インフィニティのミドル・サイズ・クーペのエントリー・グレードは、一見よさそうなものだが、いざ乗ってみると欲しくなる理由がほとんど見つからなかった。
■どんなクルマ?
Q60と同じサイズのクーペ市場には、生まれ変わったばかりのアウディA5やメルセデス・ベンツCクラス・クーペなど実力あるモデルが多い。
だからこそ、向けられる目は厳しくなる。しかも4気筒エンジンという、小ざっぱりとしたモデルだから、パワーでねじ伏せることができないぶん、嫌なところも目立ちやすくなってしまう。
先に言っておくが、このクルマも、運悪く嫌なところが目立ってしまった。星5つ中、たったのふたつという結果からも、空気を察していただけるだろう。
■どんな感じ?
多くのオーナーにとって、Q60のキャビンは快適。フロント・シートの形状はよく、後席スペースも(この手のクルマにしては)まずまず。
身長の高いドライバーならば、頭上スペースがやや不足していると感じるかもしれないが、標準的な体型ならば不満はないだろう。
ダッシュボードの素材などは極めてリッチな印象である。が、スイッチの押し心地はやすっぽい。しかし、小物入れなどが十分すぎるほど用意されているなど、致命的なエラーはうまく避けられている。
ただ、非常にがっかりするのは、インフォテイメント・システムのデキの悪さだ。そもそも、どうして上下ふたつに分割しなければならなかったのか? 押してもなかなか反応しないし、グラフィックも劣悪だ。
スポーツ・モード時に7速オートマティック・ギアボックスが動作を迷うのもつらい。マニュアル・モードで乗り切ろうと思っても、シフト・パドルがない。
19インチのホイールに標準で組みあわされるラン-フラット・タイヤと硬いサスペンションの組み合わせも、どうにかならないものか。
ほとんどのライバルよりも乗り心地は硬く、路面がプアになるとノイズが目立つ。
一方、スピードが増せば、相応のグリップ力を披露してくれる。またボディはコントロールしやすい。それだけに、重みというよりフリクションにしか感じ得ないステアリングが残念である。
レーン・キープ・アシストも、はっきり言って煮詰め直しが必要である。
■「買い」か?
3.0ℓV6ターボ搭載モデルがよすぎたのだろうか?
少なくとも、このグレードをおすすめする理由がほとんど見当たらなかった。
動的性能、洗練性、楽しさ、パッケージング、インフォテイメント・システム……いずれも芳しくない。クルマ好きは、これくらいでは喜ばないだろう。
■日本版編集部の見立て
但し書きに「クルマ好きには」という言葉が入るのかもしれないが、なかなか手厳しい評価だ。日本で発売されているモデルではないものの、スタイルが好みならば…というクルマなのかもしれない。
インフィニティQ60 2.0t プレミアム・テック
■価格 £37,690(530万円)
■全長×全幅×全高 4690×1850×1395mm
■最高速度 235km/h
■0-100km/h加速 7.3秒
■燃費 14.7km/ℓ
■CO2排出量 156g/km
■乾燥重量 1756kg
■エンジン 直列4気筒1991ccターボ・ガソリン
■最高出力 211ps
■最大トルク 35.7kg-m
■ギアボックス 7速オートマティック
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みんなのコメント
欲しい
アメリカなら走りにも拘らないし評価高いかもね。