■どんなクルマ?
大きい順に、コレオス→カジャール→キャプチャー
トータルでどっちが得? 「EV」 vs 「内燃エンジン」 8年後に同水準とルノー
SUVのブームがやむ気配はいまのところない。そのため、どのメーカーもSUVを作るのに躍起になっている。もちろんルノーだってそうだ。
現在ルノーにはSUV(あるいはSUVと呼べそうなモデル)は3種類ある。サイズが大きい順に、コレオス→カジャール→キャプチャーだ。
参考までに以下にディメンションを記す。
全長×全幅×全高(mm)
・コレオス:4673×1843×1678
・カジャール:4449×1836×1607
・キャプチャー:4122×1778×1566
キャプチャーやカジャールは現在英国でもすでにラインナップされているが、ルノーは先代のまったく冴えないものとは違う、新しいコレオスの英国仕様車の開発を急いだ。
このたび登場するコレオスは、日産の「コモン・モジュール・ファミリー」と呼ばれる共通のプラットフォームを使用。
カジャールもまた、日産のエクストレイルやキャシュカイ(日本名:デュアリス)と同じプラットフォームであり、全世界向けの規格で作られたものだ。
■どんな感じ?
質感はVW/ランドローバーに及ばず
コレオスのなかでディーゼルエンジンと4WDの組みあわせは「もっともリッチ」だとルノーは説明する。
テスト車に乗り込んでみると、確かに快適そうだ。開放的なキャビン、質感の良いインテリア、ダッシュボード周りのパネル等も安っぽさがない。
ただしライバルのフォルクスワーゲン・ティグアンや、ランドローバー・ディスカバリー・スポーツのような洗練された感じが少々足りず、「もっと勉強してほしい」といったところだ。
英国にまず輸入されるのは、エントリーグレードにあたる「Dynamique S Nav」と、ひとつ上の「Signature Nav」。
前者には、パノラミックサンルーフ、7インチタッチスクリーン(Android AutoやApple CarPlayにも対応)。「Signature Nav」の場合、18インチのホイールが19インチになり、ヘッドライトはLEDに、タッチスクリーンは8.7インチに拡大する。
今回テストした最上級モデル「Paris Initiale」は、近日中に英国で発売予定で、全体的なクオリティは上々だ。ただし、われわれが買うとしたら、「Dynamique S Nav」だろう。これで十分だ。
パッケージングは?
3列/7シーターのパッケージの検証に移ろう。
2列目の居住空間は足元空間も申し分ないが、3列目のシートの影響でライバルのフォルクスワーゲン・ティグアンやプジョー5008よりも狭い。
2.0ℓディーゼルの印象はどうだろう?
コレオス、走りの印象は?
172psのディーゼルエンジンは至極まともで、荷を積んだ状態でも後ろから蹴っ飛ばされた感覚を味わうことができる。
ただ、トルクフルだがパワーの伝達には少しラグを感じる。また不安になりそうなBロードのワインディングもダイレクト感に満ち溢れたステアリングで楽しめたが、少し重みに欠けるようにも思えた。よって限界を試そうという気持ちにはなれない。
ただ、車体の動きに不安を感じるようなことはない。ステアリングを切れば、クルマがどこの方向に向かうかが予想できるため、これが直感性につながっている。
地上高は210mmのクリアランスがあり、前後ディパーチャー角も19°/20°確保されている。4WDモデルであれば未知なる路面だってへっちゃらだ。
19インチのホイールは、高速域でロードノイズを拾いやすいので、快適さを求めるのならば18インチのほうがよさそう。
X-トロニック(CVT)は、7速オートマのような振る舞いで、ラフなアクセルワークでも従来のCVTとは一線を画す仕上がり。エンジンから発せられるノイズも最小限である。
■「買い」か?
もっとも安いグレードがよい
コレオスは神格化されたSUVではない。また、キャプチャーやカジャールほど売れることは想定していないとルノー自身も述べている。
平凡の域からは抜け出せていないものの、肯定的な見方をすればこのクラスのなかでは際立った存在ではあるだろう。
広々とした空間、充分な装備、外見の良さは疑いようがなく、新鮮味に溢れた乗り味ではないが、オフロードでの走破性には目を見張るものがある。
このクラスのなかで価格帯の高いクルマはどれもそれなりの出来栄えだ。もちろんライバルも多い。そのなかでの真の価値は、安いモデルでもどれだけ良いクルマであるか、ということだと思う。
もっとも安いグレードならば、強くおすすめしたい。
ルノー・コレオス2.0dCi 175AWD X-トロニック 2017
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