アカデミー最多7部門受賞！ クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』

人類に大きすぎる力を与えた天才科学者

「原爆の父」として知られる、世界の運命を変えた天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづいて描き、本年度のアカデミー賞で＜作品賞＞を含む最多7部門を受賞した映画『オッペンハイマー』がいよいよ公開されます。

　物語の舞台は第二次世界大戦下のアメリカ。極秘に立ち上げられたプロジェクト「マンハッタン計画」に参加したJ・ロバート・オッペンハイマーは、優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功します。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになります。冷戦、赤狩り……、激動の時代の波にオッペンハイマーはのまれてゆきます——。

　監督、脚本を務めたのは、『ダークナイト』三部作や『インターステラー』で知られるクリストファー・ノーラン。主人公のオッペンハイマーをキリアン・マーフィーが演じ、ほかにもエミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーらの豪華俳優陣が脇を固めます。

　ノーラン監督は本作でIMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた、最高解像度の撮影を実践。また、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影を実現させました。IMAX撮影による世界最高峰の映像体験も魅力のひとつと言えるでしょう。

　2023年7月の全米公開を皮切りに、世界興収10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録し、実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位となっています。また、本年度の第96回アカデミー賞では＜作品賞＞、＜監督賞＞、＜主演男優賞＞、＜助演男優賞＞、＜撮影賞＞、＜編集賞＞、＜作曲賞＞の最多7部門を受賞するなど、世界中の注目を集める話題作です。

　ノーラン監督といえば本作と同様に第二次世界大戦下の時代を舞台に、西部戦線での英仏連合軍とドイツ軍の戦を描いた『ダンケルク』（2017年）も記憶に新しいところです。主人公のオッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーも謎の英国兵として出演していたこの作品では、プジョーの「176 TC4」といったミリタリー色の強いバイクを見ることができます。

『オッペンハイマー』は2024年3月29日（金）より全国ロードショーです。

Comments

[luv********]

ノーベルに比べたら100枚ぐらい落ちる俗物だろ。
ノーベルは人も殺す爆弾作った罪滅ぼしに財産使ってノーベル賞作ったが、オッペンハイマーは何もしてない。人道的なフリをしようと泣きごと垂れ流したが、広島長崎には訪れた事もない。

[藍流頓瀬奈]

とかく核兵器を賛美しがちなアメリカだったが、ここにきてようやくそれを作ってしまった者の苦悩を描くようになった。
ゴジラ-1と見比べる評論も多いね。