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【AでもRSでもなくSという選択】アウディS3セダン試乗 絶妙なハンドリングの「生っぽさ」

掲載 更新 9
【AでもRSでもなくSという選択】アウディS3セダン試乗 絶妙なハンドリングの「生っぽさ」

Sモデル 「しなやかだけどコシのある」

text:Tatsuya Otani(大谷達也)

【画像】俊足セダン ライバル比較【S3セダン/スカイライン400Rを比較】 全75枚

photo:Keigo Yamamoto(山本佳吾)

editor:Taro Ueno(上野太朗)

いきなり個人的な話で恐縮だが、わたしはもうずいぶんと前からアウディのSモデルに惚れ込んでしまっている。

たしかにクルマの純粋なパフォーマンスで比べたら、SモデルはフラッグシップのRSモデルにかなわない。

でも、公道を走るだけだったらSモデルで十分以上。

おまけにSモデルの足まわりは、日常的なシチュエーションで、RSモデルより一段と快適な乗り心地をもたらしてくれる。

「でも、快適性だけでいえば、スタンダードなAモデルのほうがさらに上でしょ?」とアナタは訝しがるかもしれないが、SモデルとAモデルの関係はそれほど単純なものではない。

サスペンションのスプリングレートや減衰率の絶対値を比較すれば、SモデルのほうがAモデルより間違いなく高いはず。サスペンションストロークだって、Aモデルのほうがたっぷりしている。

でも、Sモデルはダンパーの質が一段と優れているのか、短いストロークのなかで効率よくショックを吸収。

たとえていえばSモデルの乗り心地は「しなやかだけれどコシがあるタイプ」で、わたしにはSモデルのほうが快適に感じるくらいだ。

ところで、ハイパフォーマンスモデルをSモデルとRSモデルの2段階構成にしたのは、プレミアムブランドではアウディが最初だった。

最近はBMWがMパフォーマンス・モデルを、AMGは35、43、53といったモデルを投入して「ハイパフォーマンスモデルの2段階化」を図っているけれど、その先駆けがアウディのSモデルだったことは疑う余地がない。

そういえば、Sモデルによく似たライバルメーカーのハイパフォーマンスモデルがこぞってフルタイム4WDを採用しているのも、アウディを見習っている証拠かもしれない。

新型S3セダン クールで知的な佇まい

そんなSモデルの系譜に最新のS3が加わった。

排気量2Lの4気筒ターボ・エンジンをフロントに横置きし、アウディ自慢のクワトロを介して四輪を駆動するという基本的な成り立ちは従来型と同じ。

ただし、エンジンの最高出力と最大トルクは20psと2.0kg-m上乗せされて310psと40.8kg-mとなった。

また、スポーティな足まわりが与えられるS3はA3に比べて全高が低くなるのが慣例だが、その差は従来型の10mmから新型では15mmに拡大。

これは、より俊敏なハンドリングを目指した結果と推測される。

ハイパフォーマンスモデルにもかかわらず、極端に派手な装飾を施さないのもSモデルの伝統である。

新型S3の場合も、ハニカムグリルの「マス目」をA3より大きくしたうえでメッキ加飾を部分的に施したり、ドアミラーを歴代Sモデルと同じようにアルミ仕上げにしてあるものの、これみよがしなところはどこにもない。あくまでもクールで知的な佇まいだ。

しなやかな足まわり 乗ってすぐ信頼感

S3には5ドア・ハッチバックのスポーツバックと4ドア・セダンの2タイプが用意されているが、今回試乗したのは後者のほう。

スポーツバックとの乗り比べはおこなっていないが、独立したトランクルームを持つ3ボックス・ボディのためセダンのスタイリングには落ち着きがある。

ただし、アウディの流儀にしたがってセダンといえどもルーフ後端がなだらかに下降するクーペ・スタイルとされている関係で、ルーフがほぼ水平のまま伸びきっているスポーツバックよりもリアのヘッドルームはいくぶん狭い。

そのかわりといっては何だが、ラゲッジスペースはスポーツバックの380Lに対してセダンは425Lと余裕がある。

しかも、ラゲッジスペースにアクセスする開口部はセダンのほうが格段に狭いので、この辺はボディ剛性になんらかの影響があってもおかしくないだろう。

試乗の舞台は箱根のワインディングロード。

期待どおり、Sモデルでも足まわりはしなやかにストロークするため、路面からのゴツゴツ感は伝わってこない。

同じ日に試乗した1Lエンジン搭載の30 TFSIに比べると、S3はスポーティモデルらしくどっしりとした印象を与えるが、それでもステアリング操作に対する反応は機敏かつ正確。

しかもロードホールディングが良好で、荒れた路面でもトリッキーな挙動を示さないため、まるで長年付き合ってきた愛車のように、走り始めた直後から思い切ってペースを上げられる。

この辺もSモデルならではのキャラクターといえる。

ハンドリングの「生っぽさ」 自信の現れ

エンジンは典型的なフラットトルク型で極めて扱いやすいが、それでもまったく退屈に感じないのは、スロットルレスポンスが驚くほど鋭敏だから。

このためパドルシフトで7段Sトロニックを操れば、いついかなるときでも欲しいだけのパワーを引き出せる。

いうまでもなく、日本のワインディングロードを攻めるのに、310psの最高出力は十分すぎるほどにパワフルだ。

一方で、この強力なエンジンが轟音を響かせないところが、いかにもSモデルらしい。

こうした洗練された所作はS3のあらゆるところに認められる。前述の快適な乗り心地もそうだが、たとえば大きな段差を強行突破しても足まわりの印象はソリッドなままで、決して微振動を残したりしないのは、このクラスではアウディだけの美点。

ステアリング・インフォメーションは豊富なのに、不快なバイブレーションが見事に遮断されているのもSモデルらしいところだ。

それでも、ハンドリング特性だけには微妙に「生っぽい」ところがあって、これがまた嬉しかった。

最近のこの手のスポーツモデルのなかには、スタビリティコントロールの機能を活用してコーナリング時のロールを抑え、これでハードコーナリング時の安定性を確保しているケースも散見されるが、S3は限界に近づけば素直にステアリング特性が変化し、ドライバーに注意信号を与えてくれる。

試しに、スタビリティ・コントロールをオフにして同じようなペースで走ってみたところ、ステアリング特性の変化はスタビリティ・コントロールがオンのときとまったく変わらず、電子制御でボディの動きを抑え込んでいないことが判明した。

これができるのも、アウディがS3のシャシー性能に自信を持っているからに他ならない。

だからこそコンピューターの助けを借りずとも、メカニズムの力だけでライバルを凌ぐ安定性とコントロール性を実現できるのだ。

横置きエンジン・モデルとフルタイム4WDを長年作り続けてきたアウディのノウハウは、こんなところにも息づいているといえるだろう。

アウディS3セダンのスペック

価格:661万円
全長:4505mm
全幅:1815mm
全高:1415mm
ホイールベース:2630mm
車両重量:1560kg
パワートレイン:直列4気筒 1984ccターボ
最高出力:310ps/ 5450-6500rpm
最大トルク:40.8kg/2000-5450rpm
ギアボックス:7速Sトロニック

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN

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みんなのコメント

9件
  • 良い選択だと思います。
    Audiは2026年までに完全EV化を進めていますのでこれが最後です。
    RSにまでEV化が迫ってきています。
    小型セダンの4WD内燃機高出力は他にはありません。
  • まあ、でも君、車の話出来ないでしょ?
    だって買ったこと無いじゃん。

    ここで仲良くなる人もいて、それが楽しいんだけどね。〜〜の自宅ガレージがーとか壁材は何にしたとか
    あそこのサーキットは楽しいとか、色々。

    でも君、口を開けばうんことか妄想とかジジイとか、それだけじゃん。お話になんないよ。
    正直に私は買ったことありません!買えてもA3です!とか話せばいいんじゃない?

    実際に良い生活してる人同士ってなんとなく話が通じるんだけど、君の場合は
    君自身が知らないもんだからブチギレて逆ギレするだけじゃん。

    文章では他人の資産なんて不明だが、君は君自身の文章がめっちゃ金ありません!
    って滲み出てるじゃん笑 ほんと、可哀想なくらい。

    買ったと嘘ついて、俺 以外の人間にフルボッコにされて逆ギレしてみたり、もう最高に見窄らしいよね。

    嘘ついてキレるくらいなら、そこをゴールとして真面目に目指してみたら?

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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