6月4日、フランスのル・マン24時間サーキット(サルト・サーキット)で2022年WEC第4戦ル・マン24時間レースの公式テスト“テストデー”のセッションが始まった。午前10時から3時間行われたセッション1では、フェラーリAFコルセの50号車フェラーリ499P(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)が総合トップタイムを記録している。
6月2日に始まった市内での公開車検から、好天が続いているル・マン。62台のマシンがいよいよ走行を開始するこの日も、朝から晴れとなった。
市街地にNASCARの爆音が轟く。アートカーに加え“アートタイヤ”も出現【2023ル・マン日報3】
サポートレースのリジェ・ヨーロピアン・シリーズのプラクティスと予選に続き、気温19度/路面温度23度というドライコンディションでセッションは始まった。
序盤のうちにほとんどのマシンが1周以上の計測を行うなか、93号車プジョー9X8がピットロード上でエンジンカウルを開けて作業を行ったり、プロトン・コンペティションの88号車ポルシェ911 RSR-19が長時間ピットで作業を行うなど、いくつかのイレギュラーは発生していた模様だが、各車は概ね順調に周回を重ねていった。
この日はセッション開始からタイミングモニターが正常に機能しておらず、各車のベストラップを把握するのが難しい状況となる。
開始20分過ぎには、1コーナーでアルガルベ・プロ・レーシングの45号車オレカ07・ギブソンがスピンしコースオフ、スローゾーンが導入され、マシンはコースに戻された。
11時26分、第一シケインでのデブリを除去するため、セーフティカー(SC)が導入される。今年のル・マンではSC手順が変更されているが、ここで本番さながらにSCの統合、パス・アラウンド、そしてドロップバックが行われる。
11時52分にSCが解除となると、各車はレーシングスピードでの走行を再開。ここまで、ハイパーカークラスの最速は3号車キャデラックVシリーズ.Rの3分32秒0だったが、残り55分を切って50号車フェラーリ499Pのアントニオ・フォコが3分30秒686と大幅にベストタイムを更新してきた。
残り40分、MP14(第1シケインと第2シケインの間)でイエローフラッグが提示されると、直後に赤旗となる。ポール・ディ・レスタのドライブする93号車プジョー9X8がピットに戻っていない。どうやら何らかのアラートが点いたためマシンを止めたようだ。
12時45分すぎにセッションが再開すると、各車は最後のアタックへ。ここでプジョー94号車グスタボ・メネゼスが3分31秒346と自己ベストを更新し、2番手へと浮上。さらに3番手にはハーツ・チーム・JOTAの38号車ポルシェ963を駆るイーフェイ・イェがポジションアップする。
セッションは残り2分を切り、赤旗が提示される。7号車トヨタGR010ハイブリッドのマイク・コンウェイがコースを外れた模様だ。このままセッションは終了となった。
この結果首位は50号車フェラーリ、2番手に94号車プジョー、3番手に38号車ポルシェというトップ3となった。トヨタGAZOO Racingの2台は、7号車GR010ハイブリッドが5番手、8号車が8番手につけている。なお、8号車ではテスト&リザーブドライバーの中嶋一貴が6周、ステアリングを握っているが、アウトラップ+インラップを3回繰り返す形での周回となり、コース上でコントロールラインを2回連続では通過しなかった。
LMP2クラスの最速タイムは、クール・レーシングの47号車オレカ07・ギブソンがマーク。LMGTEアマクラスのトップは、JMWモータースポーツの66号車フェラーリ488 GTE Evoとなった。
注目の“改造版NASCAR”、ヘンドリック・モータースポーツの24号車シボレー・カマロZL1は、LMGTEアマ上位勢と同等のタイムを記録している。
セッション終了時の路気温は26/46度。相変わらず晴天は続いており、15時30分に開始されるセッション2も暑さのなかで行われることとなりそうだ。
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