5月に入り、インディ500に向けたプラクティスが始まった。伝統のレースを制覇するため、チームと各ドライバーは万全の準備を整えようとしている。
昨年のリベンジを誓うのが、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)だ。2021年のシリーズチャンピオンに輝いた彼は、インディ500で2位と好成績を収めた。
■インディ500”最速の敗者”となったアレックス・パロウ「2位があんなにつらいとは思わなかった」
しかし、パロウはあくまで”最速の敗者”だった。このレースにメイヤー・シャンク・レーシングからスポット参戦したエリオ・カストロネベスが、最多タイとなる4勝目を飾ったのだ。
カストロネベスから0.5秒差でチェッカーを受けたパロウは、大ベテランとの戦いの中で多くのことを学んだと語った。
「もちろん、あんな風にディフェンスしたり、(前車との)ギャップをコントロールしたり、次のターンに向けて上手くストレートを走れるようにするなんてことは初めてだったから、たくさんのことを学べた」
「スピードを上げるために必要なこと、学んだことはたくさんあったんだ。ロードコースのように、コースを覚えて飛び込むだけじゃない。もう少し時間がかかることなんだ」
パロウはインディ500での活躍で85ポイント(2位80ポイント、予選6位4ポイント、ラップリーダー1ポイント)を稼ぎ、最終的にジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)に48ポイント差をつけてシリーズチャンピオンに輝いた。
だが彼は、昨年のインディ500は”勝利を逃した”レースだったと考えており、レースを見直すことは勉強になるだけでなく、苦痛でもあると認めている。
「僕はいつもそれ(昨年のインディ500のレース映像)を見ようとすると、『ぐぎぎ…!』って感じになるんだ。だって素晴らしい戦略があって、チームも素晴らしいピットストップをしてくれた。勝てるクルマがあったんだ。そんなチャンスは何回あるか分からないんだ」
「毎回そのチャンスを手に入れるのは簡単なことじゃないんだ」
「だから、それを見るたびに『アーッ!』って怒ってしまうんだ。でも正直に言って、その2回目をどうやって得るかという点でも、いろいろなことを学べてことに満足している」
パロウはプラクティス初日を6番手で終えた。チップ・ガナッシは5台体制でエントリーしているが、その5台すべてがトップ10に食い込んだのだ。
パロウはコンディションが違う4月のテストが、多少なりとも今回の結果に関連していると話した。
「コンディションによってマシンのハンドリングが大きく変わる。だから、ほんの少しだけど、(4月のテストが)関連している」
「例えば今日とはかなり(コンディションが)違うけど、その違いの一部は”翻訳”できる」
「クルマの感触は、ここでテストをした時と本当によく似ているんだ」
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