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【試乗】ランドローバー ディスカバリー スポーツには感性にフィットするサイズとリニアリティがある

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【試乗】ランドローバー ディスカバリー スポーツには感性にフィットするサイズとリニアリティがある

ディスカバリー スポーツはその名のとおり、「スポーツ」なクルマだった。ガッチリしているけれど鈍重ではなく。素直で軽快だけれど軽薄さはない。なによりも新しいディーゼルエンジンも含めた総合力の高さが魅力だ。(Motor Magazine 2018年8月号より)

躍動感のあるデザインとサイズがアスリートライクな雰囲気を醸し出す

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2017年に相次いでデビューした、レンジローバー ヴェラールやランドローバー ディスカバリーは、新しいデザインキーワードのもと、大胆不敵なほど洗練されたルックスに変身していた。

それに対して今回テストしたディスカバリー スポーツは、2014年生まれ。もちろんパワートレーンは、ガソリンもディーゼルも、最新のインジニウムへと進化している。けれど、なにより大事な第一印象が「古臭い」と感じられるのではないかと、少し不安だった。結論を言えば、すべては杞憂だったのだが。

ディスカバリー スポーツのデザインは、4年目を迎えてなお鮮度をしっかり保っている。なにより後発のモデルたちと比べても、引き締まった印象が極めて強い。「小さい」のではなく、見るからにガッシリと逞しい凝縮感を感じさせている。

ディメンジョンを比べれば、その差は一目瞭然だ。ヴェラールの全長は4820mm、ディスカバリーに至っては4970mmもある。全幅はそれぞれ1930mmとジャスト2m。幹線道路はともかく、車線のない路地ではやはり気を遣うサイズ感だろう。

対するディスカバリー スポーツは、全長が4610mmで全幅が1895mm。背の高さで言えばヴェラールがもっとも低いのだけれど、ディスカバリー スポーツの場合はより腰回りの位置が低いように見える。駐車していても感じられる強い躍動感は、そうしたアスリートライクな「姿勢の良さ」が自然に醸し出すものなのかもしれない。

外観とともにインターフェイスもまた、「優れたデザインは飽きが来ない」ことを再認識させられる。アッパーとロワーを明確に分けたフェイシアや格納式のシフトダイヤルなど、デザインワークもまた、SUVとしては非常に先進的なディテールだ。 

ホイールベースは2740mmと比較的短いが、ニールーム、レッグルームともに余裕がある。肩口のゆとりも十二分。2列目に備わる160mm幅のシートスライド機構は、やはり便利だ。スペース的に快適なだけでなく、たとえば複数のUSBソケットのように、普段から使う機会が多い装備が、オプションとはいえさりげなく充実していることが嬉しい。これなら仲間たちと賑やかにドライブを楽しむシーンも、似合いそうだ。

交差点を曲がる瞬間にも「スポーツ」な感覚が伝わる

新しい2L直列4気筒ディーゼルターボユニットは、アクセルペダルの踏み込みに対するトルクの盛り上がりが、素直で自然なところが気に入った。ガツン!と踏み込んで急加速させる時よりも、じわっと周囲の流れに乗せるように加速させていく時に、ペダルの踏みしろとスピードのノリがきれいにリンクして、気持ち良い。

ゼロ発進時にのみ、わずかにツキの鈍さを感じさせるのは少し残念だが、走り出してしまえば気にならないレベル。ディーゼル特有のノイジーな印象もほぼなし。これなら毎日普通に乗っても、心地よい「速さ」が味わえそうだ。

もうひとつディスカバリー スポーツならではの「素直さ」を感じるのが、コーナリング。キビキビと軽快感溢れる身のこなしは、やはり適度にコンパクトなボディサイズの恩恵と言えるだろう。

見た目どおりに引き締まったボディの剛性感と、とてもしなやかな足まわりのストローク感が、非常にバランスよくまとまっている。それはたとえば峠道を攻めるような時だけでなく、交差点を曲がる瞬間も体感できる。ディスカバリー スポーツが「スポーツ」である所以は、意外に普段の日常ユースの中でこそ際立つのかも。それは毎日、当たり前に味わえる、愛車との一体感。ただしそういう幸せな出会いは、「当たり前」なことでは決してない。(文:神原 久)

ランドローバー ディスカバリー スポーツ HSE ラグジュアリー 2.0L D180 主要諸元

●全長×全幅×全高=4610×1895×1725mm ●ホイールベース=2740mm ●車両重量=1930kg ●エンジン=直4DOHC ディーゼルターボ●排気量=1999cc ●最高出力=180ps/4000rpm ●最大トルク=430Nm/1750rpm●トランスミッション=9速AT ●駆動方式=4WD ●車両価格=763万円

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