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新車から27年! レアな34ナンバーの日産スカイラインGTS25t Type Mの真実とは? 【Bestcar Classic オーナーズボイスVOL.13】

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新車から27年! レアな34ナンバーの日産スカイラインGTS25t Type Mの真実とは? 【Bestcar Classic オーナーズボイスVOL.13】

 一台のクルマには、縁あってオーナーになった人との歴史や思い出があり、物語になるほどのエピソードが生まれることもある。

 そんなクルマと人との関わりを、オーナーさんに直接取材して、リアルな生の声を紹介していきたいと思います。はたして、どんな生の声が聞けるのでしょうか?

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 購入した動機から、愛車に対するこだわりのポイント、年間の維持費、故障箇所、愛車の主治医まで、これからそのクルマを購入しようと思っている人にも役に立つ情報満載でお届けします。

文・写真/松村透

【画像ギャラリー】新車から27年! 20代から30代、40代をともに過ごしたスカイラインGTS25t Type M

■R33型スカイラインGTS25t Type Mを新車で購入後27年間乗り続ける理由とは?

オーナーのTAKEさん。愛車である1994年式日産スカイラインGTS25t Type M(ECR33型)とは27年の付き合い

 たかがナンバー、されどナンバー。

 今や希少な存在となりつつある2ケタナンバー。昨今ではスカイラインGT-R系よりもGTS系のほうがさらにレアな印象を受けます。

 「あした、スポーティに生きる」のキャッチコピーとともにデビューしたR33型スカイライン。当時の純正オプションだったエアロパーツに身を包み、一見するとノーマルかと思いきや、実はファインチューニング仕様だという今回のスカイライン。

 オーナーが20代前半の時に手に入れ、早27年。30代、40代をともに過ごしたスカイラインGTS25t Type Mの真実とは?

■プロフィール&愛車紹介

・お名前(HN):TAKEさん
・ご年齢:49歳
・ご職業:会社員
・所有しているクルマ(年式、グレード名):1994年式日産スカイラインGTS25t Type M(ECR33型)
・購入時期:1994年6月
・所有年数;27年3ヵ月
・購入時の走行距離:新車(納車時10kmくらい)
・現在の走行距離:80000km
・購入時の金額:約300万円

オドメーターは8万kmを超えたあたり。ここ数年は年間1,000kmの走行距離に抑え、動体保存も意識して乗っているという

■愛車を手に入れようと思ったきっかけを教えてください

 小学校2年生のころ、西部警察のドラマで劇用車として活躍していたマシンRS(DR30型スカイラインRS)を見て憧れていつかは・・・という思いがありました。

 あの当時スカイラインって走り屋のクルマの象徴みたいな感じで、その中でも赤と黒のツートンが好きでしたね。原体験が4気筒モデルだったので、「スカイライン=6気筒」というこだわりはそれほどない方です。私が二十歳のころ(1990年代前半)は、いわゆる「鉄仮面」は高値で(150万~160万円)で手が出ませんでした。

クルマ好きであれば「誰が見てもスカイライン」だと識別できるフォルム。テールランプは、純正の状態だと電球だが、カットを活かした立体的に見えるように基盤からワンオフしたLEDテールだ

■愛車との濃いエピソードを教えてください

 就職前に好きなクルマを購入しようと、父親と共同購入という形でスカイラインGT-R(R32型)を視野に入れて動いていました。

 FR車も気になり、発売されたばかりのシルビア(S14型)か180SX(RPS13型)の候補に挙がっていました。スーパーカー世代でもあるので、リトラクタブルヘッドライトへの憧れのクルマもありましたし、特に180SXは有力候補でした

 見積もりをとるためにディーラーを訪れた時、ふとショールームに展示されていたスカイラインクーペ(R33型)が目に留まり見積もりを出してもらったところ、前車2台と変わらない金額で購入できることが分かったんです。

新車時より純正エアロを装着しているTAKEさんのR33スカイライン。前期モデル特有のデザイン。エアロ含めここまで新車同然のきれいな状態をキープできているのは奇跡的だ

 今後、チューニングするうえでのベース車としての素性もいいし、何よりスカイラインへの憧れや、R32型GT-R が既に受注終了とのことで購入に至りました。タラレバ・・・ですけれど、もしあの時にR32型GT-Rを購入していたら、同じように所有していると思うんですが、ロールケージを入れてボディもドンガラにして、サーキット専用車になっていたかもしれないですね。

 これは余談ですが、二桁(34ナンバー)の時代にも関わらず、自分の生年月日に偶然なっているんですね。これは来るべきして手元に来たのかなと(笑)。

 ナンバーにまつわるエピソードとして、以前別のクルマの件でJAFを呼んだ時、若い隊員の方に「本物のナンバーですか? 」と聞かれたりしたことがあります。新車ワンオーナーは珍しかったんでしょうね。

サイドからの眺め。紛うかたなき、スカイラインだ。足まわりに手を入れた結果、構造変更を行ったという。その結果、型式名は「E-ECR33 改」となる

■愛車に対するこだわりを教えてください

 見た目は「純正エアロ+α」が基本です。「羊の皮を被った狼」ではありませんが、周囲に溶け込みつつ、走ると違う・・・そんな雰囲気を意識しています。

 エンジンは腰下(シリンダーブロックより下)とヘッド以外はすべて変更しています。カムとコンピューターは現車合わせでセッティングしています。タービンはHKS製GT2535を装着、それ以外にも、タービン・フロントパイプ・サージタンク・インタークーラー・燃料系全般にも手を入れてあります。

 気が付けば、ワンオフだらけになっていますね。修理する際には「どうせ交換するなら改良しよう」。その積み重ねでステップアップしてきた結果(成果)ともいえます。

 以前、友人の車検対応のワンオフマフラーを装着したプリメーラ(P10型)と一緒に走っていた時、トンネル内で「カーンってイイ音がするけどそれらしいクルマがいない」と周囲のドライバーたちがキョロキョロしていたのが見えましたよ(笑)。

デビュー時のキャッチコピーは「あした、スポーティに生きる」。CM曲は山下達郎の「JUNGLE SWING」だった

■大まかな年間の維持費を教えてください(自動車税、オイル関係、ガソリン代などを含めた概算)

 最近の走行距離は年間1000Km以下なので、燃料代はそれほどかかりません。

 オイル関係は、エンジンオイルについては半年ごとまたはサーキット走行前に、駆動系のオイルは様子を見ながら車検ごとに交換しています。オイルはペール缶で購入して、他の車両と一緒に使っています。

 税金関連は、(解せない思いがありつつ)自動車税が5万1700円。その他、車検時の重量税などを含めると、2年間で平均12万円なので、1年間だと6万円くらいです。

 あとは、任意保険が約8万円。車両保険も入っているので、ちょっと高めですね。年式が古い車両はネット系列の保険会社だと車両保険に入れないことが多いです。しかし、代理店経由だと実勢販売価格を書面で提示すれば、保険会社と交渉することになるとはいえ、入れるケースが多いです。

 また、車両保険の設定金額も見直すことができるんです。エンジンをオーバーホールしたり、高額な部品を替えたりした場合、上乗せできることもあります。なかには無保険・車検切れのクルマもいますから、自己防衛のためにも車両を含めた任意保険は必須です。

27年間所有しているとは思えないほどクリーンな室内。追加メーターも控えめ。TOMEI製のブースト計は絶版品。ステアリングも当然?スポーツタイプに交換されている

■失礼ながら、これまで大小の故障はありましたか?

 走行不能になったことはありませんが、27年間でそれなりにありました。サーキットに行った時、朝一のセッションでタービンがブローしたことも・・。これは純正ターボで吸排気系を作り直し、高過給で使っていたので仕方ないのですが・・・。

・ドアミラーが電動可倒しなくなりました(定番のトラブル)。
 最初に右側が動かなくなり、続いて左側も不動に。右側は中古品を入手、左側は今年の時点で最後の新品を入手したので、交換する予定です。外した部品は修理して保管します。

・ハイマウントストップランプの玉切れ
 元々純正がLEDなんですが、製造廃止なので打ち替え修理を予定しています

・エアコンの不具合
 数年前に発生。ガス漏れしてしまい、コンプレッサーとリキッドタンクを交換

・ボディ関連
 トランク周りシールが劣化して雨漏り(シールが構造的に割れやすいので、雨漏りでスペアタイヤのところが金魚鉢かテールレンズ内に水が溜まる)

・大雪の時に屋根に落雪が直撃
 これは故障ではありませんが、自宅の屋根からスカイラインめがけて雪の塊が落ち、ルーフが盛大に凹んだ時はさすがにもうダメかなと諦めかけました。たまたま友人に腕の良いデントリペア職人がいて、きれいに直してくれたので助かりました

腰下(シリンダーブロック以下)とヘッド以外はすべて変更しているというRB25DETエンジン。地道に改良を進めた結果、ほぼワンオフの部品ばかりになってしまったとのこと

■純正部品の入手に苦労していますか? (欠品・製造廃止している部品などご存知でしたら教えてください)


・内装部品はかなり前から欠品状態
 日産はバックオーダーで生産するケースがあり、定期的に調べるといきなり在庫が復活していることもあります

・消耗品類やゴム類はなんとかなる
 専用品(加工済み部品)ではなくても汎用品(カット等の加工前部品)で供給されているので、今のところ何とかなっている

・ネックなのはエアコン関連の部品
 当時のエアコン関連の部品を製造していたメーカーが外資系の会社になった影響なのか、ほぼ部品の供給がなくなった。根気強く探していると代替部品を作っている会社もあるようで、電装屋さん等を経由して部品を入手できる可能性もある

ボディと同系色のSSR製アルミホイール。サーキット走行も楽しんでいるTAKEさん、ブレーキキャリパーやホイールも「イイ感じ」で使い込まれた感がある

■愛車の主治医のどのようなお店ですか? (ディーラー or 専門店等)

 整備士の資格を保有していますし、できるだけ自分で診るようにしています。ただ、車検時や部品の入手、エアコンをはじめとする専用機器の必要な修理の場合は、友人の整備工場に預ける場合もあります。

太めの出口が懐かしさすら感じさせるHKS製マフラー。RBエンジンの音をさらに引き立たせてくれる存在でもある。騒音規制も厳しくなる昨今、音を楽しむことも貴重になってきた

■これからも乗り続けるご予定ですか?

 とりあえず、動く限りは乗り続けます。このクルマの次・・・って存在しないんですよ。最近のクルマは事あるごとに電子制御が介在してくるから、それに違和感を覚えることがありますね。私とスカイライン、どっちが先に逝くか勝負です。

モールやゴム類などの純正部品も保有している。たまに再生産される部品もあるため、在庫チェックは欠かせない

■未来のオーナーのために購入時のチェックポイントや愛車のウィークポイントを教えてください

 個体数がかなり少なくなってきている印象があります。程度の良いR33型を手に入れるのはそろそろ最後かな・・・という気がしています。もう少し経つと、R34型が同じような状況になると思われますが、同時に相場もどんどん高くなっていくような気がしています。

 無事故車や低走行車を探すより、その個体の程度や、改造度合いを重視した方がよいかもしれません。新車ワンオーナーで、ご高齢の方がやむなく手放すような個体と巡り逢えたらラッキーです。

このスカイラインを手に入れる際、候補にあがっていたというシルビア(S14型)と180SXのカタログも大切に保管されている

こちらは主にスカイライン系のカタログコレクション。いまではプレミアがつき、入手困難なモノばかりだ

 純正ターボへの高過給(ブーストアップ)のしだいで寿命に大きな差がでます。過去に比べて現在では社外品の選択肢も少なくなってきています。いざとなれば中古部品やエンジンを載せ替えも視野に入れておく必要があるように思います。

 また、年式相応のボディのヤレ、錆に関してはある程度の覚悟が必要です。さらに、盗難の心配もありますし、ガレージ保管かそれが難しい場合はボディカバーを使って保護するのもありです。

 ボディカバーは安物ではなく、多少高価でも厚手のカバーの方が長持ちします。専用品が理想ですが、難しい場合は他の車種のものを流用してみてください。ちなみに私はBMW E46 用のサイズを使っています。

R34型GT-Rのカタログは、純正オプションや価格表まで保管されている。決して安くはないが、当時は車両本体価格が500万円前後だったと再認識した

スカイラインファン心酔のコレクション。もちろん当時モノ。整備要領書と新車解説書もTAKEさんにとって必須アイテムだ。なぜか広報資料まで保有

■TAKEさんにとって愛車はどんな存在ですか?

 「日常の風景の一部」です。

 自宅の居間からスカイラインが見えるんです。気がつけば27年間「いつもそこに在る」んですよね。これから先、ずっと乗りつづけるためにも、現状ではいたずらに高負荷をかけず、コンディション維持に努めたいですね。

 あとは妄想の対象でもあります。次に手を入れたいところ、交換したい部品、走りに行きたい場所・・・等々、妄想は尽きません。当面の問題は資金面ですね(笑)。

20代から30代、そして40代と、TAKEさんの人生をともに歩んできたR33スカイライン。年々維持は難しくなってきてはいるものの、これからも相棒であり続けることに変わりはない

■取材後記

 TAKEさんが多感な時代をともに過ごしてきたR33型スカイライン。

 修理する際に「どうせ交換するなら改良しよう」。その積み重ねでステップアップしてきた結果、見た目はほぼノーマルでありながら、ワンオフ部品をふんだんに投入したスペシャルなスカイラインへと仕立てられた。

TAKEさんの遊び心でキーはポルシェ(964用)を流用。*キー部分はぼかし加工をいれてあります

 TAKEさんと同様のチューニングを中古車で行うにはリスクが伴う。新車の状態からコンディションを把握し、しっかり維持してきたからこそ「プラスアルファ」の余地があるといえる。しかし、それはこれまでの話だ。

 所有して27年。「日常の風景の一部」というほど生活に溶け込んだTAKEさんのスカイライン。さすがに経年劣化は避けられない。

 そのことを本能的に察知しているTAKEさんだからこそ、過度な高負荷を掛けることは避け、そろそろコンディション維持に重きを置きはじめているのかもしれない。そのことを強く実感した取材となった。

 直6エンジン特有の、澄んだ音色を響かせながら疾走するTAKEさんのR33型スカイライン。フォルムだけでなく、音でも魅了するクルマだ

走り去るこの姿を見ればクルマ好きであれば、誰もがスカイラインだと気づくだろう

【画像ギャラリー】新車から27年! 20代から30代、40代をともに過ごしたスカイラインGTS25t Type M

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みんなのコメント

1件
  • 私もECR33を27年所有してます
    田舎なのでナンバーは33の2桁
    ニスモが好きで外観からホイールまで
    ニスモ仕様にして楽しんでます

    33は不人気と言われますが
    同じ33を大事に乗られて居る方を
    見ると嬉しくなります。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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