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サーキットも一般道も主戦場! 駆る者を裏切らない“M”「BMW M5 コンペティション」試乗記

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サーキットも一般道も主戦場! 駆る者を裏切らない“M”「BMW M5 コンペティション」試乗記

サーキットでのスポーツ走行に耐えうる設計ながら、洗練された乗り心地を持ち合わせる。そして、4.4L V8ツインターボの出力は強烈で癖のないパワーデリバリーを披露し、トップエンドまで伸びきる気持ちよさを備える新しいM5。いつでもどこでも駆る者を絶対に裏切らない、最強マシンが登場した!

本気で走れば本気で応える“M”

【比較試乗・EV編】「メルセデス・ベンツEQC×BMW i3×アウディe-tronスポーツバック」出揃った各ブランドのBEVモデル。モビリティの新しい夜明け。

エンジンを始動させた途端、低く図太いエキゾーストノートが響いた。どうやらM5コンペティションの息吹のようだ。
このM5コンペティションに搭載されるV型8気筒4.4Lツインターボは、M5より25ps強化され、最高出力625psを誇る。最大トルクは750Nm。途方もないダッシュ力を披露することは明白で、レーシングスーツを着用して身構える僕をいたずらに刺激した。

走り始めた瞬間に意識させられるのは、驚くほど締め上げられた剛性感である。ボディはもはや、堅牢と呼ぶに相応しいほど硬い。独特の重量感も伴う。それでいて、サスペンションはしなやかに路面をとらえる。重量級の格闘家のような肉体に、ダンサーのように柔軟な足腰を組み合わせたかのような印象だ。
一般道を緩やかなペースでクルーズする限り、路面の凹凸をコツコツと拾いながらも、不快な突き上げは巧みにいなす。アドレナリンを抑え込んでいれば、紳士的な走りに終始するのだ。

しかし、ひとたびエンジンに鞭を入れれば性格は一変する。富士スピードウェイのロングストレートを一気に駆けぬければ、スピードメーターの針は軽々と260km/hを指し示すから恐ろしい。
一段高いギアでも旋回できるほどの低中回転トルクを誇りながら高回転まで伸びる。タコメーターの針を確認しながらシフトアップを繰り返さなければ、変速のタイミングを逃す。エンジンはまだま
だ伸びようとしているからだ。

今回の改良により、すでにM8などに採用されていた「Mモード」ボタンが新たに加わった。あらかじめ設定しておけば、任意のセッティングが可能なそれは、もちろんパワーユニットからサスペンション、トラクションコントロールを主体とする電子デバイスを攻撃的な数値に設定することができるわけで、獰猛な走りを披露することになるのだ。
トラクションコントロールをオフで走行。とはいうものの、4WDシステムのそれは、電子的にパワーを抑え込まなくても無用な空転には陥らない。ややテールスライド気味の挙動に終始するのはやはり、4WDとなってもFR的なドライビングマナーを求めたからであろう。やはりM5コンペティションはBMWの血が脈々と流れているのである。

印象的だったのは、ブレーキの効きがとてつもなく鋭いことだ。新型では電動アクチュエーターに加圧する「M専用インテクレーテッドブレーキシステム」に変更されており、それが唐突なストッピングパワーを発揮するのだ。ブレーキペダルに軽く触れただけで減速Gが急激に立ち上がる。過渡特性に慣れるまでは、探りながらのブレーキングを迫られる。
旋回気味のハードブレーキングでも、安易にABSが介在しないことにも驚かされた。ブレーキバランスやスタビリティ確保にも手が加えられた可能性もある。そしてそのフィーリングが、数周のハードアタックでは1ミリも悪化しないのである。まるでイリュージョンのようだ。
いやはやそれにしても、ジェントルな高級セダンを全開で走らせるなんて狂っているように思われるかもしれないけれど、M5のパフォーマンスを知ってしまったら、これをやらなきゃ狂ってしまいそうになる。

【Specification】BMW M5コンペティション

■車両本体価格(税込)=18,770,000円
■全長×全幅×全高=4990×1905×1475mm
■ホイールベース=2980mm
■トレッド=前1620、後1595mm
■車両重量=1940kg
■エンジン型式/種類=S63B44B/V8DOHC32V+ツインターボ
■総排気量=4394cc
■最高出力=625ps(460kW)/6000rpm
■最大トルク=750Nm(76.5kg-m)/1800-5860rpm
■燃料タンク容量=68L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前Wウイッシュボーン/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前275/35R20、後285/35R20

問い合わせ
BMWジャパン 0120-269-437

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