Webモーターマガジンの人気連載企画「昭和の名車」が保存版MOOKとして発売された。上下巻の分冊で総掲載台数は驚きの187台。昭和30年から63年までに発売された代表的な車種をほぼ網羅した国産車の歴史絵巻だ。今回はそのなかから、黎明期のモータースポーツにスポットをあてたコラムをいくつか紹介しよう。
スバル360~第2回日本グランプリで大活躍
昭和39年5月に三重県の鈴鹿サーキットで開催された第2回日本グランプリ。そのT−Iクラス(400cc以下クラス)で1−2フィニッシュを飾ったのがスバル360だった。このレースでスバル360は実質的な 前進6速となる副変速機のメリットをいかんなく発揮(同レースでの平均車速は104.27km /h)。追いすがるスズキ・スズライト、マツダ・キャロル360らの強敵に大差をつけて優勝したのだ。
【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?
プリンス・スカイライン2000GT~伝説の始まり
昭和39年(1964年)の第2回日本グランプリ。生沢徹のスカイラインは式場壮吉のポルシェ 904をかわして一時は首位に。結局は勝てるはずはなかったが、これがスカG伝説の出発点となった。当時ホモロゲは12カ月間に100台の生産で取得できたが、GTの設計大綱が決まったのは同年の2月15日、車両公認書提出期限の3月15日までは1カ月しかなかった。しかし、プリンス自動車は総力を上げてこれを達成。スカイライン1500のボディにグロリア用2l 6気筒を積んだGTをサーキットに送り出した。
トヨタスポーツ800~浮谷東次郎の大逆転優勝
「ヨタハチ」といえば故・浮谷東次郎の活躍が思い出される。特に昭和40年(1965年)7月18日の船橋サーキットオープニングレース「全日本自動車クラブ選手権レース」のGT-1クラスでは、序盤クラッシュのため16位まで落ちながら、田中健二郎や黒沢 元治のブルーバード、生沢徹のS600などをかわし、わずか30周のレースで奇跡の大逆転優勝を飾った。しかし、その天才は同年8月20日、鈴鹿で練習中に事故に遭い、翌日この世を去った。
ダットサン・フェアレディ2000~GT-IIクラスでブッちぎりの速さ
フェアレディ 2000(SR311型)はレースでも大活躍。 ストックの状態でパワーウエイトレシオは6.4kg/ps、最高速205km/hというパフォーマンスを発揮、 レース用ロールバーがオプションで用意されていた ため、アマチュアレーサーからも人気で、その活躍 も当然だった。昭和42年(1967年)の第4回日本GPのGTクラスでは、見事に1 ~ 3位を独占している。 この時の優勝は黒沢元治選手だった。
コスモスポーツ~ロータリーエンジンの性能を世界で実証
ロータリーエンジンを搭載した世界初の量産車となったコスモスポーツは、昭和43年(1968年)8月、ニュルブルクリンクで開催されたマラソン・デ・ラ・ルート84時間耐久レースに出場。量産車のスピード と耐久性が問われる過酷なマラソンレースで、ポルシェ、ランチアに次ぐ4位に入賞、ロータリーエンジンの性能の高さをアピールするとともに、信頼性、耐久性を世界中に示した。
トヨタ1600GT~市販前からレースで活躍
トヨタ1600GTは、発売直前の昭和42年(1967年) 夏の鈴鹿12時間耐久レースに「トヨタRTX」として出場し、見事1-2フィニッシュを飾っている。写真はその当時のものだが、市販化された後も国内レー スや海外ラリーに出場して大活躍。わずか1年あまりという短期間ではあったが、ツーリングカーレースではスカイライン2000GT、ベレット1600GTなどのライバルを抑えて連勝を飾っている。
ダットサン・ブルーバード1600 SSS~国際ラリーで大活躍
日産はいち早くラリーに目を付け、サファリ・ラリーにブルーバード510型を投入している。昭和44年 (1969年)はクラス優勝(総合3位)とチーム優勝を達成。翌45年はクラス優勝に加え、総合優勝まで 獲得し、世界を驚かせた。日産のサファリ・ラリー挑戦は「栄光の5000キロ」として映画化もされている。 その活躍は「世界のブルーバード」たる地位を築き上げ、ベストセラーカーになった。
このほか、さまざまなトピックをぎっしり詰め込んだ「昭和の名車 大全集(上巻・下巻)」。ぜひご覧下さい。
[ アルバム : モータースポーツ黎明期に活躍した昭和の名車たち はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
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特にその「5」は「第二回日本GPでのポルシェとスカイラインの対決! 生沢、式場が当時を語る。スカG伝説の誕生。」
として、伝説の起点たる例の904を抜いた話が、当事者本人同士で語られているので、必見です!(
0:45~)
、
この当時のツーリングカーレースって、フロントマスクの改造規則が甘かったから、グリルはおろかライトすら付いてないんで、多数で走るとパッと見、どこのメーカーの何の車か分かんないんだよね。