日本未導入の新型ジープ「グランドワゴニア」をカスタマイズしたモデルに、小川フミオがアメリカで試乗した。
快適なルーフトップテント
超高級中国車が凄すぎる!──新型仰望は必然から生まれたクルマだ
米国で流行っている旅のスタイルはオーバーランド。この言葉は、クルマで寝泊まりする旅文化を指す。ジープがグランドワゴニア・オーバーランド・コンセプトを発表して話題を呼んでいる。
2023年4月初頭にアメリカのユタ州モアブで開催された「ジープ・イースターサファリ」と呼ぶ毎年恒例のファンイベントで、同モデルが一般に広く披露された。
グランドワゴニア・オーバーランド・コンセプトとは、大型SUVである新型グランドワゴニアをベースに、ルーフトップテントなど装備した仕様だ。
ルーフトップテントには車内から上がれるようになっていて、「このクルマでキャンプしながら旅したい!」と、思う人も、きっと少なくないのでは、と思う。
グランドワゴニアは、全長5.45mで、3列シートをそなえた高級SUVとして米国で人気の車種だ。日本で販売される「グランド・チェロキーL」よりも上級に位置するモデル。サイズで言えばライバルはキャデラック「エスカレード」やリンカーン「ナビゲーター」だろう。ちなみに日本未導入の理由は、輸入元であるステランティス・ジャパンいわく、右ハンドル仕様がないからとのこと。
話をグランドワゴニア・オーバーランド・コンセプトに戻そう。ヘッド・オブ・デザインのマーク・アレン氏がひきいるジープのデザインチームは、第2列以降のシートをとっぱらって、フロアも真っ平らにした。
そこにカーペットを敷いて、リビングルームのようなしつらえにしている。米国では空港でも床でゴロゴロしている若者をよくみかけるし、そういう好みにも合う仕様なんだろう。
搭載していたルーフトップテントは「RedTail Overland Skyloft」。それに多少手をくわえている。
作りはしっかりしていて、サイズも余裕がある。前後長は6フィート(約180cm)あり、通電しているので電灯もエアコンも、それに給電用のUSBソケット(Type-A)も備わっているから便利だ。
たとえば、林のなかでキャンプするとき、夜はそこに上がってくつろげばよい。わざわざルーフトップテントにする意味は、毒虫やヘビなどから身を守るため。
ただし、ルーフ強度が必要なので、ルーフトップテント前提で設計されたクルマでないと、屋根がへこんだりテントが崩れたり、とんでもないことがふりかかる危険性があるのだ。
巨大な専用タイヤ!私が乗ったのは「ハリケーン」と呼ぶ3.0リッター直列6気筒ガソリンツインターボ・エンジン搭載モデル。500hp(米国式)の最高出力と、691Nmの最大トルクをもつ。それに最新の4WDシステムを組み合わせる。
今回は、たんにルーフトップテントを載せて、内装をとっぱらっただけではない。岩場だって踏破できるように、18インチホイールに35インチと超大径タイヤを組み合わせている。
「35インチタイヤはそもそも市場に出まわっていないので、このクルマのための特注品です。ホイールハウスもそのために大きく切り開けました」
私が「レッドロック」と呼ばれる岩場を走ったとき、隣りの席からコースを案内してくれたジープのプロダクトデザイナーが、そう教えてくれた。
この大径で、サイドウォールが分厚いタイヤの踏破能力はたいしたもので、岩場でも滑らない。がっちりと岩の表面を捕まえて、大きな車体を引き上げ、押し上げしていく。
ただし、もともとグランドワゴニアは、快適なピープルムーバーとして開発されたモデルなので、悪路では、ラングラーなどと較べると分が悪いのはたしか。
アプローチアングル、ブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルといった設計は、ラングラーに劣る。車体が悪路でつっかからないよう、多少は気をつけて走る必要があった。
それでも大径タイヤのおかげで車高が実質的に1.5インチ持ち上がっているあたり、オフロード好きのアメリカ人ならではの仕様に仕上がっていて、太いトルクとともにドライブを堪能できた。
ふだんは市街地に住んで、休日に、モアブのレッドロックをのぼっていって、岩場という超非日常的なシチュエーションでキャンプをする。そんな楽しみを提供してくれるクルマの提案だ。
どこまでも走り続けたくなる1台日本だと大型サイズのジープといえば、グランドチェロキーだろう。なかでもグランドチェロキーLだと、全長5200mmのボディに、3090mmのホイールベースで、6/7名乗車が可能だ。
210kWの最高出力と344Nmの最大トルクを持つ3.6リッターV型6気筒エンジンのおかげで、日本の路上では、かなり力強い走りが味わえる。
米国でも、グランドチェロキーLにするべきか、すこしサイズが大きくてパワーも少しアップしたグランドワゴニアにするべきか、悩むひとが少なくないようだ。
グランドワゴニアの量産車は、ジープのなかではもっともポジションが高いと目されている。インテリアは豪華でぜいたく。あらゆる装備がそなわり、2列目シートは電動でリクラインするのもよい。
パワーもしっかりあって、直進性も高く、どこまで走っても疲労感はすくなそうなので、たしかに人里離れた場所までキャンプに、という発想が出てくるのは不思議でない。
小説『怒りの葡萄』(1939年)や『エデンの東』(1952年)で知られるカリフォルニア出身の米国の作家、ジョン・スタインベック(1902~1968年)に『チャーリーとの旅』という旅行記がある。
1960年に書かれたこの作品は、チャーリーと名づけたプードル犬とともにキャンパーに乗って米国を1万マイル近く旅して、アメリカってどうなっているんだ、という疑問への答えを探す。
エンジンをかけたらどこまでも……という米国の旅のスタイルに、きっと新型グランドワゴニアも合っているだろう。
今回のオーバーランド・コンセプトは、もっとも大きなSUVでこんな仕様を作ったらおもしろいでしょ、というデザインチームからの提案。
なので、グランドチェロキー(L)でだって、ルーフトップテントを装備すれば(米国ではアフターマーケットで製品が販売されているので、搭載可能な模様)、おなじように楽しめそうだ。ぜひ日本でも販売されることを願いたい。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)
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