PLANEX SmaCam Racing × Mika Hakkinen
プラネックス・スマカメ・レーシング × ミカ・ハッキネン
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ハッキネン参戦記・前編:チーム結成から予選まで
「ミカ・ハッキネンとチームを組んで鈴鹿10Hに出ませんか?」
そんな提案が久保田克昭の元に届いたのは、今年の東京オートサロンの会場でのことだった。話を持ちかけたのは鈴鹿サーキット。ここ数年、ファン感謝デーや鈴鹿サウンド・オブ・エンジンにゲストとして来場し、熱烈なファンの歓迎を受ける中で再びレーサーとして鈴鹿を走りたいという気持ちが、ハッキネンの中に芽生えてきたのだという。
久保田といえば、2014年のモナコ・ヒストリックGPで日本人として初優勝を飾るなど、欧米では“カツ・クボタ”の名で知られるヒストリックF1のトップレーサーの一人である。日本でも長年全日本F3選手権に出場していたり、ポルシェ・カレラカップ・ジャパンに出場するなどの経験の持ち主だが、世界選手権規模のビッグレースに出場するのは初めてとなる。
全くの白紙状態からチーム体制を構築
久保田が『プラネックス・スマカメ・レーシング』の鈴鹿10H参戦を決断したのは2月。しかしそこからが大変だった。なぜなら参戦を決めたものの、その時点ではマシンはおろかチーム自体も存在しない、全くの白紙状態だったからだ。
すでにマシン、チーム、ドライバー共に2019年シーズンの体制が確定していたタイミングだったにも関わらず、新車のマクラーレン720S GT3(ハッキネンがマクラーレンのアンバサダーを務めている関係で、マシンはマクラーレンであるのが前提条件だった)を確保。
ドライバーもトヨタから許可が出て、2015年と17年のスーパーフォーミュラ・チャンピオンであり、スーパーGT GT500クラスでも活躍する日本のトップレーサー、石浦宏明(久保田とはフォーミュラ・トヨタ時代から交流があり、今もドライビングのアドバイザーを務める)が加入。さらにチームマネージメントからメンテナンスまでを各レースで数多くの栄誉と実績を誇るGAINER(ゲイナー)が引き受けてくれることとなった。
720S GT3のデリバリーは遅れ、長梅雨に開発は妨げられる
その後4月に鈴鹿サーキットから参戦決定の正式発表が行われ、4月20日には記者会見も行われたのだが、肝心のマシンの製作は遅れに遅れ、日本にデリバリーされたのは当初の予定から1ヶ月近く遅い6月になってしまった。
それでもなんとか遅れを取り戻そうと、鈴鹿や富士を舞台に何日もテストの予定が組まれた。しかし長引く梅雨の影響で雨に祟られることが多く、セッティングがなかなか進まない状態が続く。
はかどらない実戦テスト、悪天候のプラクティス
8月6日、7日には鈴鹿にハッキネンを招いてテストが行われ、最低限の準備、確認はできたものの、ドライバー3人が顔を揃えたのはサーキットからイオンモール鈴鹿までの公道パレード「鈴鹿モーターフェスティバル」が行われたレースウィークの木曜が初めてという状態であった。
しかも本番直前の大事な最終テストの場と予定していた金曜のプラクティスは土砂降り。ドライバー交代などピット作業の練習は捗ったものの、走行はほとんどできずマシンセッティングに一抹の不安を抱えたまま予選を迎えることになったのである。
待望のドライ路面で予選に臨むもタイムは伸びず
前日から一転し、暑すぎるくらいの好天に恵まれた24日土曜日。9時過ぎから1時間のプラクティスが行われ、ドライコンディションで初めてライバルたちと走ることとなったのだが、そこで露呈したのは想像していた以上のタイム差だった。
現在スーパーGTに参戦しているチームゴウに限らず、世界中のレースで厳しい性能調整=BoP(Balance of Performance)を受けての苦戦が伝えられており、チームとしてもある程度のハンディは覚悟していた。しかしそれ以上にハッキネンから「特に1コーナーや第1セクターが凄い」という声が出るほど酷いアンダーステアに悩まされ、上位勢が2分2秒台を連発する中、プラネックス・スマカメ・レーシングが記録したのは2分5秒7。なんと36台中32位という順位に沈んでしまったのである。
ハッキネンの記憶力と分析能力がチームに光をもたらす
ここで力を発揮したのがハッキネンの解析&セッティング能力だ。自分が走った全てのラップのコーナーごとの挙動を事細かく説明する記憶力と分析力は、すごいの一言。それをもとに今あるリソースを最大限に活かして状況を改善するアイデアを、ゲイナーと本国マクラーレンから派遣されてきたエンジニアたちに提案していく。
そのハッキネンのアドバイスで予選前にデフの効きを弱め、フロントのスタビライザーを弱めるセッティング変更が急遽施されることとなった。
セッティング変更が功を奏し2分3秒台に突入
午後1時に始まった予選Q1の担当はハッキネン。するといきなり2分3秒340を叩き出し13位にジャンプアップ。セッション終盤の赤旗でタイムアタックを中止してしまったこともあり最終的な順位は19位となったが、セッティングの方向性が正しいことが証明された。
続くQ2を走った久保田も自己ベストを更新する2分4秒796を記録して25位。Q3を担当した石浦はユーズドタイヤながら2分3秒120を叩き出し、手応えを十分に感じてピットイン。すぐさまニュータイヤに履き替え満を辞してタイムアタックに掛かったのだが、運悪くトラフィックにはまってしまったうえに、タイヤカスを拾ってタイムの更新はできず17位という結果となった。
アンダーステアを克服し、ついに本戦へと進む
結局3人のタイムの平均値から導かれた予選順位は25位。
上位20台で競われるポール・シュートアウトには残れず、悔しい結果となったものの、散々アンダーステアに悩まされたマシン特性がハッキネンのお陰で改善したこともあり、良い手応えを掴んで決勝に臨むこととなったのである。〈後編に続く〉
PHOTO&REPORT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
PHOTO/鈴鹿モビリティランド
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