排気量アップなのにパワーで25ps、トルクで25Nmダウン
スバルのスポーツセダン「WRX S4」がフルモデルチェンジを果たし、日本でも正式発売されました。すでに北米仕様は2.4L直噴ターボエンジンにアップデートされているなどの情報が公開されていましたが、日本仕様も同様で、エンジンはFA24型の水平対向4気筒ガソリン直噴ターボ、トランスミッションは「スバルパフォーマンストランスミッション」と名付けられたCVTとなっています。電動化の「で」の字もないピュアな内燃機関のパワートレインを搭載しています。
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注目のエンジンスペックは最高出力202kW(275PS)、最大トルク375Nm。2.0Lターボエンジンを積んでいた旧型WRX S4のスペックが221kW(300PS)、400Nmだったことを考えると、排気量が増えているのにパワーダウンするというのは納得いかないというファンも多いでしょうが、理由は環境対応のため、ということです。この時代に、純粋なターボエンジンが残っただけでも良しとするべきかもしれません。
いきなり結論…新型のほうが速いのは間違いない
では、新旧で走りを比較すると新型は遅くなったのか? という疑問が湧きます。今回は千葉県にある袖ヶ浦フォレストレースウェイで新旧WRX S4を比較試乗しました。結論からいえば、新型のほうが速いのは間違いありません。
ポイントはボディ。インナーフレーム構造の採用や構造用接着剤の範囲拡大などにより、新世代プラットフォームは圧倒的な剛性感をもち、スタビライザーの取り付け方法の変更でロール剛性も20%も上がっています。
さらに新しい制御を与えられたCVTはコーナリング中に変速比をホールドしてくれるためアクセルコントロールもしやすくなり、結果としてボトムスピードと脱出速度の向上につながっています。
袖ヶ浦フォレストレースウェイの高速コーナーでのボトムスピードが新旧モデルで10km/hも違っていたといえば、どれほど新型WRX S4のシャシーが速くなっているか伝わるでしょうか。
新エンジンが負けているのは最高出力とトルクだけ
新しい2.4Lエンジンもスペックで劣ってはいますが、実際の速さは変わりません。3コーナー手前の同じポイントで速度をチェックしてみましたが、新旧ともに140km/hで、コンマ差しかないほぼ同じ速度となっていました。
排気量アップした新エンジンはリニアリティの面でも有利だし、エアバイパスバルブ、ウエストゲートバルブのいずれも電子制御タイプになった新型ターボチャージャーのタービンレスポンスも優れ、ブーストの立ち上がりが鋭い新型は中間加速では明らかなアドバンテージを得ています。
なお、最高出力の違いについては最大過給圧の違いが影響していると考えられます。新型WRX S4のブースト圧をメーターで確認すると100kPa程度となっていたのに対して、旧型では150kPaほどに達していました。これだけ違えばピークパワーで25PSの差が出ているのは当然でしょう。旧型のほうがハイブーストですから、エンジンの盛り上がり感は強く、そうした刺激を求めたい人には新型の2.4Lターボはマイルドに感じられるかもしれません。
もっとも、ハードブレーキングでの安定した姿勢、AWD制御も含めてナチュラルに仕上がったハンドリングといった乗り味については、新型にアドバンテージがあります。毎日の運転をより気持ちよく楽しみたいというのであれば、新型への乗り換えを検討する価値は十分にあるでしょう。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
写真1、3、4枚目:新型WRX S4
写真2枚目:旧型WRX S4
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みんなのコメント
見栄えがイイ上での効果が大切です。
完全に悪い方に走ってますね。