2022年8月31日、お台場のランドマークとして23年間にわたって営業を続けてきた「パレットタウン大観覧車」が営業を終了した。大観覧車といえば、トヨタの巨大ショールーム「トヨタシティショウケース」を擁する「メガウェブ(MEGA WEB)」に隣接していた施設で、メガウェブへ行く際に観覧車にも乗ってみた、という人も少なくないだろう。以下、思い出深いメガウェブの最後の姿と、今後についてレポートしたい。
文/加藤久美子、写真/加藤博人
さらば懐かしき夏の日…大観覧車も終了!! メガウェブの解体作業も進むお台場パレットタウンの別れとこれから
■最終日(8月31日)に80分並んで大観覧車に乗ってみた。
1999年9月に開業したお台場、パレットタウンの大観覧車は、高さ115mで当初「世界一高い観覧車」としてギネスにも認定されていた。ゴンドラ数は64台でそのうち4台が『シースルーゴンドラ』と呼ばれるレアなゴンドラで、全体が透明なパネルでできており景色が良く見えて人気を博していた。
天気の良い日には遠く、富士山はもちろん、千葉県の房総半島までの景色を眺めることができた大観覧車。夜景の美しさも定評があり「観覧車から見る夜景No.1」に選ばれたこともあったという。お台場のシンボルとして多くの人々に愛されてきた観覧車は23年間で約2100万人以上が来場した。
メガウェブと同様に外国人観光客に大人気のスポットでもあり、平日などとくに日本人を探すのが難しいくらいだった。
パレットタウンといえば、2021年12月末でメガウェブが閉館となり、2022年3月末には商業施設であるヴィーナスフォートが終わりを迎えた。そしてこのたび2022年8月31日に大観覧車が営業を終了したことで、パレットタウンのすべての施設が営業終了となった。
メガウェブ最終営業日。2021年12月31日の19時で完全に閉館した
最終日の前日、8月30日の夕方にも観覧車に乗り&撮影に行ったのだが、あまりにも人が多くて受付時間の前に終了していて乗れなかった。そこで翌日出直したのである。私たちが並び始めた18時の時点では100分待ち(実際には80分)だったのが、間もなく120分待ちとなり、この日も予定より早く受付を終えた。
周辺にはテレビを中心に報道関係者も数多くいて、撮影したり乗って降りてきた人にインタビューしたり…。並んでいるのは家族連れよりも、カップルが圧倒的に多く、一人で乗る人も結構いた。徐々に戻りつつある外国人観光客らしき人々の数もちらほら。それぞれの思いを込めてだれしも静かに粛々と列を進めていた。
■いまメガウェブはどうなっている?
クルマ好きとして気になるのはやはりメガウェブの「いま」であろう。観覧車に乗りながら解体が進むメガウェブ近辺を見ることができた。観覧車に乗らずとも跡地が見える部分はあるが、高いフェンスで囲まれているのでその展望は限られている。観覧車がなくなれば、お台場の景色を高い位置から眺めることは当面できなくなるだろう。
観覧車の中から撮った写真で確認しながら、「メガウェブのいま」を紹介しよう。
「写真1」。観覧車からトヨタシティショウケースへ向かう際の入り口が見える。ここから出てきて観覧車の向かいのファストフード店でポテトを食べた想い出がよみがえる
「写真1」はメガウェブ「トヨタシティショウケース」の1-2階部分で、赤で囲んだ部分が観覧車側からの2階出入り口だった場所だ。奥には2022年3月末に営業を終了したヴィーナスフォートの建物が写っている。
なお、後ろに控える明るい照明がついている部分は現在も東京テレポート駅と青海駅をつなぐ通路として機能している。メガウェブやヴィーナスフォートの営業終了後も、この道はりんかい線とゆりかもめの接続ルートであるため、夜間も人の往来がある。これ以外に接続するルートが存在しないため、しばらくはこの通路は残される可能性が高い。
「画像2」、上昇中の観覧車内からメガウェブ跡地を撮影。中庭では連日イベントが実施されていた…
「画像2」、観覧車が上がって、少し高い位置から撮るとこんな感じに見える。メガウェブの2階部分はすでに壊されている。明るい照明がついている円形のエリアではメガウェブ閉館1週間前となる2021年12月25-26日に日本スーパーカー協会による、【TOKYO SUPERCAR DAY 2021 Xmas】が開催され、合計50台の貴重なスーパーカーが展示されていた。
メガウェブの中庭スペースで開催された2021年のスーパーカー展示。最後のクルマ展示イベントとなった
「画像3」「ライドワン発着場」の跡地。多くのトヨタ市販車がここで試乗ができた。土日は長蛇の列で、地元のディーラーでは乗れない試乗車もここに来れば乗れた
「画像3」は、別の日に撮影した写真で、メガウェブの試乗体験施設「ライドワン」の発着場があった場所。写真右奥の白いメッシュ状の建物がパレットタウン駐車場で、写真正面の奥に映っているツインタワーの建物は東京ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾートである。
「画像4」ライドワンのコース跡地
「画像4」は「ライドワン」の試乗コースの一部。ライドワンは、トヨタ車のほとんどが乗れるとあって海外からの観光客がいつも列を作っていた。
■気になるパレットタウンのその後
記憶にある方もいらっしゃるかもしれないが、実はメガウェブも大観覧車も、1999年にオープンした時点では2009年までの10年間限定の施設としてスタートした。パレットタウン用地における借地権の契約期間が10年に設定されており、2009年で営業を終了し、2010年6月までに施設全体を撤去して東京都に土地を返還する契約だったのである。
1999年当時、「10年間の限定」とは聞いていたが、実際に施設を訪れてわずか10年で観覧車もメガウェブもなくなるのか…と驚いた記憶がある。結局、諸事情により閉鎖は延長され、メガウェブは2021年末、観覧車は2022年8月末まで営業が継続された。
気になるのは跡地が何になるのか、だが、2022年8月29日にベストカーWebにおいても報じているとおり、巨大なスポーツ施設の建設が予定されている。
メガウェブの跡地は、トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京(プロバスケットボールチーム)の3社共同記者会見により、お台場の新スポットとして巨大体育館が新造される、と発表があった。新体育館はアルバルク東京の本拠地となる
同日、トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京の3社で合同記者会見を実施しており、メガウェブ跡地に総合体育館/アリーナを建設することが改めて発表されている。内容は2020年3月末にトヨタグループの不動産会社「東和不動産株式会社(本社名古屋市中村区)」から発表されたリリースとほぼ同じだ。
当時の発表と異なるのは、東和不動産の名称がトヨタ不動産に変更された(2022年4月)ことと、プロバスケットボールチーム「トヨタアルバルク東京」(前身はトヨタ自動車男子バスケットボール部で2016年からアルバルク東京)の名前が出ていることだ。メガウェブ跡地は、同チームの本拠地となることが予定されており、トヨタのモビリティ技術や次世代観戦技術などを活用し、また実証実験の場としての活用も予定されている。
これまでのメガウェブやクルマを楽しむための施設とは完全に異なる新しい施設となるのは残念ではあるが、トヨタ自動車が運営する施設であれば、将来的にクルマに関わる施設もできないかと期待している。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
これから潰すの?ゆりかもめ青海駅までの通路どうなるんだろう