30万円でFR化が可能! 次世代ドリ車ベースの筆頭か!?
水平対向2.0LターボのFR仕様は操る楽しさもコスパも抜群
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国産車のラインナップから2.0Lターボエンジン搭載のFRスポーツカーが消えて久しいなか、ここのところチューニングシーンをざわつかせているのがここで紹介する鮮やかなブルーのVAB型WRX STI。フロントの駆動をキャンセルして、FR化を図ったマシンである。
製作したのは栃木県宇都宮市にあるプロショップのマチュア。日光サーキットで長年ドリフトを楽しんでいる代表の増淵さんが、他にはないドリ車を目指して製作したもの。マチュアでは以前にもGC8やGDBのインプレッサをFR化した実績があり、その豊富なノウハウをVABにも投入したというわけだ。
FR化でポイントとなるのは、強度が不足するリヤドライブシャフトの対策。そこでマチュアはより太いドライブシャフトを流用するための、専用アウターカップを開発。あとはワタナベサービスのドリフトセンターデフTYPE-Dと、クスコのリヤLSD(2ウェイ)を投入して完全FR仕様を完成させた。
やや重たい車体を自在に振り回すにはパワーアップが不可欠で、心臓部はタービンをHKSのGTIII-RSに変更し、米国ペリンパフォーマンス製インテークシステムとインタークーラーを装着。現車合わせECUセッティングにより、最大ブースト圧1.5キロの設定で384psを発生させる。
マチュアが正規代理店を務めているハイスパークイグニッションコイル製の高性能点火コイルは、優れた点火レスポンスによりフライバイワイヤー式スロットル特有の反応遅れを解消してくれるお勧めパーツだ。
サスペンションはマチュアのオリジナル車高調で、スプリングレートはフロント7kg/mm、リヤ6kg/mmの設定。スタビライザーは前後ともクスコ製の強化タイプに変更。ブレーキはパッドを含めノーマルだ。
深いアングルでのドリフトを目指して、フロントのナックル加工を実行。強度や耐久性を重視し、よくあるカットして再溶接する方法ではなく、20mmカットしたものにタイロッド固定用のテーパー穴を開け直してショート化している。
ホイールはグラムライツ57DRで、サイズはフロントが9.5J×18、リヤが10.5J×18。タイヤはフロントがフェデラル595RS-R(235/40)、リヤはドリフト用に開発されたゼクノバのスーパースポーツRS(265/35-18)を履く。
北米仕様のハイパーブルーにオールペンされたエクステリアにも注目で、フロントとサイドにはアンダースポイラー、前後フェンダーにはオーバーフェンダーを追加。フロントグリルやヘッドライトはUS仕様純正品に変更され、ドレスアップマシンとしても高い完成度を誇るものになっている。
純正エアロに追加してスタイリングをアップさせるのが、フロントとサイドのアンダースポイラー。張り付けタイプのオーバーフェンダーはVAB専用デザインで、前後とも60mmワイドの設定となっている。
この注目チューンドに試乗したエキスパートドリフターのTKクラブ神谷代表は「これぞ待ちわびていた次世代のドリフトマシン。なんといってもボディ剛性の高さがVABの魅力だと感じました。エンジンは約390psとパワフルながら、出力特性がフラットなのでビギナーでも安心して扱えるはず。フロントの切れ角もたっぷりあるので、上級者もハイレベルなドリフトが楽しめますね。この記事で刺激を受けるドリフターもいるんじゃないでしょうか。僕も本気で作ってみたいです」と絶賛。
フロントドライブシャフトの撤去、センターデフ、リヤ強化ドライブシャフトなど、FR化のために必要となるパーツ代は合計30万円以内。まさに、ローコストで楽しめる新世代ドリ車ベースの筆頭と言えるだろう。
●取材協力:マチュア 栃木県宇都宮市宝木本町1650-1 TEL:0120-805-044
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みんなのコメント
ローコストでFR化できるのは判ったが、一方で「重たい車体を自在に振り回すにはパワーアップが不可欠で…」とある。紹介した状態に持っていくまでにいくらかかるのか、FR化だけならどの程度の楽しさなのかをツッコんで取材して欲しかった。面白そうなネタなのに残念です。
(まぁ、カービューはただ記事をもらってるだけでなのでしょうが。)