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トヨタ 「ヴィッツ」あらため新型「ヤリス」登場 

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トヨタ 「ヴィッツ」あらため新型「ヤリス」登場 

2019年10月16日、トヨタは2020年2月に発売予定の新型ヤリス(ヴィッツの後継)のワールドプレミアを行なった。ヤリスは国内ではヴィッツの名前だったが、国内もヤリスにしてグローバルで、名称を統一した。また、冒頭、豊田章男社長は英語でビデオメッセージを発信した。

モデル概要

【東京モーターショー2019】トヨタ 市販予定の「超小型EV」出展

新型ヤリスはTNGAの考えの元、コンパクトカーサイズ(Bセグメント)向けの新型プラットフォームGA-Bを開発し、このヤリスから採用した。搭載するパワートレーンは新開発の3気筒1.5Lガソリンのダイナミックフォースエンジンと1.5Lのハイブリッド、そして1.0Lのラインアップに加え、トヨタのコンパクトカーとしては初の4WD、E-Fourを搭載した。ちなみにボディサイズは全長3940mm、全幅1695mm、全高1500mm、ホイールベースは2550mmとなっている。

安全装備では、高度駐車支援システムのアドバンスドパークを搭載。さらに、交差点右左折時の対向直進車、右左折後の横断歩行者も検知対象となる最新のトヨタセーフティセンスを標準装備した。

そしてスマートフォンとの連携ができるディスプレイオーディオ、外部給電機能(ハイブリッド車のオプション)など快適、便利機能を充実させている。

新プラットフォームGA-B

新開発されたGA-Bプラットフォームはトヨタの先進国向けコンパクトカー用で、軽量かつ高剛性、低重心なボディを開発した。従来型と比べ車両重量で50kgの軽量化、ねじり剛性30%以上強化している。また重心高も15mm下げ操縦安定性と快適な乗り心地に寄与する。

ボディではダッシュ、カウル、インパネリンホースの結合剛性をアップさせ、さらにサスタワーを結合することで、フロントサスペンションの着力点剛性をあげている。リヤではホイールハウスの左右をつなげ、フロアトンネルとセンターフロアクロスを結合させ、サイドメンバーとロッカリヤを結合することで、フロアの変形を抑制しボディのねじり剛性を向上させている。またリヤサスの着力点剛性も向上しているという。

材料では高剛性材、ホットプレスの超高張力鋼板を採用しているというが、部位や具体的数値は公表されなかった。

サスペンションではフロントがストラット、リヤがFFはトーションビーム、E-Fourはウイッシュボーンのレイアウトを採用している。フロントではスプリングに角度をつけることで、ダンパーの摺動抵抗を低減し、乗り心地の向上に貢献している。

リヤではトーコレクトタイプブッシュを左右並行配置にし、乗り越える時のショックを和らげ、また十分なトーイン量を確保している。

ステアリング周りでは支持剛性をあげることで高い応答性を確保したとしている。

この新プラットーフォームのハイライトは、まるっきりの新開発だったため、重量物を左右均等に搭載できるように設計している点だ。超高速域からのフルブレーキングなど、欧州では起こり得る事態に対し、安定して減速できる姿勢維持は必須であり、重心高を下げることも必要だが、重量配分も重要であり、今回のGA-Bでは左右均等配分ができたということだ。

パワーユニット

新開発のダイナミックフォースエンジンの1.5L版を搭載した。こちらは高ターンブル化するために、吸気ポートのバルブシート部にレーザー溶接クラッド(突起)を備えている。またバルブ挟み角の狭角化など、これまでの2.5Lエンジンなどと同様の技術を投入した小排気量版になっている。

※関連記事:トヨタ グローバルの主軸エンジン ダイナミックフォース・エンジンは世界トップの最高熱効率と高出力を両立

またCVTでも発進ギヤ付きのDirect Shift-CVTユニットを搭載し、従来のCVTに対して低速域での伝達効率があがりダイレクト感が増している。また、1.0Lエンジン用にも新規にCVTを開発し、ベルトの細幅化などでコンパクト、軽量、高効率化したCVTを搭載している。

そしてハイブリッドだが、出力やバッテリー容量などのスペックは未公表ではあったが、技術的なハイライトはパワーコントロールユニットの進化だろう。

RC-IGBTがそれで、リバースコンディクティブ-IGBTだ。一般的にはパワーカードと呼ばれる部分の新規開発があった。モーターは3相交流で従来のチップはIGBTとダイオードの対のチップを12個必要だったが、この対になる部分を1個にまとめることに成功し、まずチップ自体が6個で済む用になっている。

さらにこのチップは両方向、つまり逆方向にも電気を流せるようになったため、コンパクトになりながら高電力密度が可能になっている。

高電圧であれば高電流となり熱が問題となるが、水冷式の冷却フィンの伝達効率をあげることで、より高い電流が流せるようになりモーターで30%もの出力アップが可能になったという。そのうえで、制御するマイコンも高周期で回せる頭脳があり、エネルギー変動があっても制御範疇に収めることが可能になったという。

つまり、コンパクトな筐体で、機能をコンパクトにすることができた中、高出力を可能にした頭脳を与えた新PCUが技術ハイライトと言えるだろう。

安全機能

標準装備されるトヨタ セーフティセンスではまずプリクラッシュセーフティの分野で、対自転車運転者(昼)、対前方車両、対歩行者(昼)があるが、新たに、夜間の歩行者、交差点シーン対応機能が加わった。交差点シーンでは対右左折後横断歩行者、対右折時直進車両に対応する。

またコンパクトクラス初のレーントレーシングアシストやレーダークルーズコントロールも搭載した。こちらは30km/h以下では解除されるので、全車速には対応していない。そのほかロードサインアシスト、先行車発進告知機能も付帯している。

トヨタ初の高度駐車支援システムではハンドル、アクセル、ブレーキ操作が不要で、手動部分はシフト操作だけとなった。駐車は白線を認識し、縦列駐車も可能で、また白線のない場所でも画像認識の機能を使ってメモリさせることが可能になった。一旦メモリさせると、あとは自動認識する。

デザイン

デザインキーワードは「B-Dash」でBはBOLD(大胆)、BRISK(活発)、BOOST(加速)、BEAUTY(美)、BULLET(弾丸)といったワードに関連づけられた用語と同時にデザインのとりまとめの中島氏はスーパーマリオのゲーム機のBボタンを押すとマリオがダッシュするので、そうしたイメージもあるという。

そして全体のイメージは「黒マメ」だそう。小さくて、丸くて、艶やかなボディを持っていることをアイコンに、各デザイナーへ要求したという。

キャビンはやや後ろに持っていき、ウエッジシェイプの外見ができ、フロントからリヤにかけてのシェイプデザインで躍動感やアクティブなイメージを作り込んでいる。またサイドにはロッカーモールというサイドステップの位置付近のデザインによって低重心な構えを作り出している。

フロントの顔はトヨタのキーンルックを意識した際立つ顔を目指し、全体に押し出す動きにほりフロントマスクの強さを表現している。そしてリヤ周りでは、リヤウインドウとテールランプを人一括りのデザインにまとめ、またタイヤの張り出しを強調する造形でスタンスの良さをアピールしたバンパーデザインにしている。中島氏によれば、「黒マメ」感がもっともでているのがリヤ周りということだ。

インテリアではテーマを「Sportech Cocoon」とし楽しく操る機能部品と心地よい素材感の対比で、日本車ならではの質感に挑戦したという。小顔効果のある小径ステアリングや、コンソールを拡幅してインパネは薄く。ひとクラス上のインパネの比率となるように心がけて製作している。

インテリア全体でアクティブな印象を狙い、ダッシュボード周りにアッパーとロアに逆方向の動きを入れることでリズム感を出し、コンパクト=安っぽいというイメージから脱却を目指している。

ボディカラーはJ Fascinating、「魅惑的なJ」をテーマに日本文化の独創性や遊び心の両立したデザインを狙っている。新規のボディカラー2色を加えた12カラーで、ルーフをブラックにした2トーンは全6色から選択できる。

なお新型ヤリスは、2019年10月25日より一般公開が始まる東京モーターショー2019の期間中、東京・お台場のヴィーナスフォートで先行展示される。

トヨタ ヤリス/ヴィッツ 関連情報
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