この記事をまとめると
■エアサスペンション(エアサス)について解説
【クルマ好きがよくやるボディを押して判断は間違い!】サスペンションのヘタリと交換時期の見極め方
■輸入車には多いが国産車には普及していない
■あまり広まらない理由は耐久性などにある
いまエアサスを採用する国産車は少ない
サスペンションにはいろいろな形式があるのはご存じのとおり。見て違いがわかるのはマニアレベルだが、わかりやすいのがエアサスだ。とくに国産では一般的ではないので、馴染みが薄い形式ではある。エアサスはその名のとおり、スプリングやショックアブソーバの代わりに、ベローズと呼ばれるゴム製の筒を装着して、そこに空気を入れて、そのクッションをサスペンションとして利用するのが特徴だ。
最大のメリットは乗り心地で、空気をサスペンションに使っているだけにふんわりとした極上のフィーリングが味わえる。国産にはあまりないと書いたが、バブルのころだと、なにかと話題の日産の初代シーマなどが装着していて、高級サルーンらしい乗り心地を楽しむことができた。
また国産で普及しているのはトラックで、大きなベローズが装着しているのを見ることができる。その目的は積み荷に対する衝撃を和らげるためで、ドライバーのなかにはフンワリしすぎていて好まないという声もあったりする。ちなみに大型トラックのシートには小さなエアサスが組み込まれている車種もある。
逆に輸入車では高級ブランドを中心にかなり広く採用されていて、これは乗り心地もさることながら、車高や硬さを自在に変えるためというのもある。SUVなら悪路走破性を高めるためだったり、ワゴンの場合は荷物の積み下ろし、また重たい荷物を積んだ際の正しい姿勢維持のために採用していたりする。ワゴンで後輪だけの採用が多いのは、姿勢制御のためだ。
このようにエアサスならではのメリットは多いが、国産車ではあまり広まらないのには理由があって、まずは耐久性の問題。輸入車や、例のシーマでも発生することが多かったが、要は劣化すると空気が漏れて、車高が下がったままになってしまう。普及している海外では消耗品的な扱いなので、社外品が出回っていたりして、安く簡単に直せるが、それでも不安要素には変わりない。
また、エアポンプ、タンクや配管、スイッチなど、一般的なサスペンションに比べて構造は複雑になるのでコストは高くなるし、トラブルの可能性も高まることもある。メンテナンスフリーをよし、とする傾向が強い日本車ではなかなか普及しない形式と言っていい。
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