める方針です。
また、政府による自工会への調達協力要請を受け、トヨタ自動車のサプライチェーンを通じ、医療用マスクや防護服、体温計など衛生用品の調達支援に向けた取組みを開始。病院向けの簡易ベッド台や消毒液容器、医療機関等での簡易間仕切り壁など、医療機器以外で必要とされる備品を生産することでの協力の可能性について、アイシン精機が調査を開始しました。
さらに海外においても、医療用フェイスシールド(防護マスク)の生産および寄贈、マスク等の衛生用品の地元医療機関への提供や、トヨタ生産方式のノウハウを活用した医療関連企業における生産・物流面での生産性向上支援、医療機関等への車両提供など、各国・各地域の事業体が中心となり、政府をはじめとする地元関係者と連携しながら、可能な支援を検討し、順次対応。
社会的なマスク不足への対応として、生産活動においてグループ内で必要とされるマスクの自給自足を進めるため、自社施設内でマスクの生産をおこなうことで、市場からの調達量を低減し、社会におけるマスク不足の緩和に少しでも寄与する活動を進めています。
その流れとしてデンソーは、製造現場を中心に社内で必要となるマスクを自主生産することを決定。2020年4月中の生産開始を目指して試作品の生産に着手しており、軌道に乗れば1日10万枚ペースでの量産が可能となる見通しです。
トヨタ紡織は、4月上旬より刈谷工場において1日1500枚ペースでの生産を開始。順次、増産を図るとともに、翌5月以降は猿投工場に移管し、1日1万2000枚ペースでの増産を計画中です。そのほかにも、アイシン精機、ダイハツ工業、日野自動車などでもマスクの自社生産を検討していく方針としています。
●日産自動車
日産は、新型コロナウィルス対策への支援の一環として、医療用フェイスシールドを製造し、日本の医療現場に提供することを発表しました。
まずは、テクニカルセンター、総合研究所、横浜工場で保有する3Dプリンターを活用し、1か月約2500個のペースでフェイスシールドを、医療現場に提供する予定です。
また、日本政府の要請に基づき、人工呼吸器及び人工心肺装置メーカーへの支援の検討を開始しました。今後は、日産グループとして、これらの医療用機器製造のための工程改善の提案や、増産場所、人材の提供、不足部品の供給などを提案して行く方針です。
海外においても、医療現場への支援を開始。米国では3Dプリンターを活用した医療用フェイスシールドの生産をおこない、ミシガン州、ミシシッピ州、テネシー州の医療施設に寄付しています。
英国では、サンダーランド工場の従業員がボランティアとして、医療用フェイスシールドの提供を支援。同工場では、2020年4月の3週目までに7万7000個のフェイスシールドを出荷し、その後は最大で毎週10万個を出荷する見通しです。さらに日産は、フェイスシールドの生産能力を大幅に引き上げるための射出成形機の購入を援助しています。
スペインでは、サンパウ病院、QEVテクノロジーズ、Eurecatとのコラボレーションによる人工呼吸器の製造を開始。2020年4月の3週目から、バルセロナのパワートレイン工場での生産を始めました。
■海外のクルマ関連企業も続々と新型コロナ対策に貢献
● ランボルギーニ
ランボルギーニは呼吸シミュレーターの共同開発と製造のために、イタリアの人工呼吸器トップメーカー、 シアレ・エンジニアリング・インターナショナルグループに対する技術的支援を発表しています。
呼吸シミュレーターは、人工呼吸器を認定検査機器で最終検査をする前段階で、性能の初期評価をするために使用されるものです。
ランボルギーニは、自社3Dプリンティングラボでシミュレーターの設計、製造、検証をわずか2週間で完了させ、構成部品の最適化を果たし1週間に18台のペースでのシミュレーターの生産を可能にしています。
また、これと並行して、HP Jet Fusion 3D 4200プリンターを使用し、0.08mmの精度での印刷を可能にするMJFテクノロジーを活用したポリカーボネート製医療用フェイスシールドの生産も続けています。
●グループPSA
プジョー、シトロエン、DS、オペル、ヴォクスホールなどの自動車ブランドを擁するグループPSAは、コロナウィルスの蔓延の状況を踏まえ、それに対抗すべき取り組みとして、約40万枚のマスクを病院、救急施設や自治体に寄付しました。
また、グループ内の医療施設の主導によって、ミラノ、マドリード、そしてミュールーズにも医療装備(AED=自動体外式除細動器や応急措置キット、手袋等)の寄付を推進。病院の職員や医療従事者に対し、パリ、マドリード、リスボンなどの都市内に自社が保有する車両を提供しています。
ほかにも、フランスの3社(Air Liquide、Schneider Electric、Valeo)と共同で1万台の人工呼吸器を、2020年4月上旬から翌5月中旬での完成をめどに50日以内で製造するというプロジェクトを推進。グループ自社のポワシー工場では、人口呼吸器の本体部分の製造に乗り出すべく、ワークショップが開催されました。
さらに、エール・リキードのアントニー工場には、自社グループ内からボランティア社員を派遣し、人工呼吸器の生産力向上に貢献しています。
そしてブラジルブランチでは3Dプリンターを使って、感染患者と接触を余儀なくされる医療従事者が利用するためのフェイスシールドのパーツ製造に着手。出来上がったフェイスシールドは公的な医療施設に寄付される予定です。
●ミシュラン
ミシュランは、世界的な新型コロナウィルス感染拡大抑制のために、欧州の10拠点でマスクおよび医療従事者向け防護フェイスシールドの生産を開始すると発表しました。
生産するマスクは、使い捨て用と再利用可能の2種類で、事業展開する国々の医療機関や従業員に提供する予定です。
まずは欧州の10拠点で毎週約40万枚の使い捨てマスクを生産し、順次増産していく方針としています。
再利用可能マスクについては2020年5月までに週100万枚、翌6月には週500万枚のペースでの生産を目標としており、再利用可能マスクは洗浄可能で交換可能なフィルターにより100回まで使用可能なため、500万枚は使い捨てマスク5億枚に相当します。
また、フランスの病院からの要請により、医療従事者向けの滅菌可能なポリカーボネート製フェイスシールド(防護マスク)の製造も開始しており、4月中旬以降に1万枚を外部委託生産予定です。
ミシュランはこのほかにも人工呼吸器、医療機器部品、医療用クッション、手の消毒剤などの生産プロジェクトに着手しており、今後も行政や業界団体と連携を図りながら、必要な支援をおこなうとしています。
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