ここ最近で最も身体的に過酷なレースになったと言われるF1カタールGP決勝では、複数名のドライバーが重い脱水症状や熱中症に見舞われた。
中でもウイリアムズのローガン・サージェントは体調の悪化から、チームと相談の上、57周中42周目にリタイアを選択。カタールGPの週末に先駆けて体調を崩していたこともあり、F1のメディカルチェックを受けた。ただ幸い、命に別条はないようだ。
■タイトル3連覇フェルスタッペン、前例なきタイヤ周回数制限付きレースも盤石の優勝。マクラーレンがダブル表彰台獲得|F1カタールGP決勝
ウイリアムズはレース後、ソーシャルメディアに次のように投稿した。
「ローガンがグランプリをリタイアしたが、彼はレース中に激しい脱水症状に見舞われていた。週の初めにはインフルエンザのような症状で弱っていたこともあり、現場のメディカルチームによって診断を受けたところ、問題なしとなった」
ウイリアムズによると、サージェントのチームメイトであるアレクサンダー・アルボンも、熱中症のような症状から自力でマシンを降りることすらままならず、メディカルチェックを受けたという。
「アレックス(アルボンの愛称)はメディカルセンターに運ばれ、急性熱中症の治療を受けた。現在彼はメディカルチームによって診断を受け、問題なしと判断された」
こうした事態に陥ったのには複数の要因が関係している。まずカタールは夜間でも気温が高く、舞台となったルサイル・インターナショナル・サーキットはドライバーに身体的負荷のかかるハイダウンフォースコースだったということ。加えて、今回は各タイヤセットに18周の周回数上限が設けられていたことから、比較的フレッシュなタイヤを履いた状態でドライバーはスタートからチェッカーまで全力で攻めることを余儀なくされた。
体調を崩したドライバーはウイリアムズのふたりだけでなく、アストンマーチンのランス・ストロールはマシンから降りる際に失神しそうになり、近くの救急隊に助けを求めた。またアルピーヌのエステバン・オコンも、ドライブ中に気分が悪くなったという。
アストンマーチンはチームのソーシャルメディアに次のように投稿した。
「今回のカタールGPを終えて、全員が無事であることを報告できて嬉しい」
また4位フィニッシュを果たしたメルセデスのジョージ・ラッセルは、レース中の状況をこう振り返った。
「本当に過酷だった。これまで経験したことのないほどフィジカルなレースだった」
「気を紛らわすために、エンジニアに励ましを求めるほどだったよ」
「僕はよくサウナで暑いコンディションのトレーニングをして、身体を限界まで追い込むようにしている。ただ、サウナは時々出られるけど、今回は20周目くらいからそんな感じだった」
「レース中ずっとバイザーを開けていた。熱風だったけど、空気がないよりはマシだったんだ」
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