料金所前速度制御も備わるアイサイトX
「継承と超・革新」をテーマに開発された新型レヴォーグ。新型は、従来から用いられているSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)の改良版をベースに開発され、「先進安全」と「スポーティ」、そして「ワゴン価値」の3つが大きな柱となっている。今回はその新型の正式発表に先駆けて、栃木県の日本自動車研究所(JARI)城里テストセンターでプロトタイプに試乗し、その出来映えを体験することができた。
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まずは新型レヴォーグの先進安全のキモである新世代アイサイト、その名も「アイサイトX」を、1周5666mの外周路で体験。広角化したステレオカメラや前側方レーダー、電動ブレーキブースターなどを採用し、衝突回避をサポートするシチュエーションや新機能が多数追加されたアイサイトXが見せる制御は、まさに驚きの連続だ。
70~120km/hで作動するアクティブレーンチェンジアシストは、ウインカーレバーを操作するだけで、安全に隣の車線へ自動的に移動する機能だが、その動きは極めてスムーズ。隣接車線に車両が接近している状況でウインカーを出せば、エマージェンシーブレーキアシストが作動して、警告やブレーキ制御、ステアリングアシストが働いて車両を安全に車線内に留めてくれる。
またACC作動時に料金所に近づくと、自動的に約20km/hまで減速。通過後には設定速度まで加速する料金所前速度制御なんて機能まで備わっている。もちろんその制御は極めて自然で、安全かつスムーズにETCレーンを通過するのに、とても有用な機能だという印象だ。
そして渋滞時ハンズオフアシストが備わるのもアイサイトXの注目ポイント。50km/h以下で作動するこの機能は、停止時にも10分間は自動発進する(10分を超えると電動パーキングブレーキが作動)ので、ドライバーの負担軽減度合いは相当高いだろう。
最も驚かされたのは、渋滞時ハンズオフアシストを使用中、ドライバーが気を失うような状況になった時に作動するドライバー異常時対応システム。今回はよそ見をした状態で体験したのだが、徐々に30km/hまで減速し、ハザードランプを点滅させ、クラクションを鳴らし、直線道路の安全な場所まで導いて最終的に停止する。この一連の制御は、ADAS(先進運転支援システム)の既存概念を超えるものだ。おそらく使用頻度は少ないだろうが、このような機能を盛り込んでくるところに、スバルの安全に対する妥協のない真摯な姿勢が感じられた。
CVTのダイレクト感も、ハンドリングもスゴイ
次は総合試験路へ移動して、加減速やダブルレーンチェンジ、スラロームのほか、ハーシュネス路面の走行などを体験した。ここでは従来モデルと新型のSTIスポーツで、走りを比較。その洗練度合いは、まさに目からウロコが落ちるほどだった。
新開発の1.8L水平対向4気筒ガソリンターボである「CB18」は、最高出力177ps/5200~5600rpm、最大トルク300Nm/1600~3600rpm。スペック的には特にパワフルと言うことはないが、加速は十二分に力強く、そしてアクセルペダルの操作にとてもリニアに反応する。トランスミッションは8速のマニュアルモードを備えたリニアトロニックを組み合わせるが、CVTであることをまったく感じさせないダイレクト感を実現。トルクコンバーター式ATと言われても気付かないほどである。
ハンドリングも秀逸だ。ダブルレーンチェンジでも、スラロームでも、ドライバーの意思に忠実な回頭性を披露。もちろん基本的には弱アンダーステアなのだが、コーナリング中に切り増しても、ググッとしっかりノーズが反応し、狙いどおりの走行ラインをトレースできる。ブレーキも非常にコントローラブルだ。
電子制御ショックアブソーバーの採用もトピックだ。SPORT+モードは足まわりが引き締まり、パワーステアリングも手応えが増して、なかなかスポーティな走りが楽しめる。だがショックアブソーバーの減衰力が低く、ソフトな乗り味となるCOMFORTモードでも、ロールやピッチングは立ち上がりのスピードが上手く抑えられていて、少々乱暴に振り回しても挙動が不安定になる素振りはない。今回は無理のできない状況での試乗ではあったが、新型の限界性能の高さは感じることができた。
ちなみに従来モデルももちろん悪くはないが、正直言って差は歴然である。従来モデルがミリ単位の精度で組み上げられたクルマだとすると、新型はミクロン単位といった印象。新型はこれまで以上にクルマが身体の延長上にダイレクトに繋がっている感覚が強い。
このような新型の走りは、ギリギリまで軽量かつコンパクトに設計されたエンジンや、ピニオンシャフトとアシストモーターを分離させた電動パワーステアリング、電子制御ショックアブソーバー、電動ブレーキブースターなどの新開発コンポーネントが寄与しているのは間違いない。だが最も大きな理由は進化版のSGPだ。
従来とは組み立てからから見直し、ボディ側面を最初からモノコックに組み込む設計とすることで、剛性アップを実現している新型レヴォーグは、高張力鋼板の使用範囲拡大に加えて、主にフロア部に用いられている構造用接着剤の使用範囲が従来の約4倍にも広がったのだ。
この構造用接着剤が、走りの質感を大きく向上させたのは確実だ。構造用接着剤は、制振材としても効果を発揮するため、ボディが路面からの入力で振動する事を防いでいるのである。実際、路面に小さな障害物を置いたハーシュネス路を走行しても、ボディの振動はほぼゼロ。実際の剛性以上の剛性感を実現しているのである。
まさかこのクルマが300万円前後だなんて!
ワゴンとしての性能も、全長4755mm、全幅1795mm、全高1500mmのコンパクトワゴンとしてピカイチだ。積載性の高さはもちろんだが、視界の良さや静粛性の高さ、そしてなによりワゴンであることをまったく意識させない軽快でスポーティ、そしてセダン並みかそれ以上に上質な走りは、新型レヴォーグというワゴンの最大の魅力である。これほどの出来のクルマが、300万円前後で買えるというのは驚きだ。
新型レヴォーグは世界に通用する完成度を備えていると言っていいだろう。同クラスには、VWゴルフやアウディA3、メルセデス・ベンツAクラス、BMW 1シリーズ、プジョー308、ルノー・メガーヌ、国産モデルにもトヨタ・カローラやマツダ3、ホンダ・シビックなど、強力なライバルがひしめいている。
だが、これらのモデルと比べても、新型レヴォーグの実力はまったく引けを取らない。確かにドイツ勢の実力は相変わらず高いが、走りのよさや先進安全装備の充実度などは、世界では上から数えた方が早い位置に付けていると言っていい。スバルは自信を持って欧州市場で勝負できるはず。ヨーロッパ勢にも大きなインパクトを与えることだろう。新型レヴォーグは、それほどの出来映えなのだ。
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現行乗っているが、買い替えはない。