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街中に大蛇バスが登場!? バス2台分の「連節バス」は運転手不足の救世主となるか

■古くは万博で導入、地方でも続々導入の連節バスは運転手不足を救えるか

 2台のバスを蛇腹でつなげたような長いボディの「連節バス」という種類の路線バスがあります。1998年から千葉県幕張地区で路面バスとして導入され、現在は東京都内も含め全国各地で運用されている状況です。

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 そして、連節バスは2020年の東京オリンピック後に東京都心でさらに活用の場が広がる予定だというのですが、いったいどのように活用されていくのでしょうか。

 千葉県・幕張地区の連節バスに用いられている車両は、富士重工業(現:スバル)の車体とボルボのエンジンを組み合わせたバスです。一種の巨大な生き物のような動きをする、一度見たら忘れないルックスです。

 連節バスが、路線バス以外の用途で日本で導入されたのは1985年のつくば万博で、会場とJR常磐線の臨時駅(万博中央駅)の間を100台もの連節バスが走りました。

 車両は、現在と同じ幕張で走る富士重+ボルボ製でしたが、全長が18mもあったため、道路交通法・車両法(全長12m以内)の規格外となり、イベント終了後は用途がなくなって、多くの車両が海外に送られました。

 つくば万博だけでなく、幕張の路線バスの例も含め、連節バスの導入は走るルートや車線などを申請して許可を受けた、あくまで特例処置なのです。

 ところが、最近になって連節バスが注目を集めています。その大きな理由は、大型二種免許が必要なバス運転手の不足と高齢化のためです。

 厚生労働省や警察庁のまとめによると、2008年に大型二種免許取得者は約110万6000人でしたが、2018年には約89万6000人にまで減少。また、同時期に大型バス運転士の平均年齢は46.8歳だったものが、51.2歳にまで高齢化しています。

 東京都町田市では、2012年5月から神奈川中央交通と共同で連節バス「ツインライナー」を運行しています。運行区間は、山崎団地センターから町田バスセンターまでの約4.6km。

 この連節バスの導入により、同区間のバス運行回数を約23%少なくでき、渋滞緩和と二酸化炭素の削減も見込めるとしています。

 連節バスは、前述した運転手問題の解決に加え、新しい公共交通輸送システムのPRにおいて広告塔になるといわれています。

 2015年から導入した新潟市は、バス路線網を大幅に改編。郊外から市中心部に向かう基幹路線には、輸送力があって見た目も目立つ連節バスを走らせました。新潟市の輸送体系における象徴として、活躍しています。

 さらに、福岡市でも2016年に、ラッシュ時の路線バス渋滞解消の目的で、西日本鉄道の路線バスとして導入されました。現在13台が稼働して100便/日ほどが運航しています。

 長さは約18m、バス後部には「追い越し注意」という注意書きが書かれています。輸送できる人数も多く、一般的な約10mのバスが約70人程度を運ぶことができるのに対して、連節バスはほぼ倍の約130人を運ぶことが可能なため、輸送効率の差は歴然としています。

 全国でも先駆けて連節バスを導入した、東京都町田市の職員は以下のように話します。

ーーなぜ、連節バスを導入したのでしょうか。

 町田バスセンターから山崎団地センターの区間は、非常に運行本数が多く、渋滞やダイヤ乱れの原因でした。とくに、駅前はバスが団子状態になることも少なくなかったので、輸送力を強化するために導入しました。現在は、4台所有しており3台を運用しています。

ーー連結バス導入で変わったことや、効果はあるのでしょうか。

 渋滞緩和とダイヤ乱れの改善においては、効果が出ている実感があります。また、1名で2台分を運行できますので、ドライバーへの負担も軽減できています。

ーー今後、連節バスを増やす予定はあるのでしょうか。

 検討の余地はあると思います。ただ、一般的な路線バスというより、一定区間での運用で考えています。電車でいえば、各駅停車ではなく急行のような立ち位置でしょうか。

※ ※ ※

 町田市では、平日の通勤時間帯には20本以上が運行されているため、市民の間でも認知度が高いようです。

 なお、運転免許の面で大型二種免許は必須ですが、トレーラーのように切り離す事が出来ないため、けん引免許は不要です。しかし、右左折時や後退時にトレーラーの運転と同等の技能が必要であり、各事業者はけん引免許取得者を乗務させています。

 ドライバーには大型二種免許とけん引免許の保持が求められるという、なかなか高いハードルのある連節バスですが、運転手不足の救世主して注目されています。

■連節バスは、東京オリンピック後の東京の景観を変える?

 東京都では、交通局が2020年春より虎ノ門と晴海5丁目のオリンピック選手村の間で、連節バスを運行させる予定です。

 さらに、東京都都市整備局によると、オリンピック終了後には選手村跡地に建設予定である総戸数5632戸の巨大マンションタウン「晴海フラッグ」と、新橋・虎ノ門を結ぶ専用バスルート「BRT(Bus Rapid Transit)計画」でも導入予定としています。

 新たに生まれる新居住地区の晴海フラッグは、最寄り駅が徒歩20分ほどの距離にある都営地下鉄大江戸線「勝どき駅」となっており、鉄道整備が課題です。

 これまで、勝どき駅周辺は高層マンションの建設ラッシュで急激な人口増加が起き、2019年9月現在の勝どき地区の人口は2万7113人、晴海地区は1万6120人に達していて、合わせて東京・中央区の人口の25%以上が集中しています。

 そこにオリンピック後、晴海フラッグが完成すると、多くの住民が流入し、勝どき駅のキャパシティが足りなくなる可能性が大きいのです。

 現在、駅の増強改修工事が進められ、2020年6月のオリンピック開催までに完了するとしていますが、駅改修に伴う総事業費は160億円にのぼります。

 そういった事情もあり、鉄道以外の交通手段として連節バスに熱い視線が注がれています。

 しかし、これまで導入されたハードウェアは、過去につくば万博で活躍し現在は幕張メッセ周辺を走る「富士重+ボルボ製」以外は、メルセデスやネオプラン、ボルボといった輸入車ばかりでした。

 輸入車は日本の法規に合わせた構造変更や輸入コストが膨大で、約1億円/台が一般的だったといいます。

 そんな市場に参入しようと開発を進めた国産メーカーが、いすゞと日野です。両社は2017年2月にハイブリッドをパワートレインとする連節バスを共同で開発すると発表、2019年5月に発売されました。

 いすゞのブランドを冠したモデルが「エルガデュオ」で、日野ブランド車が「ブルーリボンハイブリッド連節バス」です。

 日本の交通インフラに適した標準車両サイズは全長17990mm×全幅2495mm×全高3260mmで、定員120名(座席36+立席83+運転席1)を誇ります。

 メカニカルな特徴は、モーターのみによる発進も可能なハイブリッドシステムに加えて、これまでは大型観光バス向けに導入されていた「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」が、路線バスにおいて初搭載されたことです。

 このEDSSは、ドライバーに急病などの異常が発生した際、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、自動で減速、停止する緊急停止システムです。

 車両価格(消費税抜)は、オプションレスの標準モデルでエルガデュオが8780万円、ブルーリボンハイブリッド連節バスが8800万円と、輸入車に較べて1割以上リーズナブルです。

 法律上は従来と換わらない運行形態で、特例処置として走行レーンやルートに厳しい規制があるものの、その高い輸送能力は魅力です。今後の都市交通で重要な役割を果たしそうです。

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