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2021春サマータイヤを徹底チェック 注目すべきタイヤはコレだ!!

掲載 更新 3
2021春サマータイヤを徹底チェック 注目すべきタイヤはコレだ!!

 例年、年明けから3月あたりにかけてサマータイヤの新商品が各タイヤメーカーから発表、発売されるのが通例。ちょうどスタッドレスタイヤからサマータイヤに交換する時期ということもあり、力の入った新タイヤが投入されるのだ。
 ところが今年はちょっと少な目。やはり昨年来のコロナウイルス感染問題が影響をしており、各タイヤメーカーの開発スケジュールに遅れが生じているという側面があるのだ。とはいえ、そんななかでも意欲的な新サマータイヤが登場しているので、しっかりチェックをしておきたい。

※ベストカー2021年6月10日号より転載

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■ユーザーの使い方にマッチしたタイヤ選びが可能に

4WD性能に定評のあるRAV4でも主な使い方は街中~高速道路という人が多いだろう

 昨年は、国内タイヤメーカーから相次いでオールシーズンタイヤが登場したのがトピックスだった。オールシーズンタイヤは新たなタイヤ選択肢として注目の存在だ。

 そして昨年から徐々にラインナップを増やしてきたのがオンロード向けSUV用タイヤだ。昨年は横浜ゴムの「ジオランダーCV G058」と「ブルーアースXT」が相次いで送り込まれた。

 そして今シーズンはトーヨータイヤが「プロクセスCL1 SUV」を、さらにブリヂストンが「アレンザLX100」を投入。いずれもオンロードでの操安性、乗り心地、静粛性を重視したSUV専用設計で、タイヤラベリング制度の低燃費エコタイヤとなっているのもポイントだ。

 SUV用オンロードタイヤはサマー専用に割り切ったものと、オンロード重視ながら「M+S」でオールテレーン寄りのものなど、バリエーションが豊富になってきた。よりユーザーの使い方にマッチしたタイヤ選びが可能になってきたと言えるだろう。

【ブリヂストン アレンザLX100】

ブリヂストン「アレンザLX100」195/80R15~285/40R22(39サイズ)

実勢価格 2万1000円(225/60R17)

アレンザLX100のここがポイント
■「アレンザ」はオンロード向けSUVタイヤのブランドとしてシリーズ化
■従来の「デューラーH/L850」をよりコンフォート性能に特化して静粛性、乗り心地を追求
■レグノに採用される「ダブルブランチ型消音器」や摩耗後の静粛性を維持する「シークレットグルーブ」などの技術を搭載
■SUVに合わせたサイドチューニング

■コンフォート性能を重視したオンロード用SUVタイヤ

左右非対称パターンを採用。右がOUT側で、ダブルブランチ型消音器形状がノイズを抑制。IN側はノイズカットデザイン

 ブリヂストンのオンロード向けSUVタイヤの『アレンザ』ブランドはこれまで2017年に登場した『アレンザ001』のみだった。

 そこに新たに加わった『アレンザLX100』 は、スポーティ志向の001に対しコンフォートに向けて開発されたのが特徴的。従来からあった『DUELER H/L850』 の後継タイヤという位置付け。今後、『DUELER』はヘビーデューティーSUVに向けたオフロードタイヤブランドに特化し、オンロード用SUVタイヤが『アレンザ』と、ブランドを明確化していく。

 ショルダー部の大型ブロックが特徴的な001に対し、LX100のトレッドパターンはセンターアウト側に配された『3Dノイズ抑制グルーブ』、イン側に配された『シークレットグルーブ』が刻む特徴的な左右非対称パターンが印象的。ブリヂストンのプレミアムタイヤ『レグノ』に採用されている静粛性技術であるシークレットグルーブは、トレッドゴムが摩耗した時の高周波ノイズを抑制する効果がある。

 また、SUV専用設計としてサイドウォールを強化するなどのチューニングを盛り込んでいるのも特徴的だ。39サイズが用意され、全サイズタイヤラベリングの「A-c」を獲得する。

■圧倒的な軽やかな転がり感を実感

とにかくスーッと滑らかな転がり感が印象的なアレンザLX100。高周波のパターンノイズがよく抑えられて静か

 走り出すと、アレンザ001や旧来品となるデューラーH/L850と比較するまでもなく、圧倒的な軽やかな転がり感を実感する。スーッと滑らかに路面を転がって行く感覚だ。これは速度を高めるまでもなく、ホンの10km/h以下でハッキリと伝わってくる。そしてとにかく静か。特に「サー」といった高周波の路面を叩く音がよく抑えられている。

 後にアレンザ001に乗り換えると、より明確。LX100でほぼ無音に感じた条件で「シャー」、「ザー」だった条件で「ジャー」となる。

 路面の継ぎ目の段差越えでは、001が「タタンっ!」と打音とともにステアリングに軽い衝撃を感じる場面で、LXは「タスン」と抑制の効いた音のみで段差感は伝えない。

 操舵に対する反応は比較的マイルドなんだけど、トレッドがよれるような腰砕け感はなく、素早い左右の切り返しでも舵の効きに遅れはない。このあたり、001と比べるとレスポンスや手応えの差はあるものの、ネガではなく、むしろこのマイルドさを好むドライバーも多かろう。

 デューラーH/L850装着車に乗り換えると、音もハンドリングも乗り心地も、すべてちょうど001とLX100の中間。トレッドパターンの見た目の印象よりも、ずいぶんと静かなんだなと再認識した。

 よりコンフォート性に磨きをかけながら、バランスのいいハンドリング性能を作り上げているのがアレンザLX100なのだ。

【トーヨータイヤ プロクセスCL1 SUV】

トーヨータイヤ「プロクセスCL1 SUV」175/80R16~245/40R20(20サイズ)

実勢価格 1万2000円(225/60R17)

プロクセスCL1 SUVのここがポイント
■非対称ブロックピッチ配置により高い静粛性を実現。プロクセスCF2 SUVに対し22%低減
■リブ溝部をテーパー状の形状とすることで、路面接地時の変形を抑制。操安性と耐摩耗性を向上
■全32サイズでタイヤラベリング制度の「A-b」を獲得する低転がり抵抗性能と高いウェットグリップ
■SUVの車重や高重心に合わせて設計されたことで安定した操安性を発揮

■低燃費性能を高めたオンロード向けSUV用タイヤ

4本のストレートグルーブがスッキリした上質な乗り心地と素直な操縦性を予感させる。非対称のブロックピッチ配列パターン

 「プロクセス」はトーヨータイヤのスポーツプレミアムブランド。そのプロクセスシリーズの最新作として、ミッドサイズ以上のSUVに向けたオンロードタイヤとして開発されたのが「プロクセスCL1SUV」なのだ。

 昨今のSUV人気で、従来はオールテレーン(M+S)が中心だったSUV向けタイヤも、よりオンロード志向が求められてきた。オンロードでの快適な乗り心地と静粛性、さらにしっかりとした操安性を求めるとなれば、やはりオールテレーンではなく、オンロード専用タイヤが必須となる。

 プロクセスCL1 SUVは15インチから20インチまでの20サイズが設定されているが、そのすべてがタイヤラベリング制度の「A-b」を獲得。つまり、高い低転がり性能と確実なウエットグリップ性能を兼ね備えたECOタイヤだ。

 トレッドパターンはいかにも高速直進安定性に優れ、またウエット時の排水能力が高そうな4本グルーブを軸とした左右非対称パターン。イン側とアウト側でブロックピッチをずらすことでパターンノイズを低減する。また、リブ端部をテーパー形状とすることで路面接地時の圧力による変形を抑制。路面に「面」で接地することで確実な接地面積を確保し、高いグリップと操安性を生み出すのだ。

■しっとりとしたグリップ感とダンピングの効いた乗り心地

プロクセスCL1 SUVはしっとりと路面に吸い付くような操舵感と、ダンピングの効いた乗り心地が印象的

 走り出して最初に感じるのは「しっかりとした手応え感」。タイヤがしっかりと路面を捉えている感覚がステアリングから伝わってくる。

 速度を上げていくと“スーッ”とスムーズに転がっていく感覚が心地よい。ややざらついたアスファルト路面を走っても、高周波の“シャー”音はよく抑えられている。

 低転がり抵抗のECOタイヤと聞くと、手応えの薄さを心配するかもしれないが、このタイヤはそんなことはなく、むしろしっとりとしたグリップ感とダンピングの効いた乗り心地が感じられ、プレミアムコンフォートタイヤの乗り味だ。ダンピングを利かせながら適度にしなるサイドウオールの柔軟性によって重たいSUVの車重を支えながら、しっとりとした乗り心地を生み出しているのだ。トレッドブロックの剛性は高いので、操舵に対する反応はよく、イヤな遅れ感やよじれ感はない。

 今回の試乗では確認できないのだが、ロングライフ性能も自慢だという。それは、均一な接地面により、偏摩耗を抑制したことが大きく寄与しているのだという。つまり、確かなハンドリングとロングライフは共存、両立するものなのだ。

【グッドイヤー E-Grip RVF02】

グッドイヤー「E-Grip RVF02」155/65R13~245/35R20(40サイズ)

実勢価格 1万2000円(205/60R16)

■ミニバン専用に操安性と乗り心地をハイバランス

E-Grip RVF02は高いウェットグリップが印象的

 グッドイヤーのミニバン専用タイヤとして『イーグルRV-F』があったが、モデルチェンジに際して『イーグル』ブランドから、よりエコ性能を強化した『Efficiennt Grip』(E-Grip)シリーズの一員となり、その名を『Efficiennt Grip RVF02』と改めて進化した。

 全40サイズが設定されるが、このうち実に32サイズがタイヤラベリング制度の「AA-b」、残り8サイズが「AA-c」を獲得。低転がり抵抗=低燃費性能と、高いウェットグリップを両立しているのがポイントだ。

 テストコースのウェットハンドリング路を走ったが、大きく水しぶきが上がるほどの水深でもしっかりとトレッドゴムが路面に密着し、“ジワリ”とつかみ取るようなグリップ感が高い安心感につながることを実感した。

 ドライ路では“スーッ”と滑らかな転がり感とソフトな乗り心地が印象的。試乗車はアルファードで大きく重たいのだが、しっかり車重を支えながらもサイドウォールがしなやかに路面からの衝撃をいなしている。トレッド面での衝撃吸収も高い印象。

 その分、直進からの転舵時に若干反応に“ダル”を感じるが、重心が高いミニバンの特性を考えると、このくらいがちょうどいい。操舵に対する追従性は素直で、運転していて「楽」なタイヤ。

 また、旧来製品に対し14%ノイズエネルギーを低減したというように、高周波のパターンノイズが抑えられた静かなタイヤだ。

E-Grip RVF02はドライでは全体的にソフトでラクチン

【画像ギャラリー】ベストカー編集部厳選のおススメタイヤを公開!!

 「2021春サマータイヤ徹底チェック」は5月10日発売『ベストカー』(2021年6月10日号)からの転載です。雑誌では、本記事の他に「BC厳選!!おススメサマータイヤカタログ」と題して「タイヤメーカー技術の粋 低燃費スタンダードタイヤ」など7カテゴリーに分けて70以上の商品を網羅、寸評と本誌独自調査による実勢価格も記載したお役立ち情報を掲載しています。雑誌もぜひお楽しみください。

 2021年6月10日号では他にも気になる記事が盛りだくさん。スクープ「TOYOTAパワーユニット深謀遠慮 エンジンの可能性を追求する!!」をはじめ、集中BIG特集「『ホット』なハッチで熱く走ろう!ホットハッチ世界大戦」や、6人の自動車評論家がじっくり検証した「1年、2年、時間が経てば評価も変わる!?」、野外料理の達人にキャンプを楽しむ秘訣を聞く「クルマでOUTDOOR焚火で楽しむ『肉』キャンプ」、人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」など幅広い世代が楽しめる読み物を掲載しています。

『ベストカー』(2021年6月10日号)の購入はこちら

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モーサイ

みんなのコメント

3件
  • 紙媒体のベストカー売れてない様子。自分も買わなくなって久しいなあ。

    内容は下がってるのに価格は上がってるんだもん、しょうがない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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