実証実験の現場は浜松SA
自動運転の実用化が、少しずつではあるが近づきつつある。といっても、自家用車の話ではない。
【画像】自動運転で新東名を走るトラック 画像はこちら 全5枚
たしかに10年ほど前は、たとえば日産のCEOだったあのカルロス・ゴーン氏が、2020年に自動運転を実用化するなどと話していた。しかし研究開発を進めるにつれて、あらゆる人があらゆる道で完全自動運転を実現する難しさが浮き彫りになりつつある。
それでも移動サービスの分野では、米国や中国などで運転手のいないレベル4自動運転タクシーの商用サービスが、限定された領域で始まっているし、日本でも電動カートを使ったレベル4自動運転車が走っている。そして物流サービスも実証実験が進んでいる。クルマの自動運転は、まずこの2つの分野から実用化されると見るのが自然だろう。
そんな中、国土交通省道路局と国土技術政策総合研究所、NEXCO中日本(中日本高速道路)では、自動運転インフラ検討会の関係省庁と連携して、新東名高速道路駿河湾沼津SA(サービスエリア)~浜松SAで、22~5時の深夜時間帯に自動運転車優先レーンを設定し、11月5日から公道での自動運転トラック要素技術検証を順次実施している。
12月初め、報道関係者向けに浜松SAで現場が公開されたので、以前から自動運転による移動・物流サービスに興味があった僕も足を運んだ。
国土交通省が自動運転トラックに取り組んでいるのは、運転手不足や低賃金、負担増などの課題に対応するためだ。このあたりは読者でも予想できる人はいるだろう。
そこでまずはレベル4評価用車両を開発し、走行上の課題となるリスクを抽出していった。その結果、車両側の技術だけではレベル4実現は難しいことがわかった。
課題の原因は、おっとりした動き
具体的には、合流支援情報と先読み情報の提供システム、道路・交通管理、自動運転トラックへの切り替え自動運転車優先レーンといったインフラ整備が必要だとわかった。自家用車よりも車体が長くて重く、動きがおっとりしていることが理由だ。そこでこうした要素技術の検討も進めていくことになった。
ちなみに先読み情報とは、合流してくる車両、工事規制、落下物、制限速度を、AIや車両データなどを活用して提供していくというものだ。
参加企業・団体は今年6月に公募され、国内トラックメーカー4社、物流大手6社などからなるRoAD to the L4 テーマ3コンソーシアムと、三井物産を母体として2022年に設立され、KDDIや三菱地所などが出資する自動運転物流サービス会社T2が選ばれている。今回の現場公開でも、この2つの組織の車両が走った。
今後は、来年度に東北自動車道などで同様の要素技術検証を行った後、2026年度からまず有人での自動運転トラックを導入し、2030年度に東京~大阪間で無人による自動運転トラックの運行を始めたいとしている。
今回は浜松SA上りで、用意された専用駐車マス内に駐車後、発進して加速というところまでを、自動運転で行う様子が報道関係者向けに公開された。
実際に自動運転のトラックに同乗したわけではなく、外からの見学なので運転の様子も確認することが難しく、到着と出発の様子を見ただけとなったが、自動運転走行中の様子については、提供された動画で確認することができた。
実用化に向けて、わたしたちができること
要素技術検証に使われるトラックは、荷室の左右に自動運転の実証実験中であることを示す文字が大きく掲げられているほか、フロント・サイド・リアに識別用のグリーンのマーカーランプが追加されているので、夜間でも識別できるだろう。
SAに入ってきたトラックは、ゆっくり駐車マスに向かうと、枠内にきちんと停車した。早速関係者が駆け寄り、停車位置などをチェックする。市場導入時には無人となるはずだ。そしてしばらくすると発進し、自動運転で本線へ向かう合流車線に入っていった。
過去に体験した乗用車の自動運転と比べると、動きはゆったりしているものの、停車位置は正確で、走行場所も違和感はないうえに、発進後にSAから出ようとする他車を発見すると先に通すなど、スムーズな動きだと実感した。
あとは本線上での制御がどうなるかであるが、他車の合流や工事箇所などの対策も入念にしているので、さほど心配はないだろう。すべてのトラックが自動運転になれば、追越車線に出てきて流れをふさぐような車両もいなくなるはずで、安全で快適な高速道路を目指すという点でも期待できる。
いずれにしても大事なのは、トライ&エラーの精神だろう。
自動運転は、人間で言えば赤ちゃんのような存在だ。もちろん安全性が第一だが、日本人にありがちな、絶対にミスは許さない、何事にも完璧を望むという考えだと、プロジェクトが先に進まず、国際競争に負けていく。逆に早めに実用化できれば、アジアやアフリカでの展開も可能となる。
だからこそ、ときに厳しく、ときに優しく育てていく気持ちを、高速道路を利用するユーザーにも持ってほしいと思っている。
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