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マイルドHVの新6気筒獲得 BMW X5 xドライブ30dへ試乗 4代目がフェイスリフト

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マイルドHVの新6気筒獲得 BMW X5 xドライブ30dへ試乗 4代目がフェイスリフト

マイルドHVの新6気筒エンジンを獲得

近年のBMWにとって、バッテリーEVが主要な投資対象であることは間違いないだろう。しかし、ブランドの起源といえる内燃エンジンを搭載したモデルが、未だに主要な収益源であることも間違いない。

【画像】マイルドHVの新6気筒獲得 BMW X5 xドライブ30d 競合クラスのSUVと比較 全136枚

SUVが主力モデルなことも事実。2018年に発表された4代目X5へ、丁寧なフェイスリフトが施されたとしても不思議ではない。

とはいえ、化石燃料を燃やす量は少ない方が良い。そこで、マイルド・ハイブリッドを採用した新しいエンジンが搭載された。今回試乗した、X5 xドライブ30dのフロントに載る3.0L直列6気筒ディーゼルターボも、その1つだ。

最高出力286ps、最大トルク66.1kg-mという数字に変化はない。しかしアルミではなくスチール製のピストンが組まれ、新しい燃料噴射システムとオイル循環システムを採用。電圧48Vで稼働する、スタータージェネレーター(ISG)が、8速ATに追加されている。

特にエコプロ・モードを選択すると、軽負荷時には積極的にエンジンが停止。惰性走行させることで、好燃費へ結びつけている。

カタログ上の燃費は10.2-11.7km/Lで、驚くほどの数字ではないものの、燃料タンクは80Lと大きく、1度の給油で900km前後走れる計算になる。これは、遥かに価格帯の高いバッテリーEV、BMW iXが主張する航続距離の約2倍といえる。

カーブを描く大きなモニターパネル

フェイスリフトということで、スタイリングにも手が加えられている。ヘッドライトやテールライト、前後のバンパー、アルミホイールなど、定番要素のデザインは一新。フロントグリルには、イルミネーションもオプションで用意された。

英国仕様の場合、xラインと呼ばれるトリムグレードが標準。オプションでMスポーツが用意され、迫力の増したバンパーが与えられる。同時に、アルミホイールは20インチへ拡大される。

インテリアでは、最新のX7と同じく、カーブを描く大きなモニターパネルが新しいダッシュボード上で存在感を示す。メーター用は12.3インチ、インフォテインメント用は14.9インチと大きく、最新のiドライブ・システム、バージョン8が稼働する。

スマートフォンとの連携機能も向上。英国仕様では5G回線のeSIMが内蔵され、コネクティビティにも対応する。エアコンの操作パネルは、タッチモニター側へ統合された。

内装には高級感のある素材が用いられ、プレミアムSUVであることを実感させる。基本的なデザインは変わらないものの、触感も良くなった。また、LEDによるアンビエントライトが各部に内蔵されている。

オプションで特筆すべきアイテムが、拡張現実表示に対応したヘッドアップ・ディスプレイと、間接照明付きのパノラミック・ガラスサンルーフ、バウワース&ウィルキンス社の高音質オーディオ。主要なノブやボタンを、ガラスに置き換えることもできる。

ISGのアシストで286psでも充分活発

車内空間は従来どおり広く、大人5名が不満なく座れる5シーターが標準。オプションで3列目を追加すれば、定員は7名に増える。着座位置は高く、ガラスエリアは広く、運転席からの視界は良好だ。

荷室は、5シーター・レイアウトのトノカバー下で650L。リアシートを折り畳めば、1870Lまで拡大できる。最大牽引重量は、3500kgとなっている。

一般道を走らせてみよう。アップデートされたエンジンは、滑らかで静か。xドライブ40dでは340psを発揮するが、286psのxドライブ30dでも充分活発。ISGがアシストを加え、トルクも太い。実際、12psと20.4kg-mを加算してくれる。

アクセルレスポンスは鋭く、高負荷時でもたくましい。車重は2220kgと軽くないものの、加速の勢いはかなりのもの。高速道路では、粘り強いエンジンのおかげで安楽なクルージングに浸れる。

ドライブモードは、エコプロ、コンフォート、スポーツの3種類。これは従来どおりだ。

トルクコンバーター式の8速ATは、黒子のように望ましいギアを選んでくれる。ステアリングホイールの重み付けは、軽すぎず重すぎず。正確に反応することも変わらない。

アクティブ後輪操舵システムを追加すれば、一層軽快な身のこなしを実現できる。市街地では、小回りも利くようになる。路面や気象にとらわれず、四輪駆動システムが優れたトラクションと秀でた安心感を提供してくれるだろう。

動的能力の水準は高い 運転する魅力が備わる

英国仕様のサスペンションは、スチールコイルが標準。オプションでエアスプリングも選択でき、オフロードパッケージと組み合わせれば、車高を持ち上げて悪路の走破性を高められる。

減衰力を調整する電子システムは新しいソフトウエアで制御され、リアルタイムに反応。優れた姿勢制御を叶え、コーナーでのボディロールを抑制していた。動的能力の水準は高く、運転する魅力が備わるといえる。

試乗車にはオプションの22インチ・アルミホイールが履かされており、タイヤのサイドウォールが薄く、低速域では路面の乱れの影響を受けやすいようだった。一方、エアスプリングが高速域ではしなやかに不整をいなし、快適な乗り心地を保っていた。

スポーツ・パッケージやスポーツプロ・パッケージを選択すると、スチールコイル・サスペンションを引き締めることも可能。後者では電気油圧式のアンチロール・システムも実装され、一層タイトな操縦性を叶えるという。

今回のフェイスリフトで、BMW X5の訴求力は更に増したといえる。英国の主力グレード、xドライブ30dでも洗練性や快適性に不足なく、期待通りの走りを実現している。

BMW X5 xドライブ30d(欧州仕様)のスペック

英国価格:6万8165ポンド(約1233万円)
全長:4935mm
全幅:2004mm
全高:1765mm
最高速度:233km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:10.2-11.7km/L
CO2排出量:215-186g/km
車両重量:2220kg
パワートレイン:直列6気筒2993ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:286ps/4000rpm
最大トルク:66.1kg-m/1500-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

4件
  • マツダが出してる直6ディーゼルターボの3倍近い価格w
  • >軽負荷時には積極的にエンジンが停止
    これって本当? エンジンとミッションを切り離してニュートラル状態にするんじゃなくて? エンジン止まっちゃうの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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