専用メカニズムを積極投入。WRCの王者を目指した本格設計
注目ポイント
1:心躍るハイパフォーマンス
2:スモールカーの新基準となる高い完成度
「最新SUV試乗」コンパクトでも特別な存在感、便利、燃費抜群! 新型ヤリスクロスはやっぱりすごい!
トヨタが1から作り出したスポーツカー……社長自身がそう紹介する、GRヤリスが発売された。ここでの「1から」というフレーズには、おそらく86やスープラがSUBARU、BMWとの共同作業とならざるを得なかった経緯に対する、少々忸怩たる思いも含まれているのだろう。
その一方で、「えっ? GRヤリスって〈スポーツカー〉だったの?」という印象を抱いた読者がいるかもしれない。
スポーツカーに明確な定義は存在しない。〈スポーツカー〉を「高性能な走りと、流麗な2ドアクーペ型スタイルを備えたクルマ」と定義するファンにとって、ちょっと無骨でひたすらコンペティティブなGRヤリスは、「スポーツカーとは相容れないルックスの持ち主」と解釈したくなるだろう。
一方で、これまで世界の1級スポーツカーと認められてきた名車たちが、走りの性能を追求するために、「特別な骨格や固有のメカニズムを占有」してきた歴史と事実を振り返れば、「GRヤリスは紛れもなく純粋なスポーツカーだ」と納得できる。
「効率」の高さが第一義に追求される現代では、世界的に著名なスポーツカーでさえ専用開発されたメカニカルコンポーネンツを独占使用するのは難しい。とくに同じグループ内に類似したキャラクターのモデルが存在する場合は、さまざまな手法で共有するのは当たり前だ。
その点、GRヤリスは、「スポーツカーの中でも格別スポーツカーらしい存在」といえる。なにしろ、このモデルのためだけにさまざまなアイテムを開発し、専用工場(GRファクトリー)まで作ったのだ。ここまで腹を括った開発・生産が行われる背景には、「WRC(世界ラリー選手権)で頂点に立つ」という大命題がある。
GRヤリスの発売で、5ドアハッチバック、SUV仕立てのヤリスクロスを含めたヤリス・シリーズは、ラインアップが完成した。当初は「ヴィッツの後継車」とも思われたヤリスだが、実はここまで広範囲なプロジェクトが仕込まれていたとはあっぱれである。ヤリス・シリーズはトヨタの最新技術とクオリティのショーケースであり、先進性の象徴。しかも販売台数でトップに立つなど、ユーザーから圧倒的な支持を集めている。
ベースモデルRSの高い実力。トヨタの高い志が感じられる!
ヤリスは、ボディ骨格やパワーユニット、シャシーなどあらゆる部分に最新世代のアーキテクチャー「TNGA」を導入。これまでのスモールカーをはるかに超えた上質な走りのテイストを味わわせてくれる。初めて触れた際の衝撃はまだ冷めやらない。が、そんな中でも、走り出してすぐに「これはただ者ではないな」と強く実感させられたのが、GRヤリスのベースグレード、RSだ。
RSは1.5リッター直3エンジン(120ps/145Nm)を搭載したFFモデル。CVTに疑似的10速シーケンシャルモードが与えられているものの、パワートレーンは「標準ヤリス」譲り。そんなRSの魅力ポイントはボディとシャシーだ。
このグレードにまでカーボンルーフがおごられた理由は、WRC参戦に必要なホモロゲーション台数クリア(ボディモノコック変更は不可)を狙っての方策に違いない。凝った3ドア構造が生み出した剛性感の高さは圧倒的。乗り心地は街乗りシーンではちょっと我慢が必要……というレベルだが、不快感は最小限。というのは、ボディ剛性が極めて高いため、振動が一瞬にして減衰されるからだ。
ノイズは全般的に大きい。が、発進ギア付きCVTはフル加速シーンでも「まずエンジン回転数だけが高まる」という特有のラバーバンド感は気にならない。タイトな伝達感は、CVTであることを忘れてしまうほど。それでも、MTがあってもよかったのに、という思いを抱いた。そうしたユーザーニーズはすでに開発陣にも届いているようだ。
剛性感に富んだタッチのブレーキや、ホールド性に優れながら乗降を妨げないシートにも「しっかり作り込んでいる」と感心した。標準ヤリスの高いポテンシャルは認識していたが、RSグレードは「本気を出せば、ここまで出来る」と感じさせられた逸品だった。
RZの速さは圧巻! 最新4WDスポーツの代表といえる
RZ系は、RSの魅力はそのままに、圧倒的なスピード性能が上乗せされている。1.6リッターから 272ps/390Nmを生み出す「特別な心臓」と「4WDシャシー」の組み合わせは、まさに無敵である。
「排気干渉がなく、掃気能力が4気筒よりも優れている点が決定打となった」という、3気筒の完全新開発1.6リッターエンジンは、ターボチャージャーにセラミックボールベアリングを採用。大容量インタークーラーにウォータースプレイ機能を加えるなど、随所にコンペティションユースを意識した作り込みが実施された。圧倒的なパワーは3500rpm付近から上で炸裂する。とはいえ1300rpm程度をクリアしていれば、そこから速度を回復できるフレキシブルさも持ち合わせる。エンジンの実力はすこぶる高い。
6速MTのシフトフィールは小気味よく、レッドラインの7000rpmまで踏み込むと1速60km/h、2速95km/hと、一気に伸びる。ギア比の繋がり具合は適切。ちなみに、100km/hクルージングは2500rpmほどでこなす。
駆動方式はトルクスプリット4WD。残念ながら今回の試乗の舞台は一般道。駆動力配分をノーマル(前後60対 40)、スポーツ(同30対70)、トラック(同50対50)の3モードに切り替えできるが、走行モードによるハンドリングの違いを体感することは難しかった。それでもスポーツモードでは、コーナーでの積極的なパワーオンによって後輪側が外側へとふくらみ出そうとするテイストを実感。個人的にはドライの舗装路面は、スポーツモードを基本に選択することになると思う。
ベーシックモデルの王道を行くヤリスに、SUVのユーティリティ性を追求したヤリスクロス、そして戦うためのGRヤリスが加わり、ヤリス・シリーズは高い実力と幅広い個性が際立つ。グローバルな視点で見ても、スモールカーの新基準を確立した。まさに最新日本車の代表だ。
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みんなのコメント
イカやタコじゃないんだから。
そこからの撤退が早すぎて残念でした。
好みは別として日本メーカーとして頑張ってもらいたい。