2022年5月の乗用車全体(輸入車・軽自動車を含む)の販売台数は21万1856台、前年比は81.0%にとどまりました。生産体制の混乱を反映し、厳しい数字が続いています。アウトランダーが好調な三菱だけが前年プラス(143.6%)、他社はマツダ(62.1%)、ダイハツ(72.1%)など軒並み20%以上のダウンとなりました。
軽自動車を除く5月の新車販売ランキングでは、トヨタヤリスが首位に返り咲き、2位カローラ、3位ルーミーとトヨタ勢が上位を占める中、ホンダフリードが4位、日産ノートが5位に食い込んでいます。
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一方、軽自動車(乗用車)は長らく2位だったスズキスペーシアが39台差でホンダN-BOXを上回り初めて首位に輝きました。今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。
国産乗用車販売台数 2022年5月(軽自動車を除く)
順位 車名 ブランド名 台数 前年比
1 ヤリス トヨタ 12400 74.4
2 カローラ トヨタ 9424 125.8
3 ルーミー トヨタ 7704 66.4
4 フリード ホンダ 6747 153
5 ノート 日産 6626 111.1
6 アルファード トヨタ 5192 87.3
7 シエンタ トヨタ 4262 109.1
8 ライズ トヨタ 3652 58.3
9 アクア トヨタ 3288 110.8
10 ハリアー トヨタ 3188 50.5
11 フィット ホンダ 3068 151
12 ランドクルーザーW トヨタ 2820 115.2
13 ノア トヨタ 2720 86.8
14 セレナ 日産 2577 74.5
15 ヴェゼル ホンダ 2540 62.6
16 ソリオ スズキ 2232 70.7
17 ヴォクシー トヨタ 2157 42.6
18 パッソ トヨタ 2048 75.9
19 ステップワゴン ホンダ 2025 95.6
20 プリウス トヨタ 1939 60.7
21 インプレッサ SUBARU 1925 84
22 RAV4 トヨタ 1813 37.9
22 スイフト スズキ 1772 88.7
24 アウトランダー 三菱 1686 1832.6
25 86 トヨタ 1600 3333.3
26 クロスビー スズキ 1310 121.6
27 C-HR トヨタ 1243 94.2
28 キックス 日産 1200 52.1
29 ロッキー ダイハツ 1146 82.2
30 ジムニーW スズキ 1090 107
31 シャトル ホンダ 894 98
32 MAZDA2 マツダ 837 62.3
33 CX-5 マツダ 812 97.8
34 アリア 日産 811
35 デリカD5 三菱 794 128.3
36 クラウン トヨタ 785 53.8
36 フォレスター SUBARU 783 60.7
38 カムリ トヨタ 657 101.7
39 ハイエースW トヨタ 635 90.1
40 NX350H レクサス 557
41 マーチ 日産 509 89.3
42 トール ダイハツ 502 56.5
43 オデッセイ ホンダ 482 32
44 エクストレイル 日産 425 64.8
45 CR-V ホンダ 389 165.5
46 エクリプスクロス 三菱 378 56.2
47 シビック ホンダ 355 366
48 MAZDA3 マツダ 341 35.3
49 IS300H レクサス 315 75.9
50 BRZ SUBARU 300
※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。
続く生産体制の混乱、5月も販売状況は好転せず
2022年5月の乗用車全体の販売台数は、国内9ブランドの合計で19万4742台。20万台を切り、前月4月の22万8497台と較べても、さらに3万4000台近くも下回る結果となった。4月は年度末だった3月からの反動が大きいと思われたが、5月はせめて持ち直してくれるかと思いきや、一層厳しい展開となっていた。
半導体不足、コロナウイルス感染拡大に加え世界情勢が不安定な中、先行きを見通すことが困難な状況は変わらず、生産への影響は引き続きあるのが実情。トヨタの例では、これまでも直近の6月に入った週に中国・上海のロックダウンの影響を受けるなど、国内工場の一部で稼働停止を余儀なくされた。その後も一部仕入れ先でのコロナウイルス感染者発生による出勤率低下の影響が続いているなどして、この7月にかけても一部工場/ラインでの稼働停止期間の延長を決めている。7月グローバルの生産台数は80万台程度の見込みとのこと(国内約25万台、海外約55万台)。6月の国内工場の稼働停止は全14工場28ライン中の10工場16ライン、7月にはさらに2工場4ラインの追加稼働停止の発表がすでにされている。もちろんトヨタ以外の各社も、同様の対応を実施している。
ヤリスが首位に復帰、カローラも安定の2位
一方で5月の販売台数のランキングを見ると、トヨタヤリスが4月に1位だったルーミーを退けて、再び首位の座に返り咲いた。しかも台数は4月の1万45台から1万2400台と、3月の1万7442台には及ばなかったものの、5月の販売台数では軽自動車を含む乗用車中、唯一の1万台超えの数字をあげた。4月には1万台に届いていたルーミーは、7704台まで数字を落とし今回は3位に。その間の2位に収まったカローラは、4月の9906台から5月は9424台とルーミーよりも台数でみると変動が少なく、対前年比も4月の124.2%から5月には125.8%と安定ぶりを示している。
ホンダフリードと日産ノートの好調ぶりが目立つ
さらに1~3位のトヨタ車を追って4位につけたのがホンダフリード。このところTVでCMも見かけるが、相変わらずの健闘を見せ、5月は4月よりも台数を伸ばし(5605台→6747台)、順位も4月の8位から押し上げた。対前年比153%の数字も好調を窺わせる。続く5位の日産ノートも、台数は4月に対して5月は落としたものの、111.1%で前年を上回った。
そのフリードとノートに背後から迫るようなポジションにつけているのが、アルファード、シエンタ、ライズ、アクア、ハリアーのいずれも強力なトヨタ車。このなかでシエンタだが、台数は4月と5月では大きく変わらなかった(4165台→4262台)ものの、順位的には3月の14位から4月の11位、そして5月は再びトップ10圏内の7位と、ここ最近、実は再び存在感を高めているようにもみえる。ライバルのフリード好調の流れを受けて引っ張られているのかもしれない。
ガクンと台数を落としたトヨタノア/ヴォクシー
反対に日本の子育てファミリーの定番、ミニバンの王道であるはずのノア&ヴォクシーは、新型でもあるのだが、4月に対し5月は数字をガクンと落としている。前年比もヴォクシーに至っては42.6%と「あらら?」といった感じだ。おそらく生産体制の影響が大きいのではないかと思われるが、19位のホンダステップワゴンもランクアップしてきており、セレナとの三つ巴で今後熾烈な販売競争に火がつくのかどうか。
アウトドアブームを味方につけた三菱の3車種
それと5月のブランド別販売台数で唯一前年比を上回ったのが三菱だが、50位以内でも24位のアウトランダーを筆頭に、35位のデリカD:5、46位のエクリプスクロスの3台が健闘している。とくにアウトランダーの5月の登録台数は1686台と4月の2倍強、前年比も1832.6%(!)、順位も同車ではこれまでで最高の24位につけた。昨今のアウトドアブームなどは、これら三菱車3車が注目を集めている要因なのだろう。
5月ではほかに25位の86(1600台、前年比3333.3%)と50位のスバルBRZ(300台)もランクインしている。2車合わせると1900台ほどになり、この調子が長く続いてほしい……と思わせられる。
軽乗用車販売台数 2022年5月
車名 ブランド名 台数 前年比
1 スペーシア スズキ 8670 82.73690032959
2 N-BOX ホンダ 8631 60.717552185059
3 ムーヴ ダイハツ 6070 77.940422058105
4 ルークス 日産 5793 94.317810058594
5 ワゴンR スズキ 5678 148.79455566406
6 ハスラー スズキ 5444 76.471412658691
7 ミラ ダイハツ 5020 106.80850982666
8 アルト スズキ 4464 76.543212890625
9 タント ダイハツ 4221 52.441295623779
10 ジムニー スズキ 2881 114.73516845703
11 タフト ダイハツ 2802 63.855972290039
12 デイズ 日産 2567 65.685775756836
13 N-WGN ホンダ 2379 63.643661499023
14 eK 三菱 2188 113.83975219727
15 ピクシス トヨタ 1237 74.249702453613
※ 通称名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
スズキスペーシア、39台差での1位獲得!
軽自動車の5月の新車販売台数は、なかなか興味深いものがあった。ホンダN-BOXを1位の座から引きずり下ろし、スズキスペーシアが代わりにその座についたからだ。もちろん台数をみるとスペーシアが8670台、N-BOXが8631台と、その差はわずかに39台! ちなみにスペーシアは4月の7600台から8670台へと台数を増やしたのに対し、N-BOXは4月には1万5450台だったところからの大幅減。確認が取れていないので、この台数減のナゾが判明したら後日ご報告したいが、悲喜こもごもの結果が今回のスペーシア1位に繋がったものと思われる。
5月ではほかにもスズキ車の堅調ぶりが伺われた。ワゴンR(5678台、前年比148.8%)、ジムニー(2881台、同114.7%)などがそう。反対にアルトは4月に対し順位、台数ともに少し落としており、この6月に改良とバリエーション追加があったラパンがどれだけのチカラを発揮してくれるかが注目だ。
※記事の内容は2022年6月時点の情報で制作しています。
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みんなのコメント
ハリアーが前年比50%とか、人気だけではあり得ない数字だよね。