万全のコロナ対策で3回目の開催
text & photo:Kouzou Ebizuka(海老塚 構造)
【画像】第31回東京ベイサイド・クラシック・カップ【現地レポート】 全45枚
2020年は8年目のシーズンを迎えたクラシックカーのサーキットイベント『東京ベイサイド・クラシック・カップ』(通称:TBCC)。今年は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響で、多くのクルマ関連イベントが開催自粛や延期に追い込まれた。
TBCCも開催日の調整を余儀なくされたが、全参加者の登録と検温、屋内での表彰式と懇親会の中止といった対策をいち早く打ち出し、結果として3月(第7シーズン最終戦)、7月(第8シーズン初戦)、9月(第2戦)と実績を重ねてきた。
ウィズ・コロナ時代の屋外クルマ・イベントとしての模範を示してくれているTBCC。12月6日には年内最後となる第3戦(第31回)が、千葉県の袖ケ浦フォレスト・レースで開催された。毎回多くのクラシックカーが参加するTBCCだが、レース形式68台、スポーツ走行36台、ビンテージ車(戦前車)4台と相変わらずの盛り上がりだった。
2台のホンダT360がレース走行にステップアップ
TBCCの走行カテゴリーにはレース形式の他にスポーツ走行枠も用意され、こちらは“プレTBCC”という位置づけ。将来的にTBCCのレース・カテゴリーへのステップアップを期待して設けられているスポーツ走行枠である。
高年式のモデルであったり、ピックアップ・トラックやワゴンなど、そもそも参加できるレースのカテゴリーのない車両であっても、安全に関するレギュレーションをクリアすれば参加できる。
今回、TBCCレース・カテゴリーの入門編である、クラブマンズ・カップにデビューした2台のホンダT360も、このスポーツ走行枠の常連だった。
ヒストリックカー・レースでは過去のレース・ヒストリーやホモロゲーションのないモデルは、参加できるレース・カテゴリーがないことが多い。
しかしながら、ホンダ初の4輪車にして、幻のスポーツカーS360譲りのツインカム・エンジンを搭載するその特別な出自、そして永らくスポーツ走行枠で走ってきた両車のドライバーの技量が認められてのレース枠初登場となった。
果たしてTBCCレース・デビューの“ツインカム・トラック”だが、ミニや同門のホンダ・エスたちを向こうに回して決して劣らぬ走りをみせてくれた。今後の活躍を期待したい。
クリスタル・カップにはグループ2ボディのアルフェッタGTも初参戦
ミニやアルファ・ロメオ・ジュリア、MG Bなどのヒストリックカー・レースの王道車種も数多く参加するTBCCだが、毎回ユニークなモデルが新登場するのも大きな特徴だ。
今回、筆者の目を惹いたのはスーパー・クリスタル・カップに初登場した、1975年 アルファ・ロメオ・アルフェッタGTだった。
レーシング・モデファイされたアルフェッタGTの参加は過去に何度も見かけたが、この車両はスリークなノーマルボディとは一線を画すグループ2ツーリングカー仕様を思わせるデザインのオーバーフェンダーを纏っていた。
まずはニューマシンの感触を確かめるためか予選のみの出走だったが、走っている姿が実にサマになる1台だった。
年内のTBCCは終了 最終戦は3月7日を予定
波乱に満ちた8年目のTBCCも来年3月7日に最終戦を残すのみとなった。毎年、最終戦は多くの参加者がある「ファミリーサーキットデイ」との併催となるので、それまでには感染症の勢いも弱まっていて欲しいものである。
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