スペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットでMotoGP最終戦ソリダリティGP決勝レースが行なわれた。優勝はフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)だったが、チャンピオンにはホルヘ・マルティン(プラマック)が輝いた。
バレンシアGPが豪雨災害によって中止になった結果、MotoGPは最終戦をカタルニアで行なうことを決定。バレンシア地域への連帯を打ち出し、ソリダリティGPとして行なわれることになった。
■7年間のMotoGP参戦終える中上貴晶のこれまでと”これから”。ホンダ苦境の内側と、今後の恩返しプランをロングインタビューで語る
なお11月中旬の開催ということで、同地で行なわれた5月のカタルニアGPとは大きく異なるコンディション。午後に向けて気温は上昇したものの、18度止まりで、路面温度も18度だった。
ポールシッターは19ポイント差の逆転を目指すドゥカティのバニャイヤ。2番手に引退戦となるアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、3番手にマルク・マルケス(グレシーニ)というフロントロウの面々で、ランキング首位のホルヘ・マルティンは2列目4番グリッドに並んだ。
全24周の長丁場の決勝はポールシッターのバニャイヤが好スタート。そこに同じように良いスタートを決めたマルティンが続き、3番手にはマルケスがつけた。
バニャイヤが逃げようとする中、2周目のホームストレートでマルケスがマルティンに並んで、オーバーテイク。2番手が入れ替わった。4番手以下は0.3秒ほどの差でエスパルガロ、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)と続いている状態だった。
マルケスが逆転タイトルを狙う来季のチームメイト、バニャイヤを追い抜くかどうかが注目されたが、バニャイヤはレースファステストラップを更新していく走りで、マルケスを2番手に抑え続けていた。
トップ2に対して3番手のマルティンは、約0.7~0.8秒差といったところで走行。この位置で走り切るだけでチャンピオンとなれるリスクを負う必要はない状況にあった。
3番手のマルティンはレース半分を消化したタイミングで、トップに1秒以上の差をつけられており、優勝争いからは脱落しつつあった。
そして2番手のマルケスも、レース後半に入るとバニャイヤから遅れ始めてしまい、0.4~0.5秒ほどまでその差が広がると、以降も差を詰めることができなかった。
レース終盤にかけても、バニャイヤはミス無くトップを守り続け、ラストラップに突入。後続に1.4秒差をつけてトップチェッカーを受け、シーズン11勝目を挙げた。2位はマルケス。この結果、マルケスはランキング3位を獲得した。
そしてマルティンは最後まで集中力を切らすことなく走りきって、3位を確保。バニャイヤに対して10ポイント差をつけて、2024年のMotoGPチャンピオンに輝いた。
MotoGPクラスとなってからサテライトチームのライダーがチャンピオンとなるのはこれが初めてで、最高峰クラスとしても2001年のバレンティーノ・ロッシ以来のことだ。
新王者となったマルティンは、”マルティネーター”というニックネームになぞらえたBGMがかかる中、お色直しとチャンピオンを祝うパフォーマンスを実施。ゼッケンナンバーがチャンピオンの『1』に貼り直されたマシンにまたがって、万感の想いを込めたウイニングランを行ない、パルクフェルメで喜びを爆発させた。
また引退レースだったエスパルガロは、ラストラップまで激しくアレックス・マルケス(グレシーニ)とのバトルを繰り広げ、5位でフィニッシュ。引退戦でも一線級の競争力を示しながらキャリアを締めくくった。
同じく今回がフル参戦ライダーとしては最後のレースとなった中上貴晶(LCRホンダ)は、17位でフィニッシュ。7年間のMotoGPクラス参戦に幕を下ろした。なお中上は来年ホンダのMotoGP開発ライダーとなり、エスパルガロもホンダでテストライダーになることが決まっている。
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