現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > えっ、インドではクラクションの耐久性が命!? 知られざる仕向け地によるクルマの違い

ここから本文です

えっ、インドではクラクションの耐久性が命!? 知られざる仕向け地によるクルマの違い

掲載 16
えっ、インドではクラクションの耐久性が命!? 知られざる仕向け地によるクルマの違い

 世界中で走っているクルマだが、実は国産メーカーが発売しているモデルであっても、仕向け地(北米、中国、欧州といった輸出される地域)によって細かい部分が現地の事情に合わせた仕様になっていたり、海外専用車ではその販売地域の使用環境に合わせた、ならではの仕様になっていたりする。

 輸出する際は、仕向け地の法規に則った仕様になっているわけだが、今回はそんな法規とは異なる、使用環境や人種による違いも考慮してクルマは設計されているという話題をお届けしたい。

えっ、インドではクラクションの耐久性が命!? 知られざる仕向け地によるクルマの違い

 ちなみに、フランスやイタリアで販売されるクルマが黒い未塗装の樹脂バンパーを多く採用しているのは、前後のクルマをバンパーでぐいぐい押してねじ込む縦列駐車をしても、バンパーの傷が目立ちにくいからだ、という話は有名なところだろう。

文:ベストカー編集部/写真:Adobe Stock、DAIHATSU

■インド向けはクラクションの耐久性が超重要!

 インドというと、交通事情がカオスなことで有名だが、そんな戦場のような道路上で重要になるのが「クラクション」だ。

 あまりにインド人がクラクションを鳴らすので、騒音問題にまで発展。悪習をなくすために、ムンバイ警察が信号待ち中にクラクションを鳴らすと、信号の待ち時間が延長されるという、まるで罰ゲームのような対策を打ち出したくらいひどい。

そこかしこでクラクションが鳴るが、警告のクラクションよりも、自車の存在を主張するもの多いインド。クルマがひしめき合っている道路事情が要因となっている(Sudhakar@AdobeStock)

 ちなみにどれくらいクラクションを使うかと言うと、めったにクラクションを使うことない日本人は1日1~3回、に対してインド人は1時間に20回くらい……レベルが違う。そうなると心配なのがクラクションの耐久性だ。

 この問題をクリアするため、自動車メーカーではインド向けの車両には専用のクラクションを採用している。日本で使っているような仕様のクラクションでは、ものの1~2週間で使い物にならなくなってしまうからだ。恐るべし……、インド人のクラクション使用頻度。

■法規だけじゃない! 人種の違いで異なるマフラーの音

 日本だけでなく、諸外国でも車外騒音規制があり、クルマのマフラーの音量はそれに対応した設計がされている。そのため、仕向け地によってマフラーの音は異なる。しかし、マフラーを音を決めるのが法規だけではないことは、一般には知られていない。

マフラーメーカーによってノウハウも異なるマフラー。BEVでは必要のなくなる部品だが、実は意外に奥が深い(xiaosan@AdobeStock)

 なんと、人種の違いによる可聴音域の差からくる、「好み」なども反映されていたというのだ。

 現在は騒音規制が厳しくなり、かなり静かなものが多くなったが、かつては純正マフラーであっても北米向けは、国内(日本)仕様と比べるとかなり音量が大きくチューニングされていた。これは、アメリカ人が好きだからという理由があったという。

 以前、設計担当者から聞いた裏話的なものだが、車外騒音の数値としては規制をクリアしていたマフラーでも、実際に海外で使用されたら異音がするとクレームが来て、ナゼかと調べたら、日本人には聞こえにくい周波数の音が、人種によっては異音に聞こえることが判明し、対策を行ったケースがあったという。

 クルマは、このような「好み」を反映している部品がけっこう多くあるそうだ。

■海外専用車は現地の使用環境に合わせた専用設計!

 国産メーカーが東南アジアなどで専売しているモデルでは、サスペンションに力が入れられている。

 ほとんどの道がきれいに舗装されている国と言うのは、世界的に見ると実は少ない。特に東南アジアなどは凸凹した未舗装路が多く、サスペンションストロークが必要だ。そのため、走破性を優先させた高い車高のモデルが必然的に多くなる。

こちらはダイハツがインドネシアで発売した、7人乗りコンパクトMPVの「セニア」。かなり車高が高めに設定されているのは、現地の道路事情を踏まえたうえでの設計だ

 日本仕様の低めの車高は、見た目的にはカッコいいのだが、未舗装路ではたちまち腹下をこすって亀(乗り上げること)になってしまうからだ。

 また、電車など公共交通機関が発達していないため、現地人は多人数乗車が当たり前になっている。そのため、未舗装路をフル乗車で頻繁に走っても壊れることがないサスペンションが必要になる。

 自動車メーカーや部品メーカーは各仕向け地で、世界中のユーザーに満足してもらえるように、日夜研究・開発を行っていることをぜひ知っていただきたい。

こんな記事も読まれています

いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

16件
  • 最近、南アジア人(インドのある地域)がよく車に乗っているが、クラクションは鳴らさない。
    おそらく「日本ではクラクションを鳴らすな」と言われているのだろう。
    ただし「ながらスマホ」「あおり運転」「速度超過」は、やっているのでやめてほしい。
  • >めったにクラクションを使うことない日本人は1日1~3回、に対してインド人は1時間に20回くらい……レベルが違う

    日本人一日1~3回ってそんな鳴らすか!?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.0360.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.0155.0万円

中古車を検索
MPVの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.0360.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.0155.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村