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ずいぶん立派になりました──新型ランドローバー・ディスカバリー試乗記

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ずいぶん立派になりました──新型ランドローバー・ディスカバリー試乗記

マイナーチェンジを受けたランドローバー「ディスカバリー」に小川フミオが試乗した。

高い機能性

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SUVに快適性と機能性を求めるひとにとって、ランドローバー「ディスカバリー」は”隠れた名車”かもしれない。とくに今年7月8日に日本発売された改良モデルは、3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンを搭載し、走りの楽しさも向上している。

今回乗ったのは「ディスカバリーSE D300」なるモデルだ。さきに、新型「ディフェンダー」と、「レンジローバー」に搭載された2993cc直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンが、あらたに搭載されたのだ。

ディスカバリーのよさは、第1にその機能性の高さであると思う。2列のシートを使った状態で荷室容量は1197リッターもある。デイキャンプどころか、本格的なテントも搭載できる。その気になれば住むことだって出来そう。特筆すべき積載能力だ。

同時に、独自の存在感。おなじシャシーを共用するレンジローバーのような派手さはない。ロング・ツーリングに出かけることが多かったり、スポーツやアウトドアなどの趣味を持っていたり、というしっかりした目的をもったひとが、探しだして買うクルマ、というポジションがよい。

日本では、レンジローバーの陰に隠れてしまっていて、本当にこのクルマに興味を持ってくれているひとしかショールームを訪れないとか。それではもったいない出来のよさだ。

家族と大きな荷物とを載せて、ディスカバリーでロングツーリングに行く姿なんて、けっこううらやましく見える。あまり知られていない”いいもの”をひそかに味わう愉しみを、そういうオーナーから奪っては申し訳ない気もするものの、もっと売れてもいいモデルであることを強調しておきたい。

高級SUVに進化

2017年のデビューいらい初の本格的なマイナーチェンジを受け、全長4985mm、全高1895mmのボディに、最高出力221kW(300ps)、最大トルク650Nmと、パワフルな2993cc直列6気筒ディーゼルターボ・エンジンを搭載した(おなじ排気量の直列6気筒ガソリン・エンジンもラインナップされている)。

標準で、3列目に格納式シートをそなえて7人乗りとなったのも、今回の特徴だ。テールゲートを開けたところに電動格納システムのスウィッチがあり、3列目と2列目シートの折りたたみ操作をおこなえる。

そんな機構が必要なほどしょっちゅう、シートアレンジを変えるひとが多いのか? そこは不明である。ただ、1000万円ちかい高級車なので、なんでも楽チンが評価されるのだろう。

ランドローバー(ディフェンダー)は本格的すぎるし、レンジローバーは高価。広い層にアピールすべくランドローバーがディスカバリーなるモデルを作ったのは、1989年だった。日本でもすぐに売り出され、一時は300万円を切る価格設定のモデルも出て話題を呼んだものだ。

2017年に登場した現在の5代目ディスカバリーは、少なくとも価格は、初代のコンセプトからはだいぶ離れてしまった。レンジローバーより買いやすいものの、しっかり高級SUVになっている。そのぶん、快適装備は豊富。エンジンを含めたドライブトレインはしっかりしている。

6気筒ディーゼルターボ・エンジンはマイルド・ハイブリッド仕様なので、走り出しから力強い。まるで軽い二輪車のように、信号が変わったときは、すっと発進し、エンジン回転が1500rpmに達するところから、650Nmのぶっ太いトルクが盛りあがっていく。

アクセルペダルがやや軽すぎるのがタマにキズ。慣れないうちは、踏みこみすぎて、不必要にエンジン回転をあげてしまい、自分が思っていた以上の加速を覚えることもある。いっぽう、それを承知であえてアクセルペダルを踏み込むなら、加速感はかなり気持ちがいい。

ジャガー「E-PACE D200」などに搭載されている2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ・エンジンも、力があって、回転を上まで上げたときの加速性など気持ちがいい。ディスカバリーの3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボ・ユニットは、より低いエンジン回転域から、より太いトルクをたっぷり味わえる走りが出来る。力に余裕があるかんじがクルマのキャラクターに合っている。

6気筒エンジンと、乗り心地の快適さと、ハンドリングのよさは、よくマッチしている。立役者は標準でそなわるエア・サスペンション。

市街地では、終始フラットライド。乗員が上下や左右に揺さぶられることは少ない。走らせていると、どんな状況でもミシリとも言わないような、シャシーの剛性感の高さが際立つ。

快適装備充実!

小さなカーブを曲がるのも得意なようだ。ダイレクトな感覚がしっかりあるステアリン・グホイールを操作してのコーナリング体験は、たいへん気分がよい。車体のロールが抑えられ、かつ、ステアリングのギア比がクイックなので、意外なほどスポーティなのだ。

1.9m近い全高のSUVが後ろからぶっとばしてきたら、私ならビビる。なので、このクルマを手に入れても、英国車オーナーらしくマナーを大切にしていただきたいものである。

メーカーが発表している燃費は、リッターあたり10.4km(WLTCモード)。この車体のサイズからすれば、なかなかよい値だ。高速では13.5kmに伸びるので、やはり使い勝手がよさそう。

今回のマイナーチェンジンで、装備も充実した。ひとつは、ディスカバリー初搭載となる3Dサラウンドカメラ。くわえて、ブラインドスポットアシスト、アダプティブクルーズコントロールなどの運転支援装備も用意される。

最新インフォテインメント・システムの「Pivi Pro」も標準装だ。400ワットの出力をもつ12スピーカーのメリディアン・オーディオは、低音の再生能力もよくなって、いまのロックミュージックが好きなひとでも満足できそうだ。

ディスカバリーの価格は780万円から。装備が豊富な今回の試乗車は950万円だ。オプションで、空気イオン化テクノロジー(PM2.5フィルター付)や、WiFi接続、パワージェスチャーテールゲートなどが細かく設定されている。オフロード志向のひと向けにもオプションは豊富だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

3件
  • 従来からのフォードのV6からBMW製の直6を搭載した事で、車体のバランスも含めてディスカバリーの存在意義は、ディフェンダーの立ち位置を変える事になる。
  • 外車なら何でもベタ褒め、小川フミオ。

    じゃああんた、このクルマ1,000万円で購入、友人・知人に勧められんの?

    このディスカバリー、内容以前に、非対称かつナンバープレートまでオフセットされているリアデザインの気持ち悪さは史上類をみないほどだが、それにももちろん言及ナッシング。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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