シルバーストン・サーキットを舞台に開催されている第12戦イギリスGP。初日を締めくくるフリー走行2回目ではマクラーレンのランド・ノリスが最速タイムを記録した。RBの角田裕毅は16番手だった。
イギリスGP初日は雨が降ったり止んだりと、“ブリティッシュウェザー”に見舞われた。FP2開始時点では気温18度、路面温度29度と、晴れ間ものぞくドライコンディションだったが、セッション終盤には雨がコースを濡らした。
■角田裕毅、熾烈なF1中団争いでは好調ハースとアストン復活を警戒。RBは“トップ”ではない……しかし「僕らは戦いの中にいる」
現地16時に1時間のセッションが開始されると、各車が続々とコースイン。FP1ではルーキーにマシンを譲ったドライバー4名も今週末初めてマシンを走らせた。
序盤は各車ミディアムタイヤを履き、FP1でハードタイヤを履かなかった3台だけがこのハードタオやを履いた。まずはコース上で周回を重ね、FP1からのマシン変更点をチェックといったところ。アタックラップとチャージラップを繰り返して確認とデータ収集を行なった。
序盤でトップに立ったのはレッドブルのマックス・フェルスタッペン。ミディアムタイヤを履き、1分27秒831をマークした。
ミディアムタイヤでの走行を早々に切り上げたフェルスタッペンはセッションが15分経過した頃からひと足先にソフトタイヤで予選想定アタックを実施。ここで1分27秒233まで自身のトップタイムを更新した。
1セット目のタイヤで入念に走り込むドライバーも少なくなく、フェラーリのカルロス・サインツJr.は9周を周回したミディアムタイヤでフェルスタッペンから0.523秒差の2番手につけた。
セッション折り返しを前に、マクラーレン勢やフェラーリ勢などもここで2セット目としてソフトタイヤを履いた。
フェラーリのシャルル・ルクレールは1分27秒150をマークしてフェルスタッペンのトップタイムを更新する。それをハースのニコ・ヒュルケンベルグやマクラーレンのオスカー・ピアストリが上回っていった。
しかしその後もう1台のマクラーレン、ノリスが1分26秒549を叩き出してトップに浮上した。
なお、フェルスタッペンもこのセッション2セット目となる新品ソフトタイヤに履き替えてコースへ入ったが、マシンの挙動を乱してコースオフ。タイムを更新することなくピットへ戻った。なおレッドブル勢は他のチームとは異なり、このセッションで合計3セットの新品タイヤを使用。他とは戦略が分かれる形となった。
セッション残り25分を切ると、各車は決勝レースを見据えたロングランプログラムに移行し、周回を重ねた。ここでは各車がユーズドのミディアムタイヤかソフトタイヤを履いた。ふたりのドライバーに異なるタイヤを履かせ、比較テストを行なうチームもあった。
残り5分というところから、雨が降り始めた。雨脚が強くなるとの予想から、全ドライバーがピットに戻ることとなった。しかし今週末は今後も不安定な天候になることが考えられるため、セッション最終盤にはデータ収集のため、インターミディエイトタイヤでの走行を行なうドライバーもいた。
結果的に、セッション最速はノリス。ピアストリが0.331秒差遅れで続き、マクラーレンが1-2で初日の走行を締めくくった。
3番手はレッドブルのセルジオ・ペレス。4番手にはヒュルケンベルグが並び、5番手ルクレール以下はメルセデスのルイス・ハミルトン、フェルスタッペン、サインツJr.、アストンマーティンのランス・ストロール、メルセデスのジョージ・ラッセルというトップ10だった。
フェルスタッペンはタイムシート上で7番手に終わったが、ロングランではノリスと同じユーズドのミディアムタイヤを履き、1分31秒台後半から1分32秒台前半という好ペースを刻んだ。燃料搭載量は不明ながら、両者のパフォーマンスは互角にも見える。グリッド位置次第では、前戦オーストリアGPに続いて、この2台の激しいトップ争いとなる可能性がある。ただ、ノリスがフェルスタッペンよりも6周ほど古いミディアムタイヤを履いていたというのは注目に値するかもしれない。
RBは角田が16番手、ダニエル・リカルドが19番手と1発のタイムで低迷。ロングランでも角田がユーズドのミディアムで、リカルドがユーズドのソフトタイヤでそれぞれ1分33秒台中盤のペースだった。他チームと比べると苦戦している印象であり、グランプリ2日目以降に向けて課題が残る初日となった。
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