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太古より生き続けるカブトガニの脱皮殻をスケスケ写!?「三好秀昌のニッポン探訪・取材ウラ話 第19回~カブトガニ」

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太古より生き続けるカブトガニの脱皮殻をスケスケ写!?「三好秀昌のニッポン探訪・取材ウラ話 第19回~カブトガニ」

ドライバー3月号(2020年1月20日発売号)からスタートした新連載「(じつは)動物カメラマン 三好秀昌の『ニッポン探訪』」。日本全国をSUVで駆けまわり、かわいい動物や最高の絶景を撮影してしまおう!という企画です。第19回は福岡県の曽根干潟で撮影した『カブトガニ』。撮影テクニックやクルマのインプレッション、その地域のグルメやお土産情報など、取材ウラ話をいろいろと紹介します。
 


カブトガニを食べてしまった!
 
2017年某月某日。
オイラはタイの海沿いの街にいた。
そこでは見ているだけで楽しくなる浮輪売りのオバちゃんが行ったり来たりしているが、ここはタイでもかなりシケたビーチリゾートのようであった。
 

睡眠不足で根負けしてあわや撮影失敗⁉「三好秀昌のニッポン探訪・取材ウラ話 第18回~オオコノハズク」

 
夕食は海沿いのオープンレストラン。ずらーっと店先に水槽が並び、いろいろな海産物が生きたままひしめいている。
ある店の軒先で妙なものをでっかい寸胴で煮込んでいる。
どう見てもあれである。
手前の店の水槽にいたような気がしたが、まさか食い物だとは思わなかった。
 

 
田舎なので英語はほとんど通じないため、オーダーはタイの友人にすべてお任せだ。なかなかいいチョイスでうまいものを選んでくれる。
さて今日は……。
えっ? こっこれは、さっき店先で煮込んでいたものではないか!
「ミヨシさんがやけに食べたそうに見ていたから、オーダーしました!」と得意気の表情!
うわーっ、カブトガニを食うはめになった!!!
 

 
カブトガニの料理は、たぶん身はほとんど入っていなく、カブトガニの卵を玉子とじにして香味野菜をスパイスで絡めてあるようなもの。ハッキリ言って生臭くてマズい。
一緒にいた日本人は全員が食うのをパス。
しかしタイ人たちは平らげていた。ただ、うまいという感じより珍味で高級食材なので残すのがもったいない、という感じもあった。
 

 
まあ、日本で食ったらお縄になる代物なのでけっして食おうとは思わないように!!
 

産卵にやってくる干潟を目指して福岡へ!
 
このカブトガニ、オイラは日本では岡山にしかいない天然記念物として学校で習ったような気がしていた。
 
だがそれは違うようだ。今さらながらよーく文章を見ると、カブトガニの繁殖地が天然記念物だった。
 

 
生き物自身じゃなくて場所なんだ~。日本のカブトガニの立ち位置は微妙なんですな。
 
世界的にはカブトガニの青い血液は人間の体内の細菌を検出できる唯一の天然資源だそうで、医学界から大人気なのだ。
 
まあそれは置いといて、7~8月の大潮のときに彼らは浜辺に産卵にやってくるという。
いいタイミングで気が付いたので福岡県の曽根干潟へ行くことにした。
 
北九州空港の対面、トヨタの工場のすぐ横だ。さらに海岸線を南下すれば日産の工場も見えてくる。
 
このあたりには1970年代に石灰や石炭を満載にしたSL列車を撮影しに来たことがある。その苅田港エリアは自動車産業の街に生まれ変わっていた。
 

 
近辺に住んでいる仲間に聞くと、「釣りに行くとたまに見かける」という返事。
これはいい感触だ。心強い。
 
まず向かったのは、カブトガニ自慢館。地元自治体が運営しているカブトガニの展示を含め、曽根干潟の自然環境保全を目的にした施設だ。
 

 
建物の近くでウロウロしていたオッチャンが「昼間は見れねーよ。夜なら河口に行けばいるよ」なんて教えてくれた。
 

 
オオッ、地元民の心強い証言だ!
じゃあ、とりあえず暗くなる前に飯に行こう!ということで、仲間オススメのうどん屋へ。
 

 
この“どきどきうどん”は名前を聞いてもどんなうどんなのかまったく想像もつかないが、牛ほほ肉がゴロゴロと入った醤油ベースのスープの一品だった。“どきどき”は肉の脂身がギトギトしていたのが、いつの間にかドキドキに変わったという由来。
濃い目のスープと煮込んだ肉が柔らかくておいしかった。
 

カブトガニは見つからなかったが……
 
干潟に戻ると夜でもけっこう観察に来る人たちがいる。
特に熱心なのが地元の少年たちで、朝晩、カブトガニの産卵状況を調べに来ている。
 

 
しかし、だんだんと台風が近づいてきているらしく、風が強く波も荒くなる。
干潟は泥の海でもあるので、もともと水は濁っているうえにこの波では、懐中電灯で海中を照らしても視界は10cmあるかないかだ。
 
翌朝の満潮時間。さらに風は強くなり、海の中は見えない。
今日は「産卵観察会」が開催されると同時に、ボランティアによる干潟の掃除の日である。
 

 
カブトガニの生態の説明なども行われていた。
 

 
朝晩の満潮時以外はいくつかの海岸で潮だまりに取り残されたカブトガニがいないか探してまわる。
が、そんなに都合よく間抜けなカブトガニはいない。たくさんのマテ貝を見つけた。
 

 
食うとウマいらしいが東京に持って帰るのも大変だし、今回はあきらめた。
 
高速道路を使って仲間のオススメのメシ屋への移動やカブトガニ探しの堤防上の狭い道まで走りまわるのにピッタリだったのが、レンジローバー イヴォークだ。
 

 
スポーティなスタイルとは裏腹にオフロード性能は非常に優れているし、P300 HSE MHEVは豪華な内装とパワフルなエンジン、そしてマッサージ機能付きシートで長距離移動も楽なのだ。
 
何よりクリアサイト グラウンドビューはモニターで前輪の位置を把握できるので、どんなに狭いところでも脱輪の恐怖から逃れられる。
 

 
この日もカブトガニをちらりと見ることもかなわず、失意の夕食。
しかし、食後はご機嫌。なぜならめちゃめちゃウマいモツ鍋だったのだ。大盛り野菜に火が通りしんなりすると、下に隠れているモツとシンクロしてゴキゲンな味になる。
 

 
翌日、昼間から浜辺を探すが風はさらに強く、海の濁りはひどい。
その風と波の荒さのおかげか打ち上げられたカブトガニの脱皮殻を見つけた。
 
じつは前夜、少年たちが同じようなものを見つけていたのだ。懐中電灯の光の中で見るとなかなかきれいなものだったので、暗くなったら光源を工夫して夜景と絡ましてみようと思った。
 

 
正面からストロボの光を当ててしまうと、形が形だけに印象が強烈すぎる。後ろからライティングしてやると透過光で行燈(あんどん)のように見えるし、うまい具合に遠目にいろいろな色のライトがあるのでそれを入れるとおもしろい写真になる、はず!
そして撮れたのが、最初の写真だ。
 
朝、こりゃだめだ、というぐらい強い風。
しかし、いつも観察に来ている少年たちが卵を見つけた。
中でウニョウニョ動いている物体はまさにミニカブトガニ。
 

 
うーん、これをもって野生のカブトガニ発見!ということにしよう(泣)。
それに台風直撃だと東京に帰れなくなる。そろそろ勇気ある撤退だ!!
 

「今回の機材」

カメラボディ:SONY α1
レンズ:TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD
 

「オススメのSUV……ランドローバー レンジローバー イヴォーク」
 

■R-Dynamic HSE P300 MHEV 主要諸元
(9速AT/4WD)
全長×全幅×全高:4380mm×1905mm×1650mm
ホイールベース:2680mm
最低地上高:212mm
車両重量:1890kg
パワーユニット:直4DOHCターボ+モーター
総排気量:1995cc
エンジン最高出力:221kW(300ps)/5500~6000rpm
エンジン最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1500~4500rpm
モーター最高出力:13kW(18ps)/1000rpm
モーター最大トルク:55Nm(5.6kgm)/1000rpm
燃料/タンク容量:プレミアム/67L
WLTCモード燃費:8.6km/L
価格:801万円
 

 
〈文と写真〉
三好秀昌 Hideaki Miyoshi
●東京都生まれ、日本大学芸術学部写真学科卒業。八重洲出版のカメラマンだったが、ラリーで頭角を現し、そのうち試乗記なども執筆することに。1995年、96年にはサファリラリー グループNで2年連続優勝。そのほか、国内外で数多くのラリーに参戦。写真家としては、ケニアでの豹の撮影など、動物をおもな題材としている

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