ここ数年のカーナビのトレンドは「大画面」だが、まだまだ7V型を基本としたAV一体型カーナビのニーズは高い。
さらに言えばしっかりとした基本性能だけは抑えておきたい、つまりコスパの高いカーナビを選びたいというユーザーも多いはずだ。
この時期気になるレーザー&レーダー探知機はどうやって取り締まり個所を特定しているのか?
そこで7V、8V、そして9V型の各画面サイズ別に価格と機能のバランスに優れたモデルをセレクト。春からの新生活にクルマを手に入れる際にもピッタリのモデルを紹介する。
文/高山正寛、写真/パナソニック、ケンウッド
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■最低限でも抑えておきたい機能はコレだ!
渋滞を含めた道路交通情報を表示する「VICS-WIDE」は現在ほとんどの新モデルに搭載されている
とにかく多機能になった現在のカーナビ、人によっては「もう少しシンプルでもいい」と感じている人もいる。それでは現実に昨今のカーナビ機能において、これだけは抑えておきたい、という機能を解説しよう。
1.VICS-WIDE
現在ほとんどの新モデルに搭載されているのが渋滞を含めた道路交通情報を表示する「VICS」の進化版である「VICS-WIDE」だ。一方でポータブルカーナビや海外製のモデルには非搭載、というケースもある。
VICS-WIDEは従来のVICSとは異なり、県をまたいだ広範囲の交通情報の取得や渋滞回避能力を持つ(但し通信を活用するテレマティクスナビには敵わない)。また大雨などの自然災害の情報なども取得し表示できる点も最近の不安定な天候から鑑みると有効な機能と言える。
スマホやDAPとBluetooth接続を考えている人は接続プロファイルにも気を配りたい
2.Bluetooth対応
スマホやDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)などを接続して音楽再生を行ったり、ハンズフリー通話を行える。
Bluetoothには機能を使うための「プロファイル」と呼ばれる仕様があり、オーディオの場合だとA2DP、ハンズフリー通話の場合はHFPなどのプロファイルがナビとスマホ両方に実装されていることが必要だ。
現状においてはほぼこれらは搭載済みなので心配はしなくて良いが、昔のスマホやDAPでは意外にもこれらが付いていないケースもあるので注意したい。
3.地図更新
高級モデルであれば3年間のうち1回、全てのデータをフル更新できたり、毎月道路地図だけを「差分更新」できるなどのモデルも存在するが、低価格モデルではそうはいかない。
実はこの地図更新というのはコストが高く、ナビが古くなった後、自腹で更新すると商品にもよるが、2万円前後かかってしまう。ゆえにカーナビを使っている人は意外とそれを行わないことが多い。
せめて3年間のうちに1回でも無料更新できる権利(サービス)や発売時になるべく直近の地図データが収録されていれば実用上それほど困ることはないはずだ。
リアカメラとの連携はいまや基本中の基本だ
4.リアカメラ連携
昨今のドラレコではカーナビとの連携がひとつのトレンドになっているが、低価格モデルではそこまでは要求できない。しかし基本中の基本である後退時に使える「リア(バック)カメラ」との連携には対応しておく必要がある。
5.TVやCD対応
昨今話題のDA(ディスプレイオーディオ)は良い意味で機能の割り切りを行っている。その中でCDなどのディスクメディアや地デジチューナーへの非搭載が挙げられる。
特にDAブームの火付け役ともなったトヨタ・カローラが登場した際には元々のカローラユーザー(年齢層は高め)から「何でCDが無いんだ、スマホ接続して操作なんて自分は出来ない」という意見も出ていた程だ。
後にトヨタはディーラーオプションで専用のCDユニットを販売したが(ここはさすがトヨタの対応力)マツダのマツコネ(マツダコネクト)の場合、CD/DVD&地デジチューナーはメーカーオプションとなっている。
低価格モデルだからということで駆動部のあるCDプレイヤーはコスト的にも価格に跳ね返るので搭載を敬遠するケースも見受けられるが(時代がスマホ接続であることも理由)、TV視聴に関してもさすがに地デジ(フルセグ)でなくてもワンセグチューナー位は欲しい。
それではこれらの条件をできるだけ満たし、価格を抑えつつコスパに優れた画面サイズ別のモデルを紹介しよう。
■画面サイズ別オススメモデル
優れた基本性能を搭載しながらも低価格に抑えたストラーダ CN-E330D
●7V型イチ押し
「ストラーダ」SSDカーナビステーション CN-E330D(リンク先)
実勢価格:5万4000円前後
ストラーダブランドのベーシックモデルである「CN-E330D」は同ブランドの持つ優れた基本性能を搭載し低価格で実現したモデルだ。
元々ストラーダはこの価格帯ではこれまでも定期的に商品を発売しており、販売店やユーザーから非常に高い評価を受けている。
前述した機能に関しても3.の地図更新以外は対応。またTVチューナーもワンセグになるが、それでもCDスロットを搭載するなど良い意味で「これで十分」と言える内容だ。
特にVICS-WIDEに関しては同社独自の「スイテルート案内」を搭載。交通状況に変化が生じ、ルート変更を行った場合「新・旧」のルートを同時にディスプレイ上に表示できるのはストラーダの共通機能として高く評価されている。
ケンウッドのMDV-L308Lはエントリーモデルでありながら充実した機能がウリだ
●8V型イチ押し
「ケンウッド」彩速ナビゲーション「MDV-L308L」(リンク先)
実勢価格:7万5000円前後
ケンウッドブランドのカーナビと言えば「彩速ナビ」。その中で商品面の末尾にある“L”シリーズはエントリーモデルでありながら上位モデル並みの機能を搭載してきた実績がある。
2021年1月に発表されたばかりの「MDV-L308L」は8V型のワイドVGAパネル(光沢)を搭載する新製品だ。
元々彩速ナビは画面操作時のレスポンスの良さや地図画面の発色の良さが魅力。この商品でもそれらはしっかり継承されており、スマホ的なフリック&タッチ操作は本当に軽快。
わざと地図画面をグリグリと何度もスクロールした際、モデルによっては一回ひっかかるようなケースでも彩速ナビは搭載するデュアルコアCPUなどによりスムーズに動作する。
さらに独自のGUIは直感的かつ自分の必要な機能を識別しやすく、画面の階層も浅い。AVとナビの2画面表示機能なども上位モデル並みの機能と言える。
搭載する機能に関しては1.から5.まで対応。3.の地図更新に関してはケンウッドとMapfan(インクリメントP)が運営する「KENWOOD MapFan Club」の1年間無料優待券がもらえるので、これを活用すればお得に更新することが出来る。
またそれ以降も会費は必要となるが(年額3960円)、年2回の地図データ更新を低額で活用することができる。
連携機能としてはドライブレコーダーで実績のあるケンウッドらしく、このクラスでも前後2カメラによる「スマート連携」を実現。前後同時録画はもちろん、あおり運転などに対しても瞬時に後方カメラの画像に切り替えることもできる。つまりナビの大画面上でドラレコの操作ができる点が最大の魅力と言える。
取り付けに関してもトヨタ車などの9インチナビ取り付けスペースを活用する専用エスカッションや純正クラスターパネルによりスッキリ装着ができる。
ストラーダ CN-F1D9VDは10V型までは要らないけどそこそこ大画面が欲しいというニーズに最適なモデルだ
●9V型イチ押し
「ストラーダ」SDカーナビゲーション「CN-F1D9VD」(リンク先)
既存の2DINスペースに本体ユニットを組み込み、ディスプレイは前面に浮かせるようにする「フローティング構造」を採用することで多くの車種に大画面カーナビを装着可能にした功労者とも言えるのがストラーダの“Fシリーズ”である。
Fシリーズは2016年に発売以降、毎年機能向上なども含め、常に新しい提案を行ってきているが、2020年9月に発表された新モデルの上位2モデル(10V型)には極めて美しい映像表現が可能な「有機EL」を採用、さらにディスプレイ本体も最薄部で4.7mmにするなど大きな進化を遂げている。
一方で大画面は欲しいがそこまでコストはかけられないという人向けに今回オススメしたいのが「CN-F1D9VD」である。
9V型ではあるが、最上位のグループに属する商品ゆえに中身は極めて充実している。
1.~5.までの機能は当然対応、TVも地デジ(フルセグ)を搭載。ストラーダの地デジは高画質だけでなく受信感度が高いのが特徴のひとつだ。
地図更新に関しては上位2機種が3年間無料なのに対し、このモデルはユーザー登録等により2023年12月15日(予定)までの期間内に1回だけ無料で更新ができる。
ナビ機能に関しては同社独自のストラーダチューンの他、新しい地図表示により方面看板をピクト表示に対応されるなどして直感的に進むべき方向が把握しやすくなっている。同様に「安全・安心運転サポート」による速度警告や一時停止などをポップアップ表示と音で知らせる機能なども搭載する。
対応する前後2カメラをナビの大画面上で操作できる使いやすさや専用のETC2.0ユニットの装着による「信号情報活用運転支援システム」などへの対応など、10V型モデルまでの予算は厳しくても大画面カーナビの良さをしっかり使いたいと思っている人には積極的に薦めたいモデルである。
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