もともと日系メーカーが強いエリアだがNEV全盛時に危機
11月16日から25日までの日程で、“広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)”が開催される。筆者は開催前々日夜に広州入りし、開催前日にショー会場へプレスパスを引き取りにきたついでに、開幕へ向け急ピッチでブース設営が行われていた会場内を見てまわった。日本では次期型となる“一汽豊田カローラ”と、その兄弟車となる“広州豊田レビン”のワールドプレミアが行われることで話題となっているが、ショー会場全体を見た感想では、会場内は“NEV(新エネルギー車/EV:電気自動車、PHEV:プラグインハイブリッド車、FCHV:燃料電池車、のことを指す)”が完全にショーの主役になっていた。
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中国では北米同様に秋にイヤー変更を行うのが一般的であり、イヤー変更を行ったモデルを中心に“現実的な市販車”を中心に展示する、文字どおりの“トレードショー”然としたカラーが強いのが広州ショーであった。交互で隔年開催となる、一級都市で開催される北京と上海ショーは、国家の威信をかけるかのごとく未来を見据えたコンセプトカーの展示が多いのだが、広州ショーでは地元広州汽車が熱心にコンセプトカーを置くぐらいであった。しかし、今回の広州ショーでは中国民族系を中心に多くのメーカーがNEVを積極展示していたのである。
しかしNEVを多く展示しているからと言って、広州ショーの性格自体が変わったわけではない、逆に北京並みのNEV普及の“波”が広州のような二級都市にまで及んでいることの現れと見たほうが正しいようである。北京市を見れば、バスやタクシーもEVが多く目立ったりするのだが、中国全体で見ればNEVの普及率はまだ数%ともいわれている。
前回(2017年)より、“電動汽車展”を併催するようになったのだが、その開催規模と内容が今年は一段とパワーアップしていた。しかし、そこには日系完成車メーカーの姿はなかった。
華南地区、とくにトヨタ、ホンダ、日産の工場が周辺にある広州市とその周辺エリアは日系ブランドがとくに強い地域とされ、広州モーターショーも中国のモーターショーでは、日系ブランドの存在感の強い異色のモーターショーとされていたが、NEVがここまで注目されてくると、いまのところでは日系ブランドのNEVに対する取り組みやや出遅れムードも目立ってしまっており、日系ブランドの存在感がいままでどおりにここ広州で維持できるかといえば、それは難しくなってきそうである。
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