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[スローニュース] ボルボ S90/V90 独創的な価値観をラグジュアリークラスに新構築

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[スローニュース] ボルボ S90/V90 独創的な価値観をラグジュアリークラスに新構築

2017年2月23日、ボルボは新型セダン「S90」、ステーションワゴン「V90」を発表した。ボルボのトップレンジを形成する「90」シリーズは、まず2016年1月にXC90を発売し、約1年遅れて、セダンとステーションワゴンを発売することになった。

■コンセプトとデザイン
S90は2016年のデトロイトショーで、V90は同年のジュネーブモーターショーでワールドプレミアが行なわれた。これら新型S90/V90のデザインは、S90は「コンセプト・クーペ」(2013年 フランクフルトショー)、V90は「コンセプト・エステート」(2014年 ジュネーブショー)という一連のコンセプトカーが原型となっている。今回発売されたS90/V90は、これらのコンセプトカーのデザインを忠実に量産モデル化して誕生している。

チーフ・デザイナーのトーマス・インゲンラートは、ボルボの新たなブランド価値を確立するためにS90/V90をデザインし、ボルボらしい独創的な価値観をラグジュアリークラスに構築した。

新型90シリーズは、洗練されたモダンなスカンジナビアン・ライフスタイル、1960年代に築かれたボルボ独自のデザインDNA、機能に基づく美的感覚といった要素を融合させた斬新なデザインで、他のラグジュアリークラスとは明確な違いを感じ取ることができる。

■S90/V90のディテール
先行して発売されたXC90と同様に、S90/V90はボルボの新世代モジュラー・プラットフォームであるSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)を採用した、ボルボのトップレンジに位置するセダンとステーションワゴンだ。なお90シリーズはこれ以外にクロスオーバーのV90クロスカントリーも設定され、2016年のパリモーターショーで発表されている。

SPAプラットフォームを採用した90シリーズの特徴は、横置き4気筒エンジンを搭載するFF駆動であるにも関わらず、Aピラーの付け根とフロント車軸の距離がFR車と同等に設定したことで、ロングノーズならではの伸びやかさ、優雅さ、デザイン的な安定感をもたらし、ラグジュアリー感を高めている。

SPAプラットフォームは、さらにロングホイールベース仕様、PHEV、EVも想定したプラットフォームで、ロングホイールベース仕様はアメリカや中国市場を想定。EVは2018~2019年には登場すると予想されている。

新型S90は、「革新のツーリングを実現するために新たに再定義されたラグジュアリーサルーン」。V90は「利便性、居住性、エレガンスさを体現した頂点に位置するモダン・ラグジュアリーステーションワゴン」という開発キーワードが選ばれている。

S90/V90のライバルとなるのは、メルセデスEクラス、BMW5シリーズ、アウディA6、ジャガーXFなどとされるが、これらのラグジュアリーカーとは一線を画した価値観、デザイン哲学を打ち出している。

S90のボディサイズは、全長4965mm、全幅1880mm(インスクリプションは1890mm)、全高1445 mm、ホイールベース2940mm。一方のV90は、全長4935mm、全高1475mmで、それ以外はS90と共通となっている。ラグジュアリークラスらしい堂々たるサイズだ。

グレード展開は、S90、V90ともにベースグレードのモメンタム、上級のインスクリプション、スポーティグレードのR-DESIGNという構成で、3グレードはそれぞれ専用のフロントグリル・デザイン処理をすることで、見分けは容易になっている。←転送しましたが、モメンタムも同時発売のメールが届いています。

■エンジン&トランスミッション
エンジン、トランスミッションはXC90と共通で、新世代DRIVE-Eシリーズの4気筒・2.0Lを搭載。T5 という名称のベースグレード用直噴ターボエンジンは254ps/350Nm、T6は高出力版がスーパーチャージャー+ターボを装備し320ps/400Nmの出力を発生する。いずれも低中速トルク型のダウンサイジング・ターボで、扱いやすい特性を持つ。一方でS90/T6エンジンで0-100km/h加速は5.9秒と、想像以上に動力性能は優れている。

なお後にはT8と呼ばれるスーパーチャージャー+ターボ+PHEV/モーターの最強力仕様も追加される予定だ。またさらにディーゼルもラインアップに追加されるはずだ。

トランスミッションは全車が8速ATを採用。駆動方式はFF、AWDが設定され、PHEVはリヤ駆動にモーターを使用するツインエンジンAWDだ。JC08モード燃費は、T5エンジン/FFで14.5km/L、T6エンジン/AWDで12.5km/Lとなっている。

■ボディ&サスペンション
ボディ骨格は、図のように従来よりさらに高張力鋼板を多用し、軽量化と剛性向上を図っている。特に主要な骨格部は焼入れしたボロン鋼板を採用し、高い強度のボディを実現している。フロントのバンパービーム、フロント・ダンパータワー部はアルミ材を使用し、強度、剛性、振動減衰に優れるタワー部へのアルミ鍛造製部品の採用はラグジュアリーカークラスにふさわしい。

さらにボルボならでは装備としてフロント・サブフレームの前方にロワコリジョンメンバーを追加している。従来はXCモデルのみの装備だが、今回からはセダン/ステーションワゴンにも採用しているのだ。このメンバーは前面衝突時の衝撃を吸収する能力を高める役割を果たす。

サスペンションは、フロントがアルミ材を多用したハイマウント式ダブルウイッシュボーン、リヤはマルチリンク式だ。リヤのマルチリンク式サスペンションのスプリングは通常のコイル式ではなく、複合樹脂製のリーフスプリングを横置きに配置しているのがユニークだ。

樹脂製の横置きリーフスプリングは、コイルスプリングより軽量で、全高を大幅に抑えることができ、リヤ・サスペンションのスペース効率を高めることができる。さらにスタビライザーの役割も果たすため、本来のスタビライザーの径を小さくできる。さらに、このリーフスプリングはスチール製ではないので作動時の摩擦抵抗や耐振動にも優れているなど多くのメリットを持っているのだ。

なお、V90のみはリヤに車高調整用のエアスプリングも選択できる。これはXC90用のエア・サスペンションとは違い、ステーションワゴンのラゲッジスペースに重量物を積載した時のリヤ車高コントロールに限った機能となっている。

■装備
フロントシートはランバーサポート付きの8ウェイ電動シート、インスクリプションはナッパレザー製のシートとなり、ベンチレーション、マッサージ、電動クッション・エクステンショ/サイドサポートなどもフル装備される。

センサス(SENSUS)と呼ばれるマルチメディアは、メーターパネルに相当する12.3インチの大型ディスプレイ、9インチ縦型のタッチコントロール式センターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイを配置。もちろんナビ、ETC2.0、Apple CarPlay、Android Autoなどスマートフォン連携機能も統合装備されている。

センターディスプレイは手袋をしていても操作できるタッチコントロール式だが、ほとんどの機能はステアリングのスポーク部にある発話スイッチを押すことで音声コントロールできることも大きな特徴だ。

オーディオは330W/10スピーカーシステムが標準装備で、オプションとして1400W/19スピーカーのバウワー&ウイルキンス製のハイエンド・オーディを選択することもできる。

■安全装備
ドライバー支援システムは、XC90のものよりさらに進化した。自動ブレーキは車両・歩行者・自転車検知機能、右折時対向車検知に加え世界初の大型動物検知機能も追加されている。また危険を警告する信号は、ブレーキペダル・パルス方式が採用され、危険度合いに応じてペダルが振動する。

また路外への転落の危険性に対応し、転落に対応した衝撃吸収対策だけではなく、自動操舵支援、ブレーキを連動させた道路逸脱事故回避支援機能も追加されている。

走行中の運転支援システム、アダプティブ・クルーズコントロールは「パイロット・アシスト2」に進化した。140km/h以下ではステアリングが自動操舵され、前走車がいない場合でも車線を検知して走行車線内を維持できるようにステアリングが操作されるのだ。

また前走車を追従する場合、ミリ波レーダーの前走車の補足距離は従来の150mから200mまで延長され、更にカメラを併用することで複数台数を検知できるようになっている。

システムはレーダー/カメラを一体化したユニットを採用しているが、それぞれのセンサーの性能も大幅に向上している。ミリ波レーダーは60度/40m、20度/200mのダブルスキャンをし、高解像度化されたカメラの視野角は52度と従来より拡大している。

またこの他に縦列、並列に対応する駐車アシストパイロット、車両の周囲360度を表示できる360度カメラも標準装備している。


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文:Auto Prove
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