WRC世界ラリー選手権で2度のドライバーズチャンピオンに輝くマーカス・グロンホルムが、7月2~5日にスウェーデンのホーリエスで開催されるRallyX Nordic(ラリークロス・ノルディック)の開幕戦、その名も“All-Star Magic Weekend”に参戦することが決定。息子のニクラスとともにGRX Tanecoのヒュンダイi20 RXスーパーカーをドライブする。
北欧地域を中心にラリークロス界のウインターリーグ的存在として長い歴史を誇るRallyX Nordicは、現在WorldRX世界ラリー選手権などで活躍するオリバー・エリクソンらを輩出。近年ではこちらも元WRC王者ペター・ソルベルグの子息であるオリバー・ソルベルグが武者修行を重ねていた。
オリバー・ソルベルグ、北米デビュー戦で2位獲得。「父と同じカラーのマシンをドライブできて感動的だった」
そんな同シリーズも、他のカテゴリー同様に新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延の影響を受けていたが、2020年のシリーズ開催に向けプロモーターのRX Promotionと、開催地ホーリエスの運営団体であるFinnskoga MKが団結。スウェーデンの国際放送からの後援を取り付け、大規模なライブストリーミングを柱とした開幕戦“All-Star Magic Weekend”を、ヨーロッパで今年最初の主要なモータースポーツイベントとして開催することを決定した。
7月初週の開催となる同イベントでは、レジェンド、スーパーカー、スーパーカーライト、クロスカー/クロスカート、クロスカージュニアの5つのカテゴリーが設定されるが、その目玉として6月17日付でグロンホルムのレジェンドクラス参戦がアナウンスされた。
WRC通算30勝、542のステージ勝利数を誇るグロンホルムは、WRCの一線から退いた後は2度の世界タイトルを提げてラリークロス界に転身。2008年にはFIAヨーロピアン・ラリークロス選手権(現WorldRX)に参戦し、デビュー戦のホーリエスでフォード・フィエスタSTをドライブし、いきなりの優勝を記録している。
さらに北米ではX-Games参戦を経て2011年、2012年には北欧のコンストラクター、オルスバーグMSE製のフィエスタでGRCグローバル・ラリークロスにもチャレンジ。参戦した8戦中5勝、全ラウンドで表彰台を獲得する強さを披露した。
「これはカムバックではないよ。私は家族に対して、すでにパーマネントレースを辞めることを少し前に約束しているからね」と語った、現在52歳のグロンホルム。
2019年にはWRCラリー・スウェーデンへのスポット参戦があったものの、ラリークロスのスーパーカーをドライブするのは約8年ぶりのことになる。
「それでもワン・オフのイベントとして、とても速いマシンと素晴らしいドライバーたちと競える。ホーリエスでの週末は本当に楽しいものになるだろうね」と続けたグロンホルム。
「個人的にも楽しみだし、私たちGRXのヒュンダイi20 RXスーパーカーのすべてをエンジョイしたい。それにラップタイムで直接ニクラスと比較するわけだから、彼は私を追いかけるのに苦労するだろうね(笑)」
その父と同じマシンで一足先にエントリーが発表されていた24歳のニクラスは、WorldRX通算2勝。2019年はドライバーズランキング4位に入るなど着実な進化を見せている。
「ついにモーターレーシングとラリークロスの日々に戻れるのは最高の気分だ」と、喜びを語ったニクラス。
「僕やスポーツ界にとって本当に長いブレイクになったし、ヒュンダイに乗れない日々があまりにも長過ぎた。でもそれはもうすぐ終わりを告げる。一刻も早くマシンのシートに座り、トラックに出て多くの友人たちと再会する瞬間が待ちきれないよ」
「ホーリエスでの勝負はとても激しく、厳しいものになるだろう。だからこそ、WorldRXへの前哨戦として良い準備を整えたい。自分自身の“錆”を落とし、アップデートされたマシンをテストする最高の機会にしたいね」
このグロンホルム親子に加え、レジェンドクラスには1976年のWRCスウェディッシュ・ラリー勝者で、欧州ラリークロス・タイトルやPPIHCパイクスピーク・ヒルクライム覇者でもある往年の名選手パー・エクルンドや、元国内ラリー選手権王者でオルスバーグMSE代表でもあるアンドレアス・エリクソンらの参戦もアナウンスされている。
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