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今季で幕を閉じる「ドリフトキングダム」ラストバトルが富士スピードウェイで開催!

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今季で幕を閉じる「ドリフトキングダム」ラストバトルが富士スピードウェイで開催!

優勝は中村選手、年間タイトルは川井選手が獲得

 12月21日・22日の両日、JAF公認のドリフト競技「ドリフトキングダム」の2019シーズン第6戦が富士スピードウェイ・ショートコースで開催。2011年にスタートしたドリフトマッスルから2018年に名称変更したこの競技は、この大会をもって終了することが決まっているだけに、当日は白熱のバトルが展開された。

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 ドリフトキングダムは二つのクラスに分けられており、21日(土)に登竜門的な「クラブマンクラス」、そして22日(日)には上級の「プロクラス」が開催。両日ともに1台で走行する予選の「単走」、そして決勝では、2台でバトルする「追走トーナメント」が行われた。

 今回の最終戦の舞台となるのは、富士スピードウェイのショートコース。これを順走(通常の走行方向)で使用。ドリフトは、各車両の滑らせ方などを審査員がチェックする競技だが、今回の審査区間は最終コーナー手前からスタートし、3コーナーの出口まで。

 この区間の路面は6級舗装という、一般道レベルの喰いつきの悪い舗装路面。当日は年末の押し迫った日程だっため冷え込みが厳しく、路面温度・気温ともにかなり低く、選手たちにとってはより難しいマシンコントロールが要求される大会となった。

 今回審査を行うのは、大会審査委員長に「ドリキン」ことプロドライバーの土屋圭市氏。審査員には、数々のドリフトタイトルを獲得してきたベテランドリフターの今村陽一氏が担当した。

 クラブマンクラスは、第2戦・間瀬、第4戦・日光の各大会で優勝し、すでに年間チャンピオンを決めている船橋 竜選手が今回上級のプロクラスにチャレンジするため欠席。代わりに注目なのが、今回スポット参戦したスーパー耐久レースなどで活躍する久保凛太郎選手。クラブマンクラスには全15台がエントリーした。

 一方、プロクラスでは、シリーズチャンピオンを争う川井謙太郎選手と益山 航選手の一騎打ちが注目。また、スポット参戦した大会では、ほぼ全勝(タイヤ空気圧不足で失格となった第1戦を除く)している中村直樹選手の活躍も気になるところ。最終戦には全16台が参戦した。

波乱の展開となったクラブマンクラス

 21日に開催されたクラブマンクラスは、予選の単走で藤本幸之助選手(#34 VL猛 DASH シルビア/GF-S15)がトップ通過で、1回戦不戦勝でベスト8から追走。一方、この時点で今シーズンランキング2位の谷岡昭夫選手(#12 Mon To Blan/AE86)はまさかの一回戦敗退と波乱の展開。

 

 そして、決勝に向けて争う追走トーナメント。注目の久保凛太郎選手は、追走に慣れてないためか先行の1本目を先取したものの、2本目は大失敗! ベスト8への進出はかなわず、1回戦で終わってしまう。

続く2回戦で注目だったのは、コーナに147km/hで進入し、ハイスピードドリフトを披露して勝ち上がった印南 塁選手(#19 オヨヨワークスシルビア/S15)。だが、3回戦で印南選手は、コンセントレーションを高め走行に臨んだ河南勇太選手(#26 オートアスリート・ガレツネ1号/S15)に敗れる。結果、決勝戦は藤本選手と河南選手の対決となった。

 決勝では、1本目に藤本選手が1コーナーをオーバーランする失敗をおかしたこともあり、河南選手が優勝。3位には城﨑明日香選手(#17 STF180SX/RPS13)が入った。ちなみに、最終戦を優勝で飾った河南選手は、シーズンランキングでも2位も獲得している。

プロクラス予選は注目選手が上位に

 そして迎えた22日のプロクラス。この日も前日同様の厳しい寒さであった。事前の予報では、午後から雨、そして夕方からは降雪の可能性もあったのだが、競技が終了するまで雨に邪魔されることなくすべての走行を終えることができた。

 大会審査委員長の土屋圭市氏は、事前のブリーフィングから「これぞ追走! といった走りを見たい」と選手たちに檄を飛ばす。この日を最後に終了するドリフトキングダムのまさにラストレースだけに、この言葉に選手全員が気合に満ちた表情となっていた。

 予選では、前評判通り中村直樹選手(#99 クリスタルHE.VALINO/S15)がピカイチの走りを披露。単走一本目から満点の100点を獲得し、予選をトップで通過した。

 ドリフトキングダムの常連で、「予選番長」の川井謙太郎選手(#109 AUTO-TEC チェイサー/JZX100)は、2本目に驚異のコーナー進入速度161km/hをマークしたものの、審査ポイントでコンマ1点足りず予選2番手。

 益山 航選手(#530 3代目マスビア/S14)が、川井選手に次ぐ3番手で通過した。

 

 さらに4番手には、下位カテゴリーのクラブマンクラスのタイトルを引っ提げてプロクラスに参戦した注目の船橋 竜選手(#64 ガレージミラルダS14 VL/S14)が入る。審査員から「美しいドリフト」との評価を受けた実力者だけに、今回が最後の大会というのは惜しい限りだ。

ランキング争いは川井選手が制す

 決勝に向けての追走トーナメントは、当初の予定よりも若干早め午後1時40分にスタートした。この追走では1回戦から2台ものマシントラブルが出てくるなど波乱もあったが、ベスト4に進出できたのは、やはり予選で上位を占めたトップ4台。

 予選トップの中村選手は、ベスト8で当たった田所選手との接触により、フロントバンパーを取り外したままでの参戦。手負いの状態のはずだったが、それでもしっかりと船橋選手を下して決勝へコマを進めている。

 

 決勝を競うもう1台を決める追走は、ランキング1位と2位の益山・川井の両選手が一騎打ち。タイトルは、追走の1回戦終了時点ですでに川井選手に確定しているが、「川井選手に負けずにシーズンを終える」という目標をもって向かった益山選手が大健闘!

 スピードで勝る川井選手に負けない走りを披露し、意地をみせる。結局、決勝は中村・益山の両選手が対決。ちなみに、船橋・川井の両選手による3位決定戦は、船橋選手がこれを制した。

 

最後のプロクラスは実力者の中村選手が優勝!

 泣いても笑っても終わりというドリフトキングダム最後の追走は、実力者の中村選手に、益山選手が喰らいつき大接戦。決着がつかずサドンデスに持ち込んだものの、やはり中村選手の技術は一枚上手。ラストゲームを制したのは、中村直樹選手(#99 クリスタルHE.VALINO/S15)であった。

 ドリフトマッスルから数えて9年間に渡り続けられてきたドリフトキングダムは、この大会をもって終了となった。気になるのが、これまでドリフトキングダムで育ってきた選手たちの2020年シーズンの動向。

 国内最高峰のドリフト競技D1や、その下位カテゴリーのD1ライツへの転向する選手もいれば、アメリカで開催されているフォーミュラDへ挑戦する選手など様々。中には、一旦ドリフト競技から身を引く選手もいることはとても残念だ。

 いずれにしろ、各選手の今後の活躍、そしてキングダムで鍛えた技などを、また別のステージで披露してくれることを期待したい。

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