現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「ステルヴィオ」が魅せるアルファロメオ製ディーゼルの洗練されたスポーツマインド

ここから本文です

「ステルヴィオ」が魅せるアルファロメオ製ディーゼルの洗練されたスポーツマインド

掲載 更新
「ステルヴィオ」が魅せるアルファロメオ製ディーゼルの洗練されたスポーツマインド

ALFA-ROMEO STERVIO 2.2TURBO DEASEL Q4

アルファロメオ ステルヴィオ 2.2ターボ ディーゼル Q4

「ステルヴィオ」が魅せるアルファロメオ製ディーゼルの洗練されたスポーツマインド

スポーティブランドが再定義するディーゼル

日本におけるディーゼルエンジンの評価は今なお定まっているとは言い難い。古くからのイメージを引きずっている人にとっては、ディーゼルは黒い煙を吐くトラック用のエンジンに過ぎない。

一方クルマ好きの目にはここ10年ほどのディーゼルは「ヨーロッパで人気」という触れ込みも手伝ってなかなか魅力的に映っている。ヨーロッパではガソリンと軽油の価格はほぼ同じなので、旨味は燃費の部分にしかないが、我が国では今なお軽油のほうがレギュラーガソリンよりもリッターあたり20円ほど安いという価格的なメリットもあるのだ。

だが昨今、ヨーロッパからは排気ガス規制の厳格化によりディーゼル人気に陰りが見えてきたという話が頻繁に聞こえてくる。そんな混沌としたディーゼル・シーンに差し込んだ一筋の光が、スポーティブランドのディーゼル参入だろう。イタリアのアルファロメオやマセラティ、イギリスのジャガーといったスポーツブランドからターボディーゼルモデルが登場し、ディーゼルの魅力を再定義しようとしているのである。

国内では1年待たされたステルヴィオの真打

アルファロメオ初のSUVであるステルヴィオはDセグメント・セダンであるジュリアとプラットフォームを共有するモデル。直接的なライバルがBMW X3であるといえばサイズ感を理解しやすいはずだ。

ステルヴィオの本邦デビューは今から1年近く前で、ファーストエディションのパワーユニットは2リッターの4気筒ターボのみだった。だがすぐにフェラーリ製2.9リッターV6ターボを搭載するフラッグシップモデルであるクアドリフォリオが導入され、今年になってからアルファロメオとしては最も意外な、しかし真打ともいうべき2.2リッターのターボディーゼルモデルも導入されている。

ガソリンモデルに似た部分と似ていない部分

スタイリングや室内の使い勝手等は既に色々と語られていることなので、今回はアルファロメオが「スポーツディーゼルエンジン」と呼ぶ2142ccの新型エンジンを中心にインプレッションしてみようと思う。

エンジンを始動させた瞬間の「ガラガラッ」というノイズはそれなりに盛大だが、一方加速しはじめの“ディーゼルノック”に関しては皆無で、非常に静かといっていい。加速感もまた、ノイズの静かさと印象が似ていた。具体的には、アイドリングのすぐ上あたりでドカンとくるはずのディーゼルらしい低速トルクがさほど強く感じられないのである。音といいトルクの出方といい、最新のディーゼルエンジンの性格はガソリン・ユニットのそれに近くなっているのだ。

気がつけばスピードがのっている俊足ぶり

しばらく山道を走らせていて「あるはずのものがない」ことに気が付いた。クルマ自体の重量感が希薄なのだ。ガソリンのステルヴィオは山道でトバして走れば、SUVらしからぬアルファロメオらしい身のこなしを見せるのだが、発進加速では1810kgという額面通りの重さを感じる。

ところがガソリンよりも10kgだけ重くなっているというターボディーゼルモデルにはその一瞬のストレスがない。これまでのターボディーゼルとは違って“ドカン”がないかわりに、最新の電子制御バリアブルジオメトリーターボや賢い8速ATのシームレスな仕事ぶりにより、気づいたときには思いのほかスピードが出ているのである。

排気音やトルクが演出する加速感よりも実スピード重視(?)。イタリアというよりドイツ的な動力性能こそが、アルファロメオのスポーツディーゼルエンジンが作り出した新たなスポーティ感なのである。

ディーゼルエンジンはハンドリングにも効く

とはいえ重い車重をなかったことにしてくれるトルク性能という方向性自体は、その他大勢の最新ディーゼルモデルと同じといえば同じ。そこで今一度「アルファならでは」の部分に注視してみると、ターボディーゼルのステルヴィオはガソリンモデルに比べ実にハンドリングがしっとりとしていることに気が付いた。

車重に関しては10kg増しだというが、感覚的にはフロントが30kgくらい重そうな印象で、そのおかげでドライバビリティ全体にオトナっぽい落ち着きが感じられる。

オトナっぽいとはいえ、ステルヴィオの基本的なハンドリングはアルファロメオの伝統的なシャープさを備えているので、スタビリティ重視のドイツブランドのSUVあたりと比べればドライバーを楽しませてあげようという気概は十分に感じられるので心配はいらない。

さらに言えば、ターボディーゼルのスロットルレスポンスはガソリンに比べて少し角が取れた印象なので、ハイスピードで長距離をこなすというディーゼルモデル本来の使い方をした場合にストレスがない点も優秀といえる。ステルヴィオのディーゼルは、しっとりオトナのスポーツSUVとして完成されているのである。

ディーゼルはステルヴィオのベストバイか?

クルマに何を求めるかは人それぞれだが、ステルヴィオのボディ形式や使い勝手の高さを考えれば、ひとりでワインディングを飛ばして走るというシチュエーションは副次的な要素であり、やはりメインとなるのは週末に4~5名乗車、荷物満載のロングドライブに違いない。

そんなステルヴィオのベストバイを決めるのであれば、ドライブフィールにおいても経済的にもステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4推しであることは言うまでもない。

もちろんステルヴィオの王様であるクアドリフォリオが相手なら少し展開も違ってくると思うが、クアドリフォリオはターボディーゼルとは対照的なインパクト強めのスプリンターなので、性格的にも価格的にもこの2台で迷うことはないと思う。

ハナっからスポーティなアルファロメオにオトナっぽい洗練をプラスする。新開発のターボディーゼルは、老舗スポーティブランドが提案する新たな個性なのである。

REPORT/吉田拓生(Takuo YOSHIDA)

PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)

【SPECIFICATIONS】

アルファロメオ ステルヴィオ 2.2 ターボ ディーゼル Q4

ボディサイズ:全長4690 全幅1905 全高1680mm
ホイールベース:2820mm
トレッド:前1610 後1650mm
車両重量:1820kg

エンジン:直列4気筒ディーゼルターボ
総排気量:2142cc
ボア×ストローク:83.0×99.0mm
圧縮比:15.5
最高出力:154kW(210ps)/3500rpm
最大トルク:470Nm/1750rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD

ステアリング形式:電動アシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後235/60R18

車両本体価格:617万円(税込)

【問い合わせ】

Alfa Contact

TEL 0120-779-159

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
レスポンス
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
motorsport.com 日本版
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
くるくら
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
くるまのニュース
これはクセスゴ!!  オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
これはクセスゴ!! オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
バイクのニュース
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
レスポンス
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
カー・アンド・ドライバー
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
日刊自動車新聞
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
AutoBild Japan
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
VAGUE
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
Webモーターマガジン
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
WEB CARTOP
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
くるまのニュース
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
バイクのニュース
ホンダ 全固体リチウムイオン電池のパイロット生産ラインを公開
ホンダ 全固体リチウムイオン電池のパイロット生産ラインを公開
Auto Prove
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】期待のストロングHV登場! SUBARUクロストレックS:HEVの実力
【最新モデル試乗】期待のストロングHV登場! SUBARUクロストレックS:HEVの実力
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

809.01491.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

235.91161.2万円

中古車を検索
ステルヴィオの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

809.01491.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

235.91161.2万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村