現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ「センチュリー」が左ハンドル? 現存する激レア車の正体とは

ここから本文です

トヨタ「センチュリー」が左ハンドル? 現存する激レア車の正体とは

掲載 更新 6
トヨタ「センチュリー」が左ハンドル? 現存する激レア車の正体とは

■センチュリーに左ハンドルが存在するワケ

 後席に座る人を優先した「ショーファードリブンカー」として、主に官公庁や企業の役員車として活用されてきた特別なセダンの「センチュリー」は、トヨタのフラッグシップといっていいモデルです。

【画像】超激レアなセンチュリーを見る!(13枚)

 初代モデルの登場は1967年と、すでに50年以上の歴史を持っていますが、まさに日本の経済成長を見守ってきた一台といえるでしょう。

 ちなみにセンチュリーという名前は、初代が登場した年がトヨタグループの創設者・豊田佐吉氏の生誕100年に由来しています。

 基本的には日本専用モデルですが、1997年に登場した2代目には左ハンドル仕様が用意されていました。そのうちの1台がドイツ・ケルンにある博物館「トヨタコレクション」に展示されていました。

 そもそも、なぜ左ハンドル仕様のセンチュリーが造られたのでしょうか。当時、すでにトヨタのプレミアムブランド「レクサス」も存在していましたが、フラッグシップの「LS」はドライバーズカーとして開発されているので、恐らく「ショーファー需要は完全には賄えない」という判断からセンチュリーに白羽の矢が当たったのでしょう。

 さらに当時の豊田達郎社長の「世界のショーファーにしたい」という想いも強かったことも後押し、開発が進められたといいます。

 トヨタコレクションに展示されているモデルはTME(トヨタ・モーター・ヨーロッパ)が所有していた1台で、当時駐在していた役員の送迎用として使われていたモデルだそうです。ドイツトヨタのThomas Schalberger氏によると「恐らく、アウトバーンを走った唯一のセンチュリーかも!?」と話します。

 外観デザインはセンチュリーでは珍しいドアミラー仕様であること以外は日本仕様と大きな差がないように見えますが、細部を見ると左リアに電動アンテナの追加と横長のナンバープレートに合わせて切欠きの変更、そしてリアフォグランプの追加がおこなわれています。展示車のボディカラーは鸞鳳(らんぽう)と呼ばれるグロリアスグレーメタリックです。

 内装も同様で、パッと見る限りは左ハンドル化されている以外は大きな差はなく、日本独自装備ともいえるレースのリアカーテンも装着されている状態ですが、センチュリーならではの変更があります。それは「各操作系の標記」です。

 日本仕様は、エアコンやパワーウィンドウなどが日本語で表記されているのですが、このモデルはすべて英語表記に変更されています。これはセンチュリーならではの「違和感のない違和感」といえる部分かもしれません。

 ボンネットを開くと日本仕様と同様に5リッターV型12気筒エンジン「1GZ-FE」が搭載されていますが、細かい部を見ると左ハンドル化に合わせてブレーキマスターとバッテリーの位置が左右反転しているのが分かります。ちなみにエンジン左右に装着されているはずの補機類を覆う樹脂カバーが装着されていないのは不明です。

■ドイツに現存するセンチュリーのエンジンスペックとは?

 エンジンは欧州の法規対応をおこなう程度で、スペックは最高出力280馬力/最大トルク481Nmと変更ありませんが、日本仕様では自主規制によりこのスペックに留められていますが、本当の実力はどうだったのか気になるところです。なお、トランスミッションは初期モデルのため5速ATを搭載しています。

 前出のThomas Schalberger氏はこのセンチュリーに乗った数少ない一人で、試乗した印象を聞いてみたところ、「エンジンはモーターのようにスムーズで静か、フットワークは路面の舗装が変わったかのように滑らかでビックリしたよ!!」と教えてくれました。

 さらに「また来るなら試乗できるようにセッティングしておくよ!!」といってくれたので、その言葉を信じて近いうちに伺いたいと思います。

 ちなみに、3代目となる現行モデルは左ハンドル仕様の計画はないといいます。恐らく、現行LSがその代わりを担える存在に進化したことも大きいといえます。

 また、プラットフォームは、4代目LSのロングボディ車がベースなので、技術的にはそれほど難しくないはずです。以前の東京モーターショーで参考出品された際に海外メディアの反応が高かった事も踏まえると、個人的には「メイド・イン・ジャパン」を象徴する一台として、世界にもっとアピールしてもいいモデルだと思っています。

こんな記事も読まれています

ハスクバーナ、最新・最大排気量の『スヴァルトピレン801』発売へ 138.9万円
ハスクバーナ、最新・最大排気量の『スヴァルトピレン801』発売へ 138.9万円
レスポンス
レクサス LMに6座仕様車を追加設定。多人数乗車でのパーソナル感を追求したラグジュアリー ミニバン
レクサス LMに6座仕様車を追加設定。多人数乗車でのパーソナル感を追求したラグジュアリー ミニバン
Webモーターマガジン
新型レクサスLMに、6座仕様追加へ──GQ新着カー
新型レクサスLMに、6座仕様追加へ──GQ新着カー
GQ JAPAN
ホンダ、6月発売の新型フリードを先行公開 エアーとクロスターを設定
ホンダ、6月発売の新型フリードを先行公開 エアーとクロスターを設定
日刊自動車新聞
“GTの原点”に立ち返る新たな挑戦。市販車モノコック製Z GT300をデビューさせたゲイナーが奮闘の先に見据えるものとは
“GTの原点”に立ち返る新たな挑戦。市販車モノコック製Z GT300をデビューさせたゲイナーが奮闘の先に見据えるものとは
motorsport.com 日本版
クルマ好きカスタムの定番「シャコタン」! じつは車高を下げるには4つの手段があった!!
クルマ好きカスタムの定番「シャコタン」! じつは車高を下げるには4つの手段があった!!
WEB CARTOP
伝説の「和製スーパーSUV」まさかの市販化!? 斬新“未来すぎ”「2ドアモデル」! まさかのいすゞ“オシャマシン”「ビークロス」とは
伝説の「和製スーパーSUV」まさかの市販化!? 斬新“未来すぎ”「2ドアモデル」! まさかのいすゞ“オシャマシン”「ビークロス」とは
くるまのニュース
【YM未来予想】ヤマハ新ニヒャクの大本命?! 水冷&最新装備で“セロー200”復活熱望ッ!!
【YM未来予想】ヤマハ新ニヒャクの大本命?! 水冷&最新装備で“セロー200”復活熱望ッ!!
WEBヤングマシン
日産のホットハッチが100万円切り!? ニスモが作った116馬力の[マーチNISMO S]が最高だった!!!
日産のホットハッチが100万円切り!? ニスモが作った116馬力の[マーチNISMO S]が最高だった!!!
ベストカーWeb
東京都心の高速道路が「歩行者天国」に!? 激レア体験のぶっ飛びイベント「銀座スカイウォーク」がすごかった! 高架道路が「緑道化」数年後に実現するかも!?
東京都心の高速道路が「歩行者天国」に!? 激レア体験のぶっ飛びイベント「銀座スカイウォーク」がすごかった! 高架道路が「緑道化」数年後に実現するかも!?
くるまのニュース
バレンティーノ・ロッシ、来季もWEC&GTワールドチャレンジを主軸に4輪レース参戦へ。しかし“働きすぎない”スケジュールに?
バレンティーノ・ロッシ、来季もWEC&GTワールドチャレンジを主軸に4輪レース参戦へ。しかし“働きすぎない”スケジュールに?
motorsport.com 日本版
勝利掴んだマクラーレン、新パッケージ投入の目的は“ピュアな”ダウンフォース量向上にアリ。次戦イモラで真価が問われる?
勝利掴んだマクラーレン、新パッケージ投入の目的は“ピュアな”ダウンフォース量向上にアリ。次戦イモラで真価が問われる?
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「コンパクトSUV」発表! 斬新「レクサス顔!?」が超カッコイイ! “小さな高級車”な555万円仕様もある「カローラクロス」越で登場
トヨタ新型「コンパクトSUV」発表! 斬新「レクサス顔!?」が超カッコイイ! “小さな高級車”な555万円仕様もある「カローラクロス」越で登場
くるまのニュース
新型フリードの純正アクセサリーがホンダアクセスから登場!テールゲートタープ、ルーフラックなどをラインナップ
新型フリードの純正アクセサリーがホンダアクセスから登場!テールゲートタープ、ルーフラックなどをラインナップ
月刊自家用車WEB
いよいよ「関越道に直結」間近! 群馬の新・東西軸「上信道」次なる開通へ工事進む
いよいよ「関越道に直結」間近! 群馬の新・東西軸「上信道」次なる開通へ工事進む
乗りものニュース
ネクサスから V-Strom 800/DE(23-)用「タンクトラクショングリップ/ブーツガード/チェーンガード」が発売!
ネクサスから V-Strom 800/DE(23-)用「タンクトラクショングリップ/ブーツガード/チェーンガード」が発売!
バイクブロス
アウトドアに強いトヨタ「クラウン」実車展示! 車高アップ&オーバーフェンダーが迫力満点!! 新型「RSランドスケープ」ってどんなクルマ?
アウトドアに強いトヨタ「クラウン」実車展示! 車高アップ&オーバーフェンダーが迫力満点!! 新型「RSランドスケープ」ってどんなクルマ?
VAGUE
乗って分かった素性の良さ!ハーレーダビッドソン「X500」に試乗!~高梨はづきのきおくきろく。~
乗って分かった素性の良さ!ハーレーダビッドソン「X500」に試乗!~高梨はづきのきおくきろく。~
バイクのニュース

みんなのコメント

6件
  • 海外の日本大使館に配備された個体でしょ?
    オーストリアの車両もネットで見たけど

    そこんところ詳しく取材や調査した記事かと思ったけど拍子抜けだわ
  • 何年か前、ヤフオク!に左ハンが出ていたな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2008.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.02398.0万円

中古車を検索
センチュリー(セダン)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2008.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.02398.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村