素晴らしいボディ形状再現に敬意を表して…
実車の世界のみならず、モデルカーの世界でも、昔から変わらずスカイラインの人気は高い。中でも、特に人気があるのはケンメリやハコスカであろう。もちろん今では、第二世代GT-Rを擁するR32~R34の各世代も、同様かそれ以上に熱い支持を集めているのだが、その息の長さも含めて考えれば、ケンメリ、ハコスカの人気は驚異的なものである。
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そんな訳で、2022年にハセガワから新金型でケンメリGT-R、すなわちKPGC110型 日産スカイライン2000GT-Rが1/24スケール・プラモデル化されたときは、狂喜乱舞した方も少なくないだろう。かくいう筆者もそのひとりであるが、その嬉しさの理由はおそらくどのモデラーにもほぼ共通であると思われる。すなわち、ハセガワならではの、実車にあまりにも忠実なボディラインの捉え方に、大きな期待がかかったからだ。そしてその期待は、最高のレベルで実現したのである。
さらに嬉しいことに、キットとして発売されたのはGT-Rだけではなかった。実車登場時の最上級グレードである2000GT-Xも製品化されたのである。リアホイールアーチが大きく切り欠かれ、しかも、オーバーフェンダーを装着するGT-Rとの兼ね合いはどうなるのか、ハセガワはどう対応するのか……。多くのモデラーが不安と期待で見守る中、ノーマルフェンダーのボディが専用に用意される(金型のコマ替えによるものであろうが)という最大の配慮を、ハセガワは見せてくれたのであった。
最初に登場したGT-Rの発売からはすでに2年近くが経っているだけに、すでに模型専門誌などでいくつも作例が発表されているが、当CARSMEETモデルカー俱楽部でも、このハセガワ製ケンメリを使って、楽しい作例とその制作過程をお見せしていきたい。という訳で、その制作を始めていこうという第1回がこの記事なのであるが、しかし、ただ素組みしただけでは、あまり面白味もないかもしれない。そこでこの連載では、キットでは省略されているエンジンを搭載してみようというのがまずひとつめの目玉である。そしてもうひとつ、ちょっとした仕様変えをしてみようと目論んでいる。
エンジンの再現に配慮された(であろう)シャシー形状
まずエンジンの搭載についてお話ししておこう。このハセガワ製ケンメリでは、すでにチラッと述べた通り、GT-RもGT-Xも、エンジンは再現されていない。これは決してキットの不備や欠点というわけではないが、やはりエンジン再現を楽しみたいモデラーは一定数いることだろう。
それはハセガワもよく分かっているらしく、本来なら必要ないであろう、独特な前輪タイヤハウス形状が、シャシーにしっかりと再現されているのである。単純なカマボコ型ではないこの部分があらかじめ実車通りに造形されていれば、あとは他からエンジンを流用するだけで、エンジンルームの再現はほぼ出来上がりも同然である(ちょっと言いすぎだが……)。ハセガワのこの細やかな気配りに、この作例で応えてみようという訳だ。
もうひとつ、「ちょっとした仕様替え」についてであるが、これは作者・北澤氏の遊び心によるところ大である。プリンス時代からすでに一部の国へ輸出が行われていたスカイラインであるが、その事実はあまり知られていないかもしれない。そうした海外仕様の中から、右ハンドルのまま作れる仕様ということで、オーストラリア向けのダットサン240K GTにしようというのである。実はこのダットサン240K仕様は、以前にアオシマが同社製ケンメリのバリエーションとして、2ドア/4ドアともにキット化したことがあったが、北澤氏がどのようにその再現に挑むのか、興味津々である。
という訳で今回行ったのは、ボンネットの切り離しと、エンジンルームの基本造形であるが、その工作の詳細については、画像とキャプションをご参照いただきたい。どんな作品に仕上がるかワクワクしながら、次回もお待ちいただければ幸いだ。
※使用キット
ハセガワ1/24スケールプラモデル ニッサン スカイライン HT 2000GT-X (KGC110)
3520円(税込)
ハセガワ公式サイト
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